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シマアジ捌きました〜いちばん好きな魚♪

三連休の最終日から翌日にかけて出張のはずが、イベントの延期によりキャンセル。
出張を控えているからと、土日も予定を入れずにのんびり過ごそうと思っていた(その前の週に飲み過ぎてやらかした影響もあるのですが←)のが、さらにのんびりな三連休となりました。

時間がとれるときは魚を捌きたいな、と思うのですが、丸の魚を置いてあるスーパーが少し遠いのと、行ったからといって、毎回サイズと価格が手頃な魚があるとは限らないので、実際に魚をおろす頻度は月に一度か二度でしょうか。

今回は、出会ってしまいました。丸のシマアジ。

アジはアジでも

体高の立派さが目を引く、堂々たる姿。
アジ(マアジ)の仲間なだけあって、確かに尾ビレにかけてゼイゴがありますね。

まずはウロコかきでウロコを落とします。シンクでチョロチョロと水を流しながら。
背ビレと腹ビレ、それぞれの際(キワ)は、開くのに包丁を入れる際の邪魔にならないよう、包丁も使って丹念にウロコを除きます。

全体を水で流したら、頭を落とします。これらの作業の都度、水気をいちいち拭いてあげたほうが、身が水っぽくなるのを防げます。
頭頂部はエラの割れているラインを延長し、カブトっぽくなっている切れ目で落とすイメージ。
そこから胸ビレの付け根〜腹ビレの付け根を結ぶ斜めのラインに沿って包丁を入れ、背骨まで。裏返して、ほぼ対称になるようにやはり背骨まで包丁を入れます。
背骨の関節に包丁の刃をいれて断ち切ります。
頭を腹側の手前に引っ張るように取ると、内臓も付いてきます。

肛門の位置がシマアジの場合は左右中央からちょい尾側、くらいなので、腹腔はそこまで広くないですね。包丁で腹を開いて、残った内臓と腹膜を掻き出します。
背骨に沿って血合いに傷をつけ、流水を流しつつタワシや古い歯ブラシなどでゴシゴシして、血を洗い流します。
三枚におろす前に、ここでも水気はしっかり拭いましょう。

「海腹川背」って釣りゲームがありましたが、海の魚なので腹からおろすのが正解ですね。
頭側を右にして置き、腹側(手前)から、包丁を一本道筋を入れるようにスッと入れたあと、その切り込みに沿って刃を入れ、背骨に向かって切り進めます。
歯が背骨に達したら、背側を手前にし、今度は背ビレに沿う線を一本、包丁でスッと入れます。
出来た切れ目から包丁を入れ、包丁を水平に保ちつつ、刃が骨から離れないように意識しながら、背骨を目指して刃を入れていきます。
背側からも背骨まで包丁を入れたら、尾に近いほうで、刃先を通して貫通させ、尾ビレを支えながら、刃を尾→頭に向けてスライドさせ、残った背骨上の身を剝がします。
これで半身をおろせました。

裏返して、今度は背の側から同様に。海の魚は「腹→背、背→腹」と包丁を入れておろす、と覚えておきましょう。

なかなかの出来では?

今回、あまり骨のほうに余分な身が残ってしまうことなく案外うまくおろせました。

腹骨(内臓が収まっているスペースを覆う肋骨)は、背骨と連結している部分を包丁の刃先(逆さに刃を入れます)で切り離し、真ん中から腹に向けて骨に沿って身をすくように剝がします。

皮は、尾側に包丁を入れて皮の際で頭側に刃を寝かせ、まな板にピタリと刃をくっつけた状態のまま、尾側を引っ張ってゴシゴシやって、剝いていきます。
ゼイゴは最初に切り離してしまうのが一般的らしいですが、そこまで邪魔にならなかったので、今回は事前に外さず、皮を引くときに一緒に除きました。

血合い骨は、小さな魚なら骨抜きで抜いても良いですが、今回はそこそこの型だったので、背身と腹身で分けて、包丁で切り取りました。

おろしてサクにしたら、一度塩水処理をします。

残ったウロコなどを掃除

できるだけ冷たい海水くらいの塩水を用意。塩水に漬けても、浸透圧の関係で身がそこまで水を吸いません。
塩水処理の効果、必要性は諸説ありますが、どちらかといえば、お造りにする前にウロコやヨゴレなどを掃除する目的。
水気はよく拭いて、ペーパーで包んだのちにラップして、冷蔵庫へ。他のものを料理する間、休んでいてもらいます。

