選歌 令和6年2月号 短歌の会 覇王樹|短歌会 2024年1月23日 14:55 喜びも悲しみさへも語り合ふ友の居たりてそれで十分西原 寿美子どちら様の狭庭荒らしの野良二匹糞処理係今朝もいそがし橋本 俊明こらへるといふ事もまた老いてゆくプロセスとして心に収む広瀬 美智子赤ん坊のあーあー泣いてる雨のバス みんな海から生まれてきました森崎 理加点点と湖にか森崎 理加りがね浮くころぞ遠まはりして診察に行く渡辺 茂子作りおきの秋の味覚を並べ置く吾の胃袋ひとつにあらず井手 彩朕子悔恨の叫びの色に空を染め秋の夕陽は山に入り行く高田 好これからは人工的に雨までも降らすという記事パンかじりつつ読む高橋 美香子自分のこと僕と呼び初み六歳は紅葉の今日に脱皮をしたり三上 眞知子虹色のマフラー失くせりゆらゆらり松の林に掛かりてをらむか山北 悦子午後の紅茶 お抹茶入りのポカリです夕食前に買つた飲み物高貝 次郎独り居の屋敷荒草熊被害父植えし太き富有柿も伐る田口 耕生木の箱に鰰たっぷり輝やかせ行商人来し杳き思い出田中 春代熊の来るパラダイスという柿の木の里いっぱいに夕日輝く永田 賢之助無料塾二時間終えて帰路バイク師走の風の冷たさに耐ゆ松下 睦子少額でキングサイズの物探す男の鞄買い物籠に渡辺 ちとせ遠き日の「花摘む野べ」を思ひ出す摘みたる花を図鑑に問はむ伊関 正太郎米質に高温障害まざまざと白斑のつく米粒多し佐藤 愛子大空にクレーンするどく伸びており造船の町活気のあかし草刈 あき子電話なる賀状の断りながながと言葉はつづく心くだきて才藤 榮子一年は長きものだと思いしに今、時過ぎるは駆け足のごと大野 雅子免許証返納しての徒かち歩きゆるりと行かば風走りゆく山口 みさ子照柿の色へと染まりゆく空に形変えつつ椋の群れ飛ぶ髙橋 律子戯れに朴の落葉を思い切り踏んで確かむ秋の深まり田村 ふみ子数多い家事の仕事を分担す出来ないことが余りに多い田中 章山里の野守が庵こそあはれなれ染まりたりける木の葉ちりしく石谷 流花指先に花びらの香を移しつつ甘酢に和える食用の菊上村 理恵子白旗を掲げるように純白のハンカチ一枚小春の光奥井 満由美原発に異を唱うれば龍一も仕事減りたり 見えざる力(故坂本龍一氏)鎌田 国寿一筋の飛行機雲のつれなさや秋に心を晒し佇む財前 順士朗読を聴いてみる 覇王樹公式サイトへ ダウンロード copy #短歌 #短歌会 #覇王樹