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芋を絞って秋を感じる

 近所の八百屋さんにさつまいもが並びだしたので、芋巾着をつくった。和菓子屋さんのように美しい形にはならなかったけど、ほくほく甘く、秋を感じられたので自分では満足。季節の野菜や果物を使っておうちで何かをつくってみるのは本当に楽しい。しばらく炊飯器頼りの季節の炊き込みごはんに夢中だったのだけれど(もうすぐむかごの季節だな)、最近は和菓子屋さんを真似して甘味もつくれるようになったらいいなと思っている。

 さつまいもの思い出といえば、昔幼稚園の時に芋掘りが行事としてあって、近くのさつまいも畑まで、みんなで芋を掘りに行った。よく覚えているのが、芋を掘っている時よりも終えた後の出来事で、持ち帰る芋の量を均等にするため、みんなが掘った芋を一回集めることになっていたのだけれど、自分の掘った芋が、芋が重なり合う山にほいっと投げられた時に、私はぶわぁっと涙を流してしまった。畑から幼稚園に帰ってくるまでの間に、わたしの手に下げられた袋に入ったお芋さん達は、わたしの可愛いお芋さん達になっていたようである。周りの園児達は不思議なものを見る目をしていたけれど、目を腫らして芋を持って帰ってきた私に、母は何も聞かず優しい味のふかふかの蒸かし芋をつくってくれた。

 食べ物の思い出っていくつになっても覚えているもんだな、感慨深い。残ったお芋はふかふかに蒸してみようかな。秋はもうすぐ。 



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