痛風に関するよくある疑問
10年以上高尿酸血症と診断されてことにになって痛風発作を3回発症しています。患者の視点で自分用に調べてnoteにもまとめていますが、追加で疑問に思い深く調査した結果を記事にしたいと思います。
前回の調査結果はこちらです。
Kindle本でもより詳細をまとめています。
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痛風のリクツのまとめ
痛風は意外と原理が複雑です。前回の調査結果をもとにリクツを図に整理してみました。
この図を使ってこれまで生じた疑問に答えてみたいと思います。
良くある疑問①:痛風発作とコロナワクチン接種関係ある?
私自身が、高尿酸血症で定期的に発作がでるため、事前にかかりつけ医と接種前に診断医に相談しましたが、二人の医者とも「問題ない」との見解でしたので、医学的には全く関係ないというのが今の定説だと思います。
但し、
医学は十分な裏付けデータがないと患者に説明しない場合がある。
私の場合は副反応のためかワクチン接種翌日に発作が出た
Twitterでワクチン打った後に痛風発作が出たとみかける
ことから、ワクチンの副反応のひとつとしてあり得ると考えました。
患者の立場での調査のリクツ付けは、痛風発作の炎症自体は上の図からもわかるように、風呂に入ったり、尿酸値を急に下げたり、患部を刺激しても悪化しますので、これと同じリクツと説明がつくかと思います。
医者が大丈夫だと言ったのは、対処療法すれば問題ない痛風発作のことを言っているのではなく、重篤な病気につながる可能性のある尿酸塩結晶には影響を与えず医学的には心配ないということだと思います。
良くある疑問②:痛風はコロナワクチン優先接種の基礎疾患?
新型コロナワクチンで重症化しやすい基礎疾患とされ、コロナワクチンを優先的に打つべきかどうかが話題になりました。その中で痛風はどうかというのが議論になります。
私自身痛風で薬治療をしている市内の医者に相談したところ、複数の医者で痛風は基礎疾患には当たらないと明確に言われましたので優先接種をするほどではないということだと思います。確かに、痛風発作(炎症)自体は命に別状ありませんし、痛いだけで優先接種にならないもの納得です。
しかし、中には痛風は優先接種になると判断される場合があると聞きます。調べてみると痛風発作で優先接種になるのではなく、痛風になったということはコロナに感染した場合、重症化及び死亡リスクを高める疾患を併用している場合があるという解釈をする医者もいるようです。この理屈については以下です。
一つ目は、上の図からもわかるように痛風ということは高尿酸血症起因の尿酸塩結晶が発生しており、これが腎臓に蓄積すると腎臓病になる確率が高まります。腎臓病はコロナを重症化させる病気であることはすでにわかっています。つまり痛風は腎臓病の信号でもあり、腎臓に関する病気を併発していれば優先接種(つまり、重症化リスク)が高まります。
二つ目は、高尿酸血症による尿酸塩結晶は炎症や酸化ストレスを増強させて、炎症や酸化ストレスに深くかかわる疾患の死亡リスクを上昇させることがすでにわかっています。COVID-19の重症化のカギは免疫の暴走である「サイトカインストーム」を通じた過剰な炎症ともいわれており、高尿酸血症つまりその信号である痛風発作が出るということは、重症化のリスクを高めているとも言えます。
三つ目は、痛風患者は肥満である確率が高いということです。このケースは痛風がリスクが高いのではなく、痛風の原因とコロナ肺炎重症化リスクの原因がたまたま同じだったということです。
いずれにしても、基礎疾患に認定されずとも痛風になってしまった場合は、対処療法ではなく根本治療としての高尿酸血症の改善しておく必要がありそうです。
良くある疑問③ビールはやはりダメ?
ビールは痛風の一番の敵の様に言う人が多いですが、一方で痛風の主要因はビールではなかったという声も聞こえてきます。ビールは本当ににダメでしょうか?
前項の図でもわかる様にプリン体は飲食摂取より体内で合成されるのがはるかに多いです。これがビールが実は原因ではなかったので過剰な心配はいらないという声になったのです。痛風原因究明の初期段階でプリン体が悪者にされて、ビールにプリン体が含まれることが発表され、健康ブームでプリン体フリービールなるものが出たために必要以上に悪者にされてしまったというのが、現在の普通の主流の考え方です。
但し、ビールは高尿酸血症の原因となるアルコールが含まれているので他のアルコール飲料と同様に控える必要があるのも確かです。私の場合は明らかにビールの飲みすぎ痛風です。
更に、ビールは高カロリーなものと相性がいいので、肥満の原因にもなり、水分を取った気になるので、水分不足の原因にもなるので、飲む際は注意が必要なことは確かです。
一方で、ビール好きが我慢するとストレスが溜まり逆効果ともなりますので、注意しながら適度に飲むが正解だと思います。更に下記のような尿酸値を下げるノンアルコールビールはおすすめです。
よくある疑問④発作時に飲む痛風の薬は?
痛風発作を発症すると、発作を抑えるために、腫れや痛みの程度により痛み止めや炎症止めが処方されます。上の図からもわかるように、これは対処療法なので、病気そのものは治りません。単にしのぐ薬ですので程度により薬が違うのは納得できます。
違いが生じるのは、尿酸値を下げる薬を処方されるか否かです。これは、これまで高尿酸血症の治療薬を飲んでいたか否かで治療方針が変わります。
これはこれまで飲んでいた方はそのまま飲み続けることが推奨され、これまで飲んでいなかった方には処方されないのが現在の主流処方方針の様です。この理由も、上の絵で説明できます。
尿酸発作時には尿酸値の急低下により炎症が強まる場合があるからです。多少炎症が強まっても尿酸値を下げることを優先するほど尿酸値が高ければ尿酸の低下の薬が処方される場合があるようです。
最後に
良くある疑問も、痛風の原理を理解していれば医者の言葉も理解しやすいですし、対策のモチベーションも高まります。痛風対策の軽い運動としてはゴルフが推奨されます。