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タイムスリップ森散歩

 先週末、多摩センターにある東京埋蔵文化センターが管理している遺跡庭園「縄文の村」の自然観察会に参加してきました。こちらは、多摩ニュータウン開発時に、遺跡(縄文時代の集落)に盛土をして、当時の多摩丘陵の景観を復元したものだそうで、トチノキ・クルミ・クリをはじめ50種類以上の樹木やゼンマイ・ワラビ等を植栽して、縄文時代の植生を再現しているのだそう。
 公園内には復元住居もあり、時々焚き木も行っていて、小ぶりながら、ひと足踏み入れると、まるで縄文時代の森へタイムスリップしたようなお散歩を味わうことが出来ました。
 特に印象的だったのは、大きなトチノキ、コナラ、ムクノキ等の落葉広葉樹。どの木も背が高く、葉も立派で、秋の日差しを浴びて鮮やかにさわさわと揺れて大きな昔の森の中を歩いているよう。居心地が良いのか、鳥もたくさん見る事が出来ました(おいしい木の実と虫がたくさんあるからかもしれません)。
 子供のころ山で見たアケビや山ぶどうも植わっていて、足元には色々な形のどんぐりがところどころ敷き詰められていて、拾って炙って縄文人気分で食べてみたくなるほど。また、伺った際、復元住居内で焚き木もされていたので、煙の香りと秋の木々の醸し出すなんともいえない森の香りでとってもとっても癒されたのでした。
 植物観察の醍醐味といえば、見た目や香りを楽しむのも良いけれど、植物の仕組みを考えながら眺めてみるのもとっても楽しいのでおすすめです。植物の種子は風散布、動物散布、水散布、重力散布があるそうで、種や実の形を見て、この植物がどうやって増え育っていくのかを考えながら見てみるものオツです(少し詳しくなると、段々形を見て分かってきます、私も今回説明を聞いて、ふむふむ、なるほどと学んできました)。また、色にも特徴があるのだそうで、鳥は紫外線の光を見る事が出来ると言われており、赤だけでなく、黒味を帯びた木の実を鳥がよく食べるのは、紫外線の反射光で美味しい木の実に見えているからなのだとか。どんな風に美味しく見えているのか、一度目をお借りしてみたいものです。
 秋の公園は木々の葉も色づいて、木の実も見られて、そんな木の実を食べにくる鳥さんたとも出会えて、見どころがたくさん。寒くなる前にじっくり植物を眺めながらの公園散歩、いかがでしょう。

(訪れた公園:遺跡庭園「縄文の村」さん)

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