考え、選択し、決断している。
歳も歳で、自分の体の代謝の低下とか、生活習慣をよくしようとしている。
それも、どうしてかというと、出産という可能性について、考える年頃だからである。
家族を持とうとするとき、パートナーの状況と、自分の肉体的な状況を考えていかないと、後悔してもどうにもならない、そんなことが起きたっておかしくないのである。
毎日リングフィットしたり、目標歩数をクリアしたり。週末はジョギングしたり。体脂肪を調整したくて、あすけんしたり、糖質コントロールしたり。
意識しているからか、兄弟よりも、中年太りは避けられているぞ。
さて、出産についてだが、いまのところ予定はない。
キャリアの異動もあって、自分自身が安定してなかったというのもあるし、今度はパートナーのキャリアアップにつきまだ未決定である。
しかし、そろそろ〜という意識もお互い高まってきて、来年もしくは再来年には、生物としての使命? を果たせそうではある。
さて、そこで、身体的なコンディションを調整していく必要がないかと。
自治体で行われている定期検診、参加したくあってもなかなか忙しくて後回しにしていたが、後悔先に立たず。この期を逃してはならないと意を決して行ってきた。
子宮頸がん検査である。
検診票が届いたときは、ちょっと嫌だなという思いと、行っておいたほうがいいという思いで揺れた。
なんていうか、子宮頸がんワクチン接種問題の報道をよく覚えている分、その問題について、関心がありつつも、避けてしまっていたように思う。
定期検診世代ではなく、自費でワクチンを受けるような積極性を持つわけもなく、検診も受けずに今、この歳である。
それに加えて、一度婦人科を受診したときに、ハイテクな検査台への上がり方がわからず、右往左往してしまったことがツライ記憶だ。
事前の備えの情報取得も不足していて、ズボンで検査に行ってしまったために、(ワンピースやスカートだと、上手にカバーできる。他の患者さんはみんなそうだった…)
未防備な状態になるしかなく、ハイテクな検査台使用の指示が、センサー式なのか荷重式なのかわからんが、サイレンとスピーカーによる注意喚起が常にあって、意味不明で今にも帰りたくなったのである。
思い出すだけでツライ。検査台にあがっても、カーテンに仕切られて、担当医の顔も見えない。見たくない人もいるだろうが、視界がカーテンで遮られて、何されているかわからないのもコワイ。
そんな経験値もあって、そもそもの医者嫌いであるし、医者をじっくり選べない環境であれば、今回の検診も受けなかったと思う。
色々下調べをして、完全女性医のみの集団検査を選択した。結論から言うと、簡素的な設備だったが、照明も適切だし、設備が仰々しくなくて良かった。安心って大事。
HPVワクチンについても詳しくなかったが、調べてみると、どうやら今はキャッチアップ接種が行われているようである。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
研究結果では、40代後半の接種でも効果があったり、男性の接種も推奨されていたりするらしい。
自費だと5万〜10万円するので、受けに行くべきか考えどころである。検査の結果が出たら、気持ちも変わるかもしれないが…。
しかし、HPVワクチン、対象年齢が小学6年生〜高校1年生、つまりは11歳から15歳という年齢である。しかも、性交渉前に接種するのが効果的である。
なんていうか、矛盾を感じられずにはいられない。
『学習指導要領』の「はどめ」規定である。
中学校学習指導要領 保健体育編
中学1年生(13歳)では、妊娠の経過つまりは性交渉については、取り扱わないとされている。これが、歯止め規定である。
この文言によって、教育現場が萎縮して、それでも奮起して取り組んだものの、結果的に吊し上げられた学校でどんなことがあったのか想像せられて胸が痛い。どういう経緯で入ったのか、議事録がないから経緯不明ですなんて、説明になってないと思うのだが。
じゃあ、いったいいつ学ぶのか?
高校指導要領 保健体育編 には、こうある。
入学次とその次の年次の2か年にわたって履修すること、書かれてることから考えると、高校1年生と3年生で保健分野を履修することになる。高校1年生で学ぶことができたら、まだギリギリワクチンの重要性はわかるかもしれないが。授業数の兼ね合いで、高校3年生で学ぶ場合だってあるだろう。
要領を読んでいると、異性愛や家族を形成することを想定して書かれてあって、むずむずしてしまう。
だから、性教育が大事だ、推進していこう、という訳でもなく。そもそも一斉授業で教授されるのも、どうかと思う。
具体的な理由はないし、積極的に教えないけれども、それについての周辺的な対策を講じられることへの違和感や気持ちわるさを感じたくないだけなのだ。
知らずに、産めよ増やせよ、なんてね。
ここずっとこの話題を考えていて、ああ、分かるなと思ったのは、この調査。
がん患者が治療の影響を避けるために行う「医学的卵子凍結」、健康な女性が将来に備える「社会的卵子凍結」というらしい。この社会的卵子凍結、1138件。医学的卵子凍結の8倍以上の件数実施されていたという。
社会的卵子凍結は、保健適用外で、自費だと20万〜40万円ほどかかるらしい。第一子出産年齢の平均は、30代前後だし、自分もその1人故に、その選択肢を考えないこともない。
キャリアを考えると、産休育休期間が歯がゆい気持ちになる。さらに、年齢的にもキャリアアップの可能性もある。それを選ぶか、後回しにするか、選択を迫られる。
きっと、自分のキャリアアップは後にして置くだろう。
それをパートナーには言ってないけれど。
その時に考えるのは、もう時間がなくてて、早め早めの思考と、選択と、決断が必要だと思う。それは別に片方の性に押し付けられることでもなく。
少子化だから大変だというわけでない。ただ、時間的なリミットとリスクがあることを知るのは、遅いよりも早いほうがいいと思うのだ。
こんな世の中だから、人が少しずつゆるゆるといなくなっていくのも、いいのかもしれないと思いつつ、
考えて選択して行動している一人一人の生活のリアルさをもっと知りたいし、想像したいと思う。