青山良子選
命より国が大事と言ふ原理ひまはりの花横向きに咲く
臼井良夫
労られかばわれながら晩年の生きる日常わがものならず
児玉南海子
もう一度若葉になれるものならばさやけきそよぎつくれるものを
北岡礼子
花の色白へと褪せゆくバンマツリ生あるものの道筋として
小笠原朝子
リビングの照明LEDに変えてより寿命のかけっこ私と灯り
奥井満由美
全世界は腰で出来てゐるといふ思索に陥るぎつくり腰の夜
佐田公子
露の世の露のひととき香を焚き一期一会の席入りを待つ
宮本照男
揺れるたび青に近づくフラココはどこにもゆけぬ乗り物として
森崎理加