絶品! アカハタのお造りで家飲み
週末、魚を捌くチャンスを求めて少し遠出。
手ごろなサイズのハタに出会えました。ラベルの表示には「はた」とだけありましたが、ネットで見る限り、アカハタで良いと思います。東北では見かけなかった魚です。
ハタ系の魚の場合、ウロコはすき引きしたほうがキレイに取れるのでしょう。
一瞬頭をよぎりましたが、今回はウロコ引きに頼ります。細かい部分は包丁の刃で撫でたり、最終的には金だわしでこすって落としました。
エラとワタを取り、頭を落とします。そのあと身のほうからカマを切り離しました。
背骨が硬く、ハサミを併用しながらだったので、やりやすいこの順に。出刃を持っていないのです。
そろそろ小出刃くらいはあってもいいのかな。
カッコ良さよりも確実性と安全性を重視して、ハサミは遠慮なく使います。
三枚におろして腹骨をすいて、というところまでは、さすがに経験値が溜まってきており、すんなり進められるようになりました。
血合い骨は触ってみても、さほど無さそうなので、半身を背と腹に分けずにお造りにすることにしました。あとで気になったのは骨抜きで抜きましたが、二、三本でした。
捌くときに腹骨をえぐり過ぎたのか、身の形的に血合い骨の尾までの距離が短いのか、はよく分かりません。
サクは皮を引いて、白身の魚を刺身でいただく際の定番、昆布締めにします。
酒で柔らかくした昆布の水気を拭ってから身を並べ、上からも昆布を乗せてサンドします。全体をラップに包んで冷蔵庫へ。
昆布締めにしている間に、アラのほうの処理に入ります。
カブトは割って、背骨は4つくらいにカット。あとは腹骨まわりとカマ。強めに塩を振ってしばらくおき、出てきた水分を捨てます。
さらに熱湯を掛けて、残っていたウロコや血などをキレイにします。
鍋に処理し終えたアラを入れて水をはり、煮ていきます。
澄んだ出汁ではなくしっかり煮出したいので、基本的には強めの火加減でグラグラ煮て良いのですが、他の作業をしたり、火元から離れるときは、汁が減りすぎないように、10分とか15分とかタイマーをかけて、まめに様子を確かめて、必要なら水を足します。
今回は何だかんだ、2時間くらいは煮ました。
もういいでしょう、と思えるくらい煮たら、ざるとペーパーで濾します。小骨などが残らないように。
濾したアラが少し冷めるのを待って、骨から身を剝がします。指でチマチマと。
あら汁とか海鮮鍋のように、骨ごと身をしゃぶって豪快にいただくのもいいんですが、先に身だけにしてしまい、いざいただく際にストレスなく味わうのが好みです。
その他の具、大根(いちょう切り)、きのこミックス、ねぎ(青い部分をザク切り)を用意しておき、いったん待機。
昆布締めに戻ります。
昆布から身を剝がすと、いい感じに表面がねっとりしています。
昆布はアラ汁の鍋に投入。
皮目の側を下、尾のほうを手前(左側)にまな板に置き、削ぎ切りしていきます。昆布締めで身に少し粘りがあって少し刃が通りづらくはありますが、可能な限り薄くカット。
丸い皿に並べていき、真ん中は薔薇っぽく。
これは切った身を端が少し重なるように並べて、端からくるくる巻いて形を整えたもの。
カットした柚子を添えたんですが、この1/4のカットの仕方、包丁を入れる方向ってこうでしたっけ?
イメージした断面と違いました。
アカハタのお造り、今が時期らしい白魚の自家製柚子ポン酢がけ、少し余った大根をスライサーで薄切りにし、塩を振っておいた千枚漬け風に自家製柚子胡椒を添えたもの、この三点がこの日の家飲みのメニュー。
今回使った柚子ポン酢は、柚子胡椒用に皮を剝いた実を絞った果汁で作りました。
【自家製柚子ポン酢】
・柚子、醤油、鰹節、昆布
☆柚子を絞ります。皮を剝いたあとの実を全て絞って、ざるで種を除きました。
柚子果汁と、その1.5倍の醤油を混ぜます。
鰹節をだしパックに入れたもの、昆布一切れを加えて、しばらくおいておけば完成。
数時間経ってから鰹節と昆布を取り出し、ちょうど使い切った醤油の容器に入れて冷蔵してあります。酢の物や漬物に活躍中。
さあ家飲みスタートです。
アカハタの昆布締めのお造りは、ポン酢&柚子胡椒、山葵醤油、塩&柚子果汁、とバリエーション豊富なタレで楽しみました。
それぞれに美味しさがあり飽きずに楽しめました。
そもそも昆布締めにして旨味を凝縮させたアカハタの身自体が絶品!
白魚ポン酢も、柚子ポン酢の柔らかな酸味が白魚の味わいを引き立ててくれています。たっぷりのおろし生姜と、刻みねぎも少し加えて、甘味のキレを良くしています。
大根の千枚漬け風は柚子胡椒の記事でも触れましたが、大根ちょっとだけ残ってるの、そろそろ使わなきゃ、という感じでとりあえず塩しておいただけなので、ポン酢をつけながらいただきました。
あ、アラ汁が休んだままでしたね。
アラでとった出汁と丹念にほぐした身、大根きのこネギ、昆布締めの昆布で新たに煮て、大根に火が通ったら完成。
味噌よりは軽めに仕上げたかったので、考えた末に“しょっつる”で味を決めました。
日本酒パートに移行するタイミングで、温かいものを挟んでホッとひと息。
じっくりお造りを楽しみ、ゆっくり日本酒を飲み、半分残しておいたアラ汁で締め。
骨まで味わい尽くした、と言えるくらい、アカハタを堪能できました。
これまでも、シマアジやイサキ、カワハギなどの記事をアップしていますが、月に二、三回は魚を捌きたいですね。
次はどんな魚に出会えるでしょうか。