コラム#3 私が伝えていきたいこと
現代社会では、「日本語を正しく使う」とは何を意味するのでしょうか。敬語や文法、表現の多様性など、日本語のあらゆる側面について学ぶ機会はあります。
しかし、単なる「小手先のテクニック」を学ぶだけでは、本当に美しい日本語を使いこなすことはできません。私は、この点を深く理解し、本質的な力を養っていただくための情報を提供しようと考えています。
小手先のテクニックでは超えられない壁
日本語を学ぶ過程で、しばしば「この言い回しを使えばよい」「この敬語を覚えれば安心だ」というノウハウに頼るケースがあります。それ自体は悪いことではありません。
しかし、テクニックだけを追求すると、いざその場面から外れた状況に直面したときに困ることが多いのです。
たとえば、「おっしゃる」と「申す」の違いを知っていても、それを適切な文脈で使い分けることができなければ、ただの暗記にすぎません。また、文法的に正しくても、「相手の立場や気持ちを考慮した表現」になっていなければ、その言葉は単なる「音」としてしか受け取られません。
日本語の「美しさ」とは、正確さに加え、その場にふさわしい柔軟さや、相手への配慮から生まれるものです。これこそが小手先のテクニックでは到達できない領域なのです。
プロの視点から学ぶ日本語の本質
私が皆さんに伝えていきたいこと、それは日本語の「知識」を通じて、真に、そして美しく日本語を運用できる力を身に付けられるようにする力です。運用能力とは、ただ「正しい日本語」を使うだけではありません。むしろ、以下のようなポイントを意識することで磨かれていきます。
1. 場に応じた言葉選び
正しい言葉遣いを超えて、その場にふさわしい言葉を選び取る力を養うこと。たとえば、フォーマルな場での堅い言葉遣いと、親しい間柄での柔らかい言葉遣いを適切に切り替えることが重要です。
2. 言葉に込める感情や配慮
日本語には、同じ意味を持つ言葉が無数に存在します。これは類義語と呼ばれるカテゴリに属します。その中で、相手に対してどの言葉が最も伝わりやすく、気持ちを動かせるかを考える視点が大切です。
3. 背景や文脈を読む力
日本語は、背景や文脈に依存する部分が多い言語です。このような言語はハイコンテクスト言語と呼ばれます。たとえば、文章の中で省略されている主語を文脈から補い、正確に解釈する力を持つことで、より深い理解が可能になります。
「美しい日本語」とはどんなものか
では、「美しい日本語」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。一言で表すなら、それは「相手を尊重しつつ、自分の思いを的確に伝えられる言葉遣い」です。
たとえば、ビジネスシーンで使う敬語でも、相手の状況や気持ちを考慮して選ばれた表現は、単なる形式的な敬語よりもはるかに印象深く、誠実さを伝える力があります。「ご対応いただき、ありがとうございます」という一文にしても、相手の負担や努力を意識して使うことで、心のこもった言葉となります。
また、日常生活においても、言葉の使い方が丁寧であるだけでなく、「その人らしさ」がにじみ出る表現は魅力的です。日本語の豊かな表現力を活かすことで、コミュニケーションが一段と深まります。
結びにー「学ぶこと」から始まる
日本語を「美しく使いこなす」ためには、まずその基本となる知識を体系的に学ぶことが必要です。そして、その知識を応用し、自分の言葉として使えるように訓練することが重要です。
私の記事を通じて、日本語の本質を知り、真に日本語を使いこなせる力を身に付けていただければ幸いです。記事をどんどん書いていこうと思っておりますので、ぜひ楽しみにしていてください。