自家製柚子胡椒〜青唐辛子はキケン!
オーガニックの柚子が職場にドッサリ届きました。積極的に持って帰らないともったいないので、それなりにいただいてきました。
柚子と聞いた瞬間、柚子胡椒にチャレンジしてみようかな、と思いついたので。
新宿の芋焼酎バーの板長さんだった好青年が、若松町に独立して開いた和食屋さんがあります。彼の料理と酒のチョイスが好きで、よくひとりでも行くのですが、そこで出してくれる柚子胡椒が美味しくて「これだけでつまみにして飲める」と、お店にとっては有難くない褒め方をしていました。
あるとき、仕入れていたおばあちゃんが病気かなんかで作れなくなったそうで、「他を探そうか、と迷ったけど、結局自分で漬けた」と。
それまでのとは確かに味わいが違ったんですが、彼の漬けた柚子胡椒もフレッシュさが前面に出て、非常に美味しかったんですね。
それから、チャンスがあったらオレも柚子胡椒漬けてみたいな〜、という思いは頭の片隅にありました。
本来は青柚子の時期、5〜6月に仕込むもののようですが、まとまった量の柚子が手に入ることはめったにないので、この機会にチャレンジすることに。
スーパーに青唐辛子が10本弱くらいのパックであったのでそれと、塩は精製塩よりはちょっと美味しい塩がいいかな、と思い、ミルで挽くタイプのヒマラヤピンクソルトを買ってみました。
材料はこれだけなので、こだわれる部分はこだわりたいですよね。
【柚子胡椒】
・柚子、青唐辛子、塩
☆青唐辛子はヘタを取り、縦半分に割って種とワタを除きます。赤い唐辛子より細長いので、ナイフでこそげるようにして。
「刺激が強いので注意!」とネットでも各所に書いてあったので、ビニール袋を両手に被せて、手袋替わりにして作業しました。
種を除いた本体の重さを量っておきます。今回は50グラムくらいでした。
☆柚子の皮を剝きます。ナイフで表面を薄く。白い内果皮っていうんですかね、そこまでいかない表面の色がついている部分を使います。
白い部分も多少なら良しとしましたが、多めに含まれたときは、ナイフでこそげて除きました。
7〜8個分剝いたでしょうか。
多くのレシピで青唐辛子と同量、とあるので、刻んでの歩留まりを考慮し、あとは自分の好みで柚子のほうを多めにしました。刻む前で65から70グラム。
☆それぞれをみじん切りにします。フープロのようなものは持っていないので、包丁で根気よく。
それまで、みじん切りは包丁を水平に、ギロチンのようにまっすぐ刃を落として刻んでいました。その方が刻む範囲をコントロールしやすかったので。
しかし、動画なんかでは、プロは刃先を支点にして斜めに刃を入れますね。水平方向にも扇状に動かしながら。
今回そのやり方でやってみました。なるほど、刃を斜めに入れたほうが、ちゃんとカットしてくれますね。刃の構造的に理に適っています。
☆自分でいただくものなので、ペースト状にまでせずに薬味でありつつ漬物っぽくしよう、ということで、写真くらいの細かさで許してもらうことにしました(笑) けっこう疲れた。
☆両方同じように細かいみじん切りにしたら、合計の重さを量り、その20%の塩を加えます。
キッチンスケールに柚子&青唐辛子を入れた容器を置き、計算した重さになるまでミルでピンクソルトをガリガリ削って加えました。
あとは混ぜて、容器に入れて保存。
ここまでの間に、実はハプニングに襲われていました。
原因は青唐辛子。
種を取り除く際、細いのでちょっと取り残しが生じ、それを素手の指でちょっと取ったのが発端でした。
作業していると、その指先がジワジワと熱くなってきて、あ、なるほどやっぱり刺激くるんだ、と思ったら、別に感動ストーリーを見たわけでもないのに目頭が熱くなり、しかも「アチッ」という熱さ。
無意識に目の端をちょっと搔いてしまっていたんですね。
水で流したものの、意識していないくらいの接触でこうなっているわけなので、うかつに手指は使えません。
刻んでいくと、立ちのぼってくるカプサイシン(かどうか分からないですが)で噎せるような感じになりますし、多分メガネを常用していなかったら、けっこう涙が出てきたはず。玉ねぎみたいに、唐辛子成分が空気を漂っている感じ。
ひとまず青唐辛子のみじん切りを終えるまでは耐えて、容器へ移すのも慎重に、直接触れないようにしました。
それからしっかり手やまな板、道具やふきんも洗って、やれやれ、と思ったのですが、青唐辛子の凶器度合いは想像を超えていました。
手を洗ったあとでも、腕を掻いた場所が熱を持ってヒリヒリしてくるのです。指先にしつこく成分が残ってしまうのでしょうか。
擂り鉢でなめらかにする、という工程がレシピにはあったのですが、ちょっとその作業と道具類の後処理まで考えたとき、これは大変だぞ、と思い、単に塩漬けで様子をみることにしたのでした。
保存用のタッパーウェアみたいな容器に入れて冷蔵庫に収めて、初の柚子胡椒はひとまずOK。
あとは日々、ちょっと味見をしながら、その後の変化を見守っていこうと思います。
そのあとすぐ、使った道具は改めて洗い、ふきんとタオルは替え、風呂に入って、手とヒリつく箇所を念入りに洗いました。
それでも、唐辛子の呪力(と言っても過言ではない)は完全には消えなかったです。本気の唐辛子、これほどとは。
少年時代、関東に近いとはいえ東北の冬。
靴の先に乾燥した鷹の爪を忍ばせるとポカポカしてきて、おおー、とその威力を体感したことがありますが、伊達じゃないですね。
ちょっぴりずつ、味見しています。
まだ漬けた翌日なので、フレッシュな浅漬けっぽい感じ。あれだけ猛威をふるった青唐辛子ですが、辛さは案外マイルドに感じられます。
レシピにあった割合より、柚子皮の割合を多くした効果かも知れません。
擂り鉢で擂っ馴染ませる工程を省いたので、日が経ってもそこまで変化しないかもですが、現時点でのフレッシュ感あふれる自家製柚子胡椒には満足しています。
日保ちは大丈夫でしょう。しばらく楽しもうと思います。