スイーツに夢を乗せて
キャッチコピー
ボーイズビーアンビシャス!!
あらすじ
お菓子の町飯塚。そこではお菓子作りが盛んだった。
和菓子屋、洋菓子、駄菓子まで、道を歩けば様々なお菓子があった。
コンテストに出れば優勝する物や人もいた。
しかし、今では数店舗。個人店もあるけど活気など失っていた。
そこで、少年は思いつく。
スイーツ甲子園にもう一回優勝して活気を取り戻したい!
こうして少年(甘木公平)はおかし作りに没頭する。と思いきや
野球少年になっていた。
が、ある日甘い匂いに誘われてひょんなことからスイーツ甲子園を目指すことになる
1話
小さいころからお菓子作りは当たり前にあった。
母が製菓で働いているのもあって、シフォンケーキをよく焼いてくれた。
フワフワで自分も作ってみたい。
それが多分お菓子作りの始まりだったと思う。
現在
「おーらい!!」
主人公の甘木公平(あまぎこうへい)16歳は立派な野球少年になっていた。
そして、部活帰り小さなお菓子屋さんでシュークリームを買うのが日課だった。
「シュークリームうま。中のバニラビーンズが効いていていいな。」
甘木はお菓子作りは断念して、食べることに専念していた。
そんなある日、
甘いバニラのにおいに誘われて、調理室へと向かう
すると、そこでは、一人の髪をひとまとめにした肌白い女子高生がせっせとシフォンケーキを焼いていた。
しかし、甘い香りに反してシフォンケーキは無残にもしぼんで原型をとどめてはいなかった。
それを見かねた甘木は思わず女子高生にアドバイスをした。
「メレンゲ混ぜすぎたんじゃないの?」
「え?」
2話
「だから、混ぜすぎてメレンゲがしぼんでふわっとならなかったんじゃないのっていってんの」
「あぁ。なるほど」
甘木はあっけにとられる。
調理室を借りてまで作っているのだから、そこそこできるやつなのかと思ったからだ。
「ね。君ケーキ作り詳しい?」
女子高生は甘木に質問した。
「え?基本的なことだけなら」
「それでもいいよ。シフォンケーキ作りたいの教えて。」
「いいけど」
そうして甘木は萎れたシフォンケーキを見かねて女子高生の手伝いをすることになった。
「ねぇなんでシフォンケーキなんかつくってるの?」
甘木はシフォンケーキを最初から作る準備をしているとき、ふと疑問に思った。
「スイーツ甲子園にでたいから」
「はい?」
「だめ?」
「いや、ダメじゃないけど、あれって大体チーム戦でするもんじゃん。しかも先生の許可もいるし。」
「そうだけど、まずは書類選考とうしてからチーム決めようと思って。」
「いやむりだから。」
「まずは、チームを決めて今年のスイーツ甲子園のテーマに沿ったレシピの発案と紹介、写真どり、チーム紹介、参加理由を全部してからじゃないと応募できないの!」
「君詳しいね。」
「あ・・・いや。スイーツ好きなら一度は見るだろ。」
「だよね!だから私も応募しようと思って、まず作ってみたんだ!失敗したけど。」
「そりゃ。スイーツは繊細だからな!分量やレシピをきっちり守らないと失敗する。」
「そうなの?」
「そうだよ!知らないでやってたの?」
「うん。なんとなくできそうってだけで、シフォンケーキ焼いてた。」
「おまえな・・・・って、なまえ。。何?」
「あ、わたし、塩屋くるみ高校3年生だよ。」
「年上かよ!」
「なんか、君失礼だね。」
「あ、ごめんなさい。俺甘木公平16歳高2です。」
「年下だね。」
「はい。」
「じゃ、こきつかっちゃお。」
「え?」
「甘木くん。きょうから製菓部(仮)ね。」
「いや俺、野球部なんで」
「退部してきて。」
「なん!」
「これでスイーツ甲子園いけるね!あと一人いるから先生に申告してくる!」
「ちょ。」
こうして有無を言わさず、甘木はスイーツ甲子園への道をたどることになる
3話
「なんだこれ」
甘木は苦虫を噛んだ顔をする
そこには、お菓子ともいえぬ何かしらの物体がそこにあったからだ。
