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フラッシュテクニック        新しいトラウマ治療

フラッシュテクニック体験
ベーシックトレーニングを受講して


フラッシュテクニックは2016年にEDMRのトレーナーであるフィリップ・マンフィールド博士によって開発された新しいトラウマ治療法です。

フラッシュテクニックはざっくりいうと、トラウマ記憶ではなくポジティブな記憶を思い出しながらタッピングや瞬きをおこなう治療法です。
今回フラッシュテクニックの研修と体験をしてきましたのでご報告いたします。


フラッシュテクニックでは、まず自分自身のトラウマとなっている出来事の概要を思い浮かべます。詳細に話す必要はありません。出来事が最近のことならもっと昔に同じような思いをしたことがなかったかゆらゆらと記憶を遡っていきます。


私はこれまでEMDRやホログラフィトークなどいろいろな実習で自分自身のトラウマを扱ってきたので正直もうあまり思い浮かぶものがありませんでした。それでも古い記憶の中、仲間外れにされた記憶が思い出されました。今でも思い出すと胸がちくりと痛み『私は嫌われ者』という否定的な認知が顔をだします。


次に、その記憶はいったん置いておいてポジティブな記憶を想起します。人やペットの記憶や活動など、魅力的で興味を惹かれるものをありありと思い浮かべます。


思い出されたのは甥っ子と久しぶりに会った時のことでした。甥っ子は私の姿を見つけるとベビーカーの上でぱたぱたと足をばたつかせ喜びを身体全体で表していました。ああ、この子は私のことが好きなんだ、私と会えてこんなに喜んでくれるんだと幸せな気分に満たされていきます。

そんなポジティブな記憶を想起しながら左右交互にひざをタッピングします。タッピングは胸や手のひらでもいいですし、EMDRのように目を左右に動かしてもいいようです。そして「フラッシュ」と声がかかったら瞬きをぱちぱちと数回おこないます。

瞬きをすることで良い記憶のシーンが静止画として切り取られていくような印象を受けました。サブリミナル効果のようにそのシーンが無意識のうちに組み込まれていくのかなと感じました。


ただ、この治療法はトラウマ記憶の無意識的な暴露によりトラウマが処理されていくと考えられているようです。始めに想起したトラウマ記憶がその後も無意識下で思い出され、脳が活発に働き処理が進むのだそうです。


さて、何度か「フラッシュ」を続けたあとに、トラウマ記憶に触れ変化を感じてみます。


仲間外れにされた記憶を思い出してみたところ、『なんかもうどうでもいいや』と、取るに足らないもののように感じられました。思いだそうとすれば思い出せるけど、『思い出す意味はもうない』という記憶へと変化していました。否定的な認知も『私は嫌われもするし好かれもする人間』になっていました。


フラッシュテクニックは、トラウマとなった出来事は詳細に思い出さずに、ポジティブな記憶に焦点を当てるので心理的な負担が少なくてすみます。

トラウマ記憶を思い出すと圧倒されてしまう方や、トラウマ治療に取り組むことに躊躇されている方などには、フラッシュテクニックで心理的負荷を下げてからEMDRなどの治療をおこなうのもいいようです。


「フラッシュ・テクニック:基本原則とプロトコル オンライン・トレーニング:日本」
講師:フィリップ・マンフィールド博士 EMDRIA認定インストラクター/コンサルタント
ニナ・ザドゥリアン EMDRIA認定コンサルタント
(2024年12月15日)

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