2年生が熱い! ①
年の周りというものが少なからずあって、また、相性というものも勿論あって、学年が変わっても、メンバーのカラーというものは変わらずに一進一退を繰り返し、やがて成長を遂げて行く。
毎年、成長を感じるのは4年生くらいだが、今年の彼らは3年生でピークを迎え、4年生になった途端、終息してしまった。とても残念。
今年は2年生が熱い。彼らが1年生だったときも熱かったが、担任が変わり、クラス替えを経たことで、尚更熱くなった。
良いところが助長されている気がする。勢いがある。様々なことに気付ける力があり、反応も良い。面白い。面白過ぎるくらいだ。
ある日の読み聞かせ。ちょっと不思議なお話を読んだので、普段あまりしないが、最後に質問をした。教育委員会が懸念している〝読解力〟とやらを試す。気付ける子、気付けない子、勿論様々。2年生は皆、結構のほほんと見ているので、気付けていたのはごく一部だった。
読書ノートをチェックする。
いつもへらへらして、ちょっと司書をバカにしているようなマイペースくんがいる。実は賢いらしく、書いてくる文章に度肝を抜かれることもままあるのだが、頓珍漢な名文を生み出す天才でもあるので要注意だ。
解読できないものを追及すれば「なんやねん!」と逆切れされる。司書はひるまないが、彼にしてみれば『なんでそんなこと聞くねん!』ってな具合なのだろう。
マイペースくんがやって来た。ノートを見る。
『おみせやさんが○○○…。』
○○○は何と書いてあったのか忘れた。しかしおみせやさん…そんな人、いつ出てきた?
質問するが、彼は相変わらずへらへらしている。そして問いには答えず、笑いながらそのまま去って行った。
翌日別のクラスで同じ本を読み聞かせ中、水やりしている〝おばさん〟のバックに屋根があることに気付いた。違う頁のそれに書かれていたのは〝花〟〝木〟〝草〟の文字。
『あーーーーーーっっっ!』
続きを読みながら心臓がバクバク。超脇役で、物語には殆ど関わりのない、私の中での〝水やりするおばさん〟。実は花屋さんだった!花屋さん=お店屋さん=おみせやさん!マイペースくん、ミラクル!読み聞かせの途中なのに、気が気じゃなくなった。
興奮冷めやらぬまま、別件作業のため印刷室へ赴くと、マイペースくんの担任にバッタリ。運命のお導きかと思った。
「○○さん(マイペースくん)、ミラクルです!」
赫々云々で…。間違えていたのは司書でしたっ!マイペースくんお見事!とお伝え願います。
息も絶え絶えに叫んだら、担任の先生は笑っておられた。
クラスでも突拍子のないことを再々やらかすらしいが、その独特さは突出している。多分天才。将来ノーベル賞とか取るかも。名前…憶えとかないと。