「ムースケーキだよ」
「ムースケーキはこんなにどくどくしくはない。」
そう、その物体は紫の何かをくだいただけのクッキーの上にのせただけのどくどくしいものだった。
「作り直し!」
「えーおいしいのに」
「食べたんかい!じゃなくて、味が良くてもスイーツ甲子園では見た目も大事なの。やり直し!」
「はーい。。。」
得体のしれないものを作った塩屋はその物体を片付けた。
「それより、もう一人いるっていってたやつはまだこないのか?今日ミーティングするんだろ」
「それならもう来てるよ。ほらあそこ。」
そう指さされると、調理室の端っこにキノコ頭の小さい小人らしき人物がいた。
「やぁ」
「!!」
甘木は小人がしゃべったと思ってびっくりする
「そんなにびっくりせんでもええやろ!」
「そうそう。この子が同い年の立花なつみちゃん。よろしくね!」
「かわいい名前して、見た目ふしぎ。。。」
「ハラスメントだぞ。」
「さーせん。」
甘木は、なぜか平謝りした。
「それより、くるみ。こいつが例のあれか」
「そう我らが期待の星!甘木公平くん!」
ぱちぱち。と塩屋は手をたたいた。
「まだ先生着てないけどミーティングしようよ。」
「そやね。」
こうして塩屋と立花はミーティングの準備をした
「ずばり!」
塩屋は指差し棒を勢いよくホワイトボードにさした。
「今年のテーマはムースケーキ!!」
「ムースが均等に乗っていてかつ、見た目、味、技術がためされる。」
と、立花は力説する。
「ただ、このスイーツ甲子園は毎回、製菓を専門としている高校が優勝する。参加する意味ある?」
「「ある!」」
と立花と塩屋は大声を上げた。
「パリ行きたい!本場学びたい!」
「大手メーカとコラボしたスイーツが食べたい!」
「そんなの今の状況じゃ夢のまた夢。。。」
と、甘木は鼻で笑った。
そこに立花が口火を切る
「やんなきゃわからないのに夢でおわらすな!」
「そうよ、やってみないとなにごともわからないっておばあちゃんがいってた。」
と塩屋は力説する。
「そこで、甘木くん。」
「俺?」
塩屋は指差し棒を甘木にむけた。
「君が今回の大会のカギになる!」
「シフォンケーキもそうだけど、ケーキの知識がある!」
「まぁ小さいころからやってはいたから。」
「それだ!小さいころからの技術を君は持っている。」
「それでも基礎中の基礎だ。おれに甲子園で優勝するようなデザイン性は持ち合わせていない。」
「そこは、立花が担当する!」
「なに?」
「こう見えて親がデザインのしごとでな。こういうテーマに沿ったデザインは親に教わってできる。」
「で?ムースケーキだどうデザインするんだ?」
「甘く見るなよ。デザインはもうできている!」
そう意気込んだ立花はノートに書いたデザインを見せる。
そこにはシフォンケーキを土台に紫のグラデーションをしたムースが層となって立っており。上にはチョコレートであしらったレースのリボンが乗っていた。
「これやるの?」
「「うん」」
「むりだよ。テンパリングとか必要だし、土台がシフォンならムースをたくさん乗っけるとつぶれる。技術がたりない。」
「えー。」
「やってみないとわからんだろ。」
「じゃ、やってみろよ。」
「まずシフォンケーキからだ」
こうして、3人は土台から作ることにした。
しかし、シフォンケーキは焼けたが、ムースが乗らなかった。
「ほらな」
「じゃ、どうすればいい?味はいいと思うんだけど。」
と立花は甘木に質問する
「シフォンケーキをラスクにしてその上にムースを重ねたら安定するかもね。」
「なるほど!」
こうして3人はスイーツ甲子園に向けて試行錯誤した。
しかし、申し込み期日間近というところで、大きな壁に出くわす。
それは、担当教師が不在ということだった。
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