見出し画像

本鮪のねぎま汁が感動的に美味しかった話


本鮪、中トロのサクを奮発し、刺身と寿司を堪能した報告をしましたが、半分弱を残しておきました。

せっかくいい鮪がサクで手に入った機会に、加熱して食べてみることにします。

頭に浮かんだのが、魯山人が葱を立てる形で鍋にしていた画像。
あの感じで葱鮪(ねぎま)鍋にしようと。

いま記事を書きながら調べたら、魯山人が葱を立てていたのはすき焼きでしたね。人の記憶は曖昧なもんです。

連想したのは、ちょうど買った葱が太くて、立たせやすかったのもあります。

出汁はこのとき、昆布と鰹でとった出汁をペットボトルにストックしたのがちょうどありました。

葱一本分をカットして、鍋に立てて並べて、出汁をはって火にかけましたが、葱より水嵩が増えたら当然浮いちゃいますね。なるほど、すき焼きくらいの出汁の量でないと葱を立てたまま調理はできないか。

鮪は葱の大きさに揃えてサイコロ状に切ります。
火を通しすぎないほうが良いだろうと思ったので、先に葱だけ煮ておきました。

ちなみにこの日ストックしてあった出汁。
夜のうちに鍋に水をはり、昆布(水1㍑に昆布20g程度)を浸しておきます。
翌日炊き始め、沸騰前に昆布を取り出します。
入れ替わりに鰹節を5 g程度入れ、沸騰したら火を止めてしばし置きます。

昆布の旨味が出るのは60度くらい、鰹節は85度くらいが、いちばん旨味が抽出される温度だそうで、出汁をとるときは、それぞれこの温度帯をゆっくり通過させることを意識しています。

鰹の臭みが出ると言いますが、しっかりした出汁を取りたいので少し煮ますし、鰹節も絞ります。
上記の分量だとけっこう濃い目の出汁になると思います。

今回は出汁に加えたのは醤油とお酒、あとは塩少々で調節しました。
出汁の味を決めてから、軽くコポコポ沸くくらいの状態で鮪を入れます。
半生なのもちょっと違いますが、あまり煮過ぎないように、頃合いを見て完成♪

一緒にご飯かなー、と思いましたが、深酒した翌日で、変な時間に麺を食べたりして腹はそこまで空いていなかったので、シンプルにこの葱鮪汁だけをいただくことにしました。

少しおかわりできるくらいの量になりました

まずはそ〜っと出汁をすすります。
汁は味見もしていますが、鮪の脂と相俟って、出汁だけでも目を瞠るうまさ。

葱と鮪を一緒に。
いや、これは感動的です。鮪は生だととろけてしまう身が、加熱したことで、やはりホロホロ崩れる柔らかさではありますが、ちゃんと味わえる存在感を持ってくれています。
出汁をしっかり含んだ葱との相性バツグン。

思わずはぁ〜、と「美味しいため息」が漏れます。

いい素材に適切な手間をかけて丁寧に料理してあげると、これだけ美味しくなる、というのは、本当に実感できました。
肉でも魚でも、いくらいいものを仕入れても、レンチンするだけ、とかぞんざいに扱うと、その美味しさを活かせないままになってしまうでしょう。

逆にリーズナブルな食材でも、適切な温度で扱うことで、美味しさを引き出せるということでもあります。

そして和の出汁の味わい深さ。
ほんだし&味の素も愛用していますし、出汁パックも本当に美味しいのがありますが、たまには自分で基本の出汁を引こう、と思います。

いいなと思ったら応援しよう!