4月15日
仕事が決まった。最初に面接を受けた方のだ。行くと伝えたが、電話を切った途端行きたくなくなった。
「行かない」と言わなかったのは、今後他の仕事が見つかる可能性に、全く希望が持てないからだ。取り敢えず繋ぎにでもしなければ、無職無収入で、保険や年金、住民税の支払いがこの春殺到する。
しかし夜も眠れなかった。
十年以上の専門的職務経験はほぼ無視され、未経験者との給与格差は僅か1万。応募職種とは別の、人生でもう二度と経験したくない職種での採用で、応募職種との賃金差は最低でも6万。収入の安定とスキルアップを目的に、勤務時間や不定期な休暇制を妥協したのに、すべて下に見られ、私は何のためにその仕事に就こうとしているのかわからなくなった。
そもそもこのところ、まともに眠れていない。急に暑くなって布団の衣替えが追い付いていないせいか、寝巻を薄くし、靴下を履かずに布団に入るようになったせいか、その両方とも言えるが、体調を崩す前の不眠状態とは違った形の不眠に陥っている。
朝が来れば目は覚めるし、日中眠くても昼寝せずに何とかなっている。多分、睡眠時間は2、3時間で、しかも寝ている実感がないくらい布団の中で過ごしている自分の記憶があるから、2、3時間眠れている保証もない。
夜、妹にラインを送る。仕事のことで友人に相談できないのは、それぞれが納得のいく形で、長年同じ職場、同じ仕事をしている人ばかりだからだ。皆忙しいし、誰も私の気持ちはわからない。先日まで私と同じように仕事を探し、現在精神的にも安定している妹は、こういう時、頼りになる。
案の定、胸がすくような返信が来た。活字が苦手なくせに、長文なのに誤字脱字すら見当たらない。彼女は今、絶好調なのだろう。
翌日、慣らし保育期間を終えてフルで保育園に預けるようになった娘の送迎と、早朝に出勤する夫のために朝食を用意する仕事があるのを知っているため、何度かやりとりした後、続きは保留にしたら、翌朝早い段階で更に返信があり、電話までかかってきた。
来月下旬に勤務を開始する彼女は、保育園に子どもを預けた後、暇なのである。結局電話は1時間40分続いた。切った後、電話の充電は30パーセント減っていたが、メッセージのやり取りをする方が、充電って食うのだな…と、滅多に電話をしない私は初めて知った。
過去の経験がトラウマになっているとはいえ、私は焦りすぎているのかも知れないと、もしかして勘違いしているだけかも知れないとは思いながら、妹の意見に賛同してみる。
「行ってみたら楽しいかも知れんけど、他にも行く前からテンション上がって、行ってからも楽しい会社があるんちゃうか?」
「根拠はないけども、今回のところ断っても、いいところ見つかると思うで?」
今日の名言。現実になると良いな…と思う。