【リハビリ室でのリハビリ】
4階病棟に移り本格的にリハビリが開始された。
4階に移ってすぐに日常生活で、どの様に車椅子やベッドに移乗していたか知りたいので、ヘルパーさんに来てもらい実演し、それを撮影することになった。
ヘルパーは、イケメン君だけ来れば良かったのだが、ヌケ作が窓口になっていたようで2人で現れた。
1人で抱えて移乗するデモと言ってるのに、イケメン君が僕をベッドから車椅子へ移乗してる最中にヌケ作が手を出してくる。
ヌケ作は、趣旨を理解できていないのである。
相変わらずのとんちんかんだった。
極めつけは、撮影した動画を見せてもらったら肝心な部分が、ヌケ作によって映ってないのである。
せっかくの映像がヌケ作で、被っていて映っていないのである。
それを見てリハのスタッフと苦笑した。
僕の担当は、屋久島から上京してきた30代男性OTだった。
彼はお笑い好きの新婚ホヤホヤで、この先どんどん太っていく。
新婚あるあるだった。
通称岩ちゃんは、2階のOTさんに引き続き一生懸命リハビリをしてくれた。
岩ちゃんは、自分のお昼時間を削って食事の練習に付き合ってくれた。
また、寝たきりで体幹が弱くなっている為、体幹を鍛えるリハビリをしてくれた。
リハビリ室にあるレッドコードと言われる機材を使って体幹を鍛えた。
レッドコードは、名前の通り赤いコードが天井から2本垂れており、2本のコードの間に板を通しその板の上に腕を載せ、上体を板に預けてぶら下がるようにする。
ぶら下がった状態で前に後ろに体を揺らす。
また、身体を右回転で回したりその逆を行ったりした。
最初は、自力で動かすのは難しかったが徐々にできるようになっていった。
このリハビリをすると汗だくになった。
まるで中高の部活動のようだった。
隣には外来のマッサージ師の竹山さんがいて「いつもがんばるね~」とニコニコしながら見ていた。
60代ぐらいかな?
竹山さんの笑顔は優しくてとても癒された。
このレッドコードをするようになってから、おむつ交換時の寝返りが楽になった。
体幹が自分でもしっかりしたような気がした。
また、腹筋背筋を使っている為か便を自力で出せる時もあった。
筋疾患者はリハビリをしても・・・という思いもあったが、やってみないと分からないもんだと感じた。
諦めないでもがく。
もがいた中に光を見つけ出せるかもしれない。
リハビリも、僕の座右の銘「継続は力なり」。
この先もこの精神で生きていこうと思った。
つづく