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火鍋のカタルシス 週末日記 4月25日〜5月1日
4月25日
ネコ乱のカタルシス回だった。テーマ、ラストを決めて書き出すこと、他人が想定することをとことん考えて、あえてそれを避けることを知る。
勝山海百合 あれは真珠というものかしら をちょうど読んで、悲劇のカタルシスとはこういうことかと腑に落ちる。『たったひとつの冴えたやり方』は、まさにそうだよな。役目と死は繋がっていて、それが分断してしまうと、読者は不信感を抱いてしまう。悲劇的なカタルシスで物語をつくってみたい。
4月26日
麦原遥 それでもわたしは永遠に働きたいを読む。朱野帰子のお仕事小説の種田君を壮絶奇妙に描いた感じ。ワーカーホリック側の郎働を描くのだけど、管理社会でディストピア感が演出されていて硬派な雰囲気がある。
100分で名著、ハイデガーの存在と時間を読み終わる。世間というものから独立しようとすると、その存在は孤立化する。その孤立化した個人は自分で思考し、それが正しいわけ故に、ハイデガーはナチ党を指示してしまったのか。やっぱり、ハンナ・アーレンとは読みたい。
テレビで本の番組があったらというつぶやきを見たけど、100分で名著以外にあるのかしら。ゴロウデラックスしか思いつかない。
4月27日
円城塔 この小説の誕生を読む。正直に言って、よく分からないのだけど、このわからなさ加減が好きなのだと言ったら変だろうか。言葉の前提を強く崩されている感じが好きなのだ。
4月28日
海底楼で火鍋を食べる。火鍋は鍋という意味だから、実際これは鍋を食べたという意味でしかない。しかし事実、私は火鍋を食べた。
人生で初めて海底楼で火鍋を食べたとき、火鍋リテラシーがなかった。そのまま火鍋の辛い汁をダイレクトに具材に通して胃に流して食べた。食が拷問なのは久しぶりだった。翌日腹を壊す。
火鍋リテラシーを高め、麻辣つゆに具材をくぐらせ、それをごまたれで包んで食べるの作法を習得した。海底楼は3年ぶりである。
そして、当日。念願のたれで包み込んで食べた火鍋は、絶品だった。ごまたれで包まれた唐辛子の刺激。噛んだあとに舌に残る花椒の痺れ。癖になる味。癖味である。思い出してたらまた食べたくなってきた。
藤野可織 スカート・デンタータを読む。ネタバレをすると、痴漢の話である。痴漢に関する想像力、なるほど、痴漢ネットワークというものは存在していておかしくない。そして、尻を触った感触が残るような描写力。エンタメとしても優れてて、スカートが痴漢を懲らしめて震え上がらせる話で、このスカートのようなものを常にもっていようと決めた。
4月29日
堀晃 循環を読む。日常のなぞならぬ、日常のSFってこんな感じだろう。変化していく人生と街。土地勘があったら楽しいだろうな。
4月30日
実家に帰った。飲んべえしかいない。家飲みはしないけれど、実家になってからは飲むようになった。いぶりがっことクリームチーズ、ワイン酵母の日本酒で焼き肉を食らう。とにかく食べて、飲む家で育ったのだ、そりゃあ食べることと飲むことが好きになる。兄弟が年々太っているのを反面教師にちびちびと飲んだ。
ネコ乱の短編締め切り。勢いで書いてしまったけど、(さなコンの作品を読んだ)今ならもうちょっと書き直す必要があった。次は反省を生かす。やっぱり食べ物の話になった。
L・D・ルイス シグナルを読む。4890字なのに、なんだこの世界観はっていうくらいな作品。短編で世界観がこんなに広げられるのかって驚く。海の描写で間接的に表現した場面、かっこよくて唸る。その解決作を見つけたきっかけを詳細に描き込んでしまうけど、そうする必要なんてまったくないんだと。テーマは反抗、ラストは達成だろうか。それを描くために必要なことしか書いてない。かっこいい。
5月1日
ハリーポッターを一気見した。炎のゴブレットまで。ハリーポッターのエンタメで、ジャンルによらない凄さがあるよなと。ミステリ、サスペンス、ファンタジー、過去や因縁(回想)のシーンが挟まって、緩急を生んでいるように感じる。
成長ものは誰しもかドキドキするよなと。ファンタビは響かないのだけど、最新版はBLだと解説されてから解釈が変わった。もう一度原作を読み返したい。
坂崎かおる ファーサイドを読む。さなコン大賞作品。アイデア、世界観の広がり、展開がうまい。あとカタルシスにすぐにいかず、鍵になるDがコミックリリーフとして機能してるところもうまい。トリックスターでもあるのか。ラストはちょっと難しいが、世界観には合ってた。
雑感
だんだん書くのが遅くなっているので、毎日書く。思い出しながら書くのもまた発見があっていいのだが。一日一話読むのも辛いが、あえて課すことで発見があって面白い。遊んでばっかりで書いてない。書こう。
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