T.C.RバガヴァッドギーターR.S
川崎のツッパリ、哲太はかねてよりの抗争相手、名古屋の『阿頼尽』との決戦の場に向かうため、横浜の先輩の翔さんのケツに乗せてもらって多摩川の原っぱに向かっていた。
さきがけて翔さんは
「助っ人にオレひとりかオレの舎弟300人、どっちか選べ」
と言ってきた。
哲太は
「これは、300人よりも翔さんひとりっスよ、とか言わないとダメなやつじゃん。めんどくせえ」
と思いつつ「翔さんに来てほしいっス」と答えた。
現地に着いた哲太は、相手方に中学の時のツレや先輩がいるのを見て膝を落とした。
「翔さん、自分、ツレや先輩とは闘れねっス!」
そこで翔はかくの如く言った。
「ツッパる事が男のたったひとつの勲章だぜ」
「翔さん、ツッパリとは何ですか?」
翔はひとしきり「不良とツッパリの違い(不良は火に弱い、ツッパリは猫舌、など)」「3つのツッパリの道(中学のツレと結婚、地元で就職、アルファードを月賦で買う)」「真のツッパリは揉めても警察沙汰にならない」などについて説いたが、それでも哲太は迷いの中にいる。
「仕方ねえ、俺の真の姿を見ろや!」
翔がそう叫ぶと、どこからともなく三人のむさい男達が現れて、
「ひとり雨のハイウェイとばす
ふりきれないメモリー」
などと謳いはじめた。
「マジッすか!?翔さん、銀蝿さんだったんスね!」
lonely Highway lonely Night
気まぐれな通り雨
今でもお前をI love you
lonely lonely lonely
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?