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カワハギ絶品! 〜居酒屋おれんち急遽開店

週末。飯食ったらお出掛けしようかなー、と思っていたら昼寝してしまい、競馬のメインレースも終わっている時間にやっと起きました。
ちなみにメインレースは知らない馬が勝っていました。

ギャラリーか文学館の展示を観るつもりだったのですが、この時間から向かうと閉館になってしまいます。
このままゴロゴロ過ごして一日を終えるよりは、せめて歩数を稼ぐか、と少し離れたスーパーへ。
そこで出会ってしまいました。

肝パンを期待させる身の張り

カワハギちゃんです。

ウマヅラハギを含め、丸のカワハギを見たのはすごい久しぶりです。
これと、活北寄貝がひとつ170円くらいであったので購入。都内でこの値段ではなかなか買えません。
あとはワカサギ。ひとパック200円せず、この魚も安いですよね。
予想を超える収穫に、そうとなれば飲むしかねえべ、と出羽桜の四合瓶も買い、ホクホクで帰宅。

生臭ものの処理に入る前に、モロッコいんげん他の野菜を茹でてしまいます。この日は味見程度で、二日間くらいお世話になります。

北寄貝から捌きます。
ホッキの殻は水管のあたりが閉じきらないので、そこにバターナイフを差し込み、貝殻をなぞるように貝柱二か所を切り離します。貝柱の位置は貝の三角形が膨らみきらないくらいの位置。左右二か所の細い貝柱を切ると、片側の殻が開きます。
あとは紐を殻から外しながら、もう片側の貝柱二か所も切れば、本体を殻から外せます。貝柱と紐を身から外し、茶色の膜のようなものはキレイにします。さらに塩で揉むとヌメリが取れます。洗って水気を拭いたら、しばし待機。

身の本体は外側から刃を入れて割り広げます。中の茶色いワタのようなものをこそげて除けばOK。
少量の水に酒を加えて沸かし、さっとくぐらせます。生だと紫色の身が、フワッと桜色に変わります。生のコリコリ感も良いですが、さっと湯に通し、半生でいただくのが、旨味も食感もいいとこ取りで好きです。

そしていよいよカワハギ。
頭のツノの付け根から包丁の元のほうで切り込みを入れ、腹皮に引っ張ると、ワタも付いてきます。左手で頭、右手で身体を持って、本当に引き裂くようにメリッといってしまって大丈夫です。
内臓は、苦玉に注意しながら肝だけとりはずします。他の内臓や血合いを掃除したら、頭側の皮を剝き、適当に割ったり余分な骨を除いたりしておきます。今回は頭はいいや、とカマまわりだけとっておきました。

本体はも頭側から皮を剝ぎます。カワハギの名の通りキレイに剝けるので気持ちいいですよね。

ひと皮剝くとキレイな身

三枚におろします。今回もなかなかうまく行きました。

ブランクがないと手が覚えてる感じ

腹膜をすいて、背身と腹身に分け、血合い骨を除きます。そのあと、もう一枚ある薄皮を、包丁でゴシゴシと剝いて、刺身用のサク完成。

肝は洗って水気を拭いたら、包丁で叩きます。すぐ液状になるので、皿に取っておきます。脂が浮いていい感じ。

少し余談。
北寄貝もカワハギもそうですが、自分で魚介を捌いて、生やそれに近い状態でいただく際に心がけているのは「食べられるかどうか、あやふやな部位は食べない」こと。特に貝類にあたると大変な目にあうらしいので。
鮮度については、生食OK、とあれば基本は信頼しますが、自己責任なので、それでも怪しいな、と思ったら加熱するなりします。
ただ、自分で目もエラも内臓も見て鮮度を確かめていますから、刺身パックよりむしろ鮮度は信頼できると思います。
また、寄生虫対策は? と訊かれたことがありますが、「対策」というのはよく分かりません。
イカの塩辛を作る際もそうですが、寄生虫は菌やウイルスと違って目に見えるので「よく見て、いたら除去」以外に何もないです。
あとは見逃す場合もあるでしょうから、せめて「よく噛んでいただく」。アニサキスなんかは、少しでも身体に傷がつくと死んでしまうらしいので、よく噛むことは有効。

ワカサギも下処理して、天ぷらにします。
ワカサギ天は以前記事にしましたね。

今はフライヤーを導入したので、より手軽になりました。200円で揚げ立てワカサギ天を楽しめるならオトクです。

というわけで、居酒屋おれんち、開店です!

第一部は、オールフリーでワカサギ天を中心に。
天つゆは、ほんだしと味の素、醤油&みりんでさっと作りました。麺つゆよりは、みりんを多めにし、全体的に薄めの味にするのがコツ。今回とてもいい塩梅にできました。大根おろしを少し添えます。
サクサク、ホクホクで、ワカサギ天も堂々の主役です。

モロッコいんげんはさっと茹でて、すり胡麻と砂糖、醤油で胡麻和えに。茹で過ぎすに歯応えを残せました。
ゴーヤー漬けは、重さの3%の塩を振り、鰹粉少々を加えて揉み、ひと晩置いたものに少し酢を加えて。

カワハギも少し味見。山葵醤油につけてから、肝にからめていただきます。
濃厚な魚介の脂をまとってコクの加わった白身は本当に旨い! 彩りの青葱が、香りと歯応えで非常にいい仕事をしてくれています。

北寄貝は小さめに切って、シンプルに山葵醤油。この貝は貝の中でも、出色の旨味の強さ。
ちょこちょこつまんで堪能します。

ワカサギ天は翌日にもとっておくことにして、日本酒登場、居酒屋おれんち第二部です。

楳図かずお先生の皿がとても良い

汁はカワハギのアラで出汁を取りました。

中骨やカマなどをこんがり焼いて

第一部で飲んでいる間、焼いたアラを煮込んでいました。身はほぐして、葱を加え、味付けは最小限の塩味を加える程度。
温かい汁物ってホッとしますね。

新潟の酒は嘘をつかない、と常々思っていますが、山形の酒も良い酒が多いです。出羽桜もそんな銘柄のひとつ。
キレが持ち味、とはいえ流れてしまわない旨さもしっかり味わわせてくれます。

ここから本格的にカワハギを堪能。山葵ちょん、醤油ちょんちょん、それを肝に泳がせて、存分にからんだら口中へ。
ひとり飲みでも声が出る美味しさです。

じっくりゆっくり、家飲みを楽しみました。
秋冬にかけて、「居酒屋おれんち」開店の機会が増えるような、美味しい食材との出会いに期待しましょう。


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