腹骨まわりとか、カマとかは塩して焼くと美味しいですが、今回は他の骨や頭、血合いなどと一緒に出汁にしちゃいます。
かるく塩を振っておき、出た水気を拭ったのち、焼きました。
こんがり目に焼きつけたら、鍋に入れて水を注ぎます。お酒、生姜一片、3センチ四方くらいの昆布をおまじないに加え、火にかけます。沸く前に昆布は取り出して、今回は水を足しながら1時間以上は煮ました。

この日は、複数のきのこを炒めたきのこミックスとか、素揚げしたししとうを和風出汁にひたしたものとか、数日楽しめる常備菜も作って、台所に立つことを楽しんでいたので、その間にじっくり、のんびり。

お刺身OKの鮑(サイズ的にはトコブシ?)は、買って一日置いたのでバター焼きに。格子状に包丁目を入れて、ガーリックパウダーをアクセントに。紐とワタも焼きました。

常備菜の、ししとう揚げ浸し用の出汁が今回とても美味しくできて、それが少し余ったので、アスパラを茹でておひたしに。

タラの白子が出回ると、鍋の季節になった感がありますね。今回、シマアジのアラでとった出汁は、白子を具にしたスープでいただきました。
白子は熱湯をかけてから、余分な筋などを掃除。その過程で程よく小分けされます。
出汁で優しく煮てあげます。

さて、諸々の準備が済んだら、シマアジのサクをお造りにしていきます。

お皿は先輩にいただいた青い三角の丸皿(変な表現ですが、形としてはそう)、大中小あるうちの中サイズをチョイス。
食べきらないツマを見映えだけのために盛るのは好みではないので、色気のない盛り付けをしがちですが、今回は大葉を用意してあります。大葉は刺身に巻いていただきます。

お造りの切り付け方はそんな難しいことはなく、基本は削ぎ切りで、切り終わりに刃を立てることを意識すると、角の立った仕上がりになります。
盛り付けは大葉ひとつでエリアを作り、5切れくらい並べます。背身はひとサクでふたエリア、腹身はひとサクひとエリアで、計6エリアになりました。

中央には、おろしたときにアラに残った身とサクを切り付けたときの端身を、さっとたたきにしたもの。
身を細かく刻み、にんにくみじん切り、葱みじん切り、味噌、醤油で和えました。あまり叩きすぎて、なめろう(ペースト状)になってしまわないよう、身の食感を残します。調味料を混ぜる際は包丁で叩くのではなく、包丁の腹で撫でるように。青ネギをトッピングするのは定番。

盛るとそれなりに見えるものです

オールフリーで乾杯🍻
白身のお刺身で量があるときは、昆布締めやヅケなど、少し細工もしてみたくなりますが、大好物のシマアジ、しかも、おろしたてなら、手を加えずにそのままの美味しさを味わうのが一番、とシンプルに山葵醤油でいただきました。

ブリやハマチほどではなく、ほどよく脂の乗った白身は品が良く、身質の締まり具合、歯応えのきいた食感も相俟って、本当に美味しい。お刺身で食べたときの美味しさは自分の中ではシマアジがNo.1です。
たたきも美味しかったです。他の魚とは一線を画す身の食感を残したのは正解。もうひとエリアたたきに回しても良かったくらい。

余った身はつみれにして焼くか汁の具か、と考えながら、食べていましたが、ゆったり連休の晩を楽しみながら、結局刺身で完食してしまいました。

白子のスープも絶品。長く煮出したので、出汁は濁って旨味たっぷり。「滋味深い」と言うべき味わいで、啜ったあとでほうっと声の出る美味しさでした。

鮑も間違いないですね。飾り包丁を入れずとも十分に柔らかいです。
紐との食感の違いも楽しめます。

ノンアルコールでも十分に堪能できました。
シマアジの美味しさに感謝。
今回はサイズ感も、ちょうど食べきれる大きさのものに出会えましたが、今後も様々な魚種に挑戦してみたいな、とは思います。
デカい出刃とかを持っているわけではないので、あまり大物は難しいですけどね。


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