MRI体験記
デスクワーク歴10年になり、着実に限界に近づく腰。上半身と下半身のジョイントという立派な仕事をしている腰が壊れると本当に大変。腰って中間管理職くらい負担がでかい。もっと給料上げて。そんなんじゃ誰もやりたがらないよ。
そんな腰がヘルニアになっていないか検査することになり、人生初のMRI検査をした体験記。
まず、宇宙船の入り口みたいな厳重な扉を開ける前に、金属を身につけていないか確認される。
たまにすごい忘却術を発揮する身としては凡ミスで何か付けてないか何度も確認。何らかの宗教の教祖様にお会いする前くらい、粗相があってはいけないと、入念に確認、確認、確認。
扉が開かれ、いざMRI様と対面。大きく「HITACHI」と書いてあった。HITACHI製の教祖様だ。Panasonic製もあるのかな。
ベッドに寝て、膝下にクッションを置いてもらい、何かあったら押してねのボタンを左手に握らされる。音がでかいからとヘッドフォンもつけてもらった。デフォルトで癒し音楽的なピアノ演奏が流れていた。流す曲をリクエストできたらいいのにな。ピノキオピーとか聞きたい。
そしてベッドが動き、巨大な筒へと吸い込まれる……
事前の確認で、でかい音に加えて狭いところ大丈夫か入念に聞かれるから、そんなに怖いのかと心配だった(父親がガチ目の閉所恐怖症で、昔健康診断か何かでMRI検査受けることになった時、段ボールに入って練習していた、その男の遺伝子を受け継ぐ者だから)。
しかし、筒の両端(頭と足)は封鎖されないから完全な閉所ではないし、身体の周りに空間的余裕もあっていざとなれば自力で出れそうだし、心理的恐怖は全然ない。むしろ私、狭いところ好きなタイプだったわ。(外界から遮断するようにバスタオルを何枚も掛けた室内物干しの中に入って自分だけの空間を楽しんでいた幼少期を思い出しながら。)
そんな感じで恐怖心は問題ないものの、2〜30分間仰向けで静止しているのは腰が痛い。そもそも腰が痛くてMRI撮る羽目になっているので、無限ループである。
音はヘッドフォンを余裕で突き破ってきて、癒しの音楽は聞こえなくなる。(もしピノキオピーをリクエストできたところで、教祖様の前では何も聞こえなくなっていたのか。神っぽいな。)
最初だけ宇宙に出発できそうなブザー音が鳴り、その後は結構バリエーションがあった。
・レロレロレロレロ(イジリー岡田)
・ブーッブーッブーッブーッ(不正解連発で凹む)
・ザーーーーーーーッ(ブラウン管テレビ故障)
・ブッブッブッブッブッ(オナラの猛打賞)
・ブルルルルルルル(ドラム式洗濯機の脱水)
あー磁力の音ーー!
磁力、じんわり温かい。
ピップエレキバン何枚分の磁力なんだろう。
てかMRI1回で電気代いくらかかるんだろう。
などと思っていたら終わった。
検査結果は「飛び出てそうで飛び出てはない少しヘルニアっぽい椎間板」でした。
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