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真面目な奥さんの災難
おもむろに3歳児が「奥さんて、なーに?」と訊いてきた。
「誰かの嫁はんってことを示す別称やで」と答えると、彼女は何を思ったか「お仕事なの?」とさらに重ねてきた。
奥さんは…たぶん属性であって職種じゃない。ただの呼び方だ、と言い換えれば伝わるのだろうか。でも、配偶者という役を務めていること自体を仕事の一種とするなら、奥さんは仕事なのかもしれない。
3歳児はもちろん、母の逡巡になど興味は一切ない。素朴で難解な質問の答えを回収する気もなく、絵本を読み始めた。もやっとしたまま料理を再開したわたしもまた奥さんであり、その役回りに付随する(と思う)夕食づくりをしているのだった。