高貝次郎選
淡淡と咲いてくれたね藤袴アサギマダラは来なくてもいい
高田 香澄
夕星が次第に離れゆくごとく遠くなりゆくいとこはとこら
臼井 良夫
西の方群青色に浮き立ちて秩父連山しづしづと秋
佐田 公子
入道雲・うろこ雲またひつじ雲空一面の空の欲ばり
井手 彩朕子
ひぐらしの涼しき声を聞きながら心の秘密かみしめている
北岡 礼子
放棄地に囲まれ揺るる蕎麦の花耕す人のいるは喜び
髙橋 律子
なんという巨大な魚のウロコ雲わたしの心は大空に飛ぶ
原田 悦子
猛暑日を堪えて夕べの涼しさに少しやさしくなれる気のする
山口 みさ子