見出し画像

恋するグリーンコレクション。

昨日たけのこの里を開封して少し食べて、一日置いて続きを食べようとしたら、クッキー部分が湿気って残念な食感になっていました。梅雨も近いんだなと。

そんな今の季節にぴったりな、爽やかなグリーンコレクションを載せます。5月後半の数日、出先で心が動く緑色の光景を採集してきました。
ちょっと恥ずかしいタイトルになっていることはあまり気にしないでください。緑を見たときの気持ちに一番近いのは「ときめき」かな、と思ったもので。
それでは、ご覧になった方が少しでも涼しくなれますように。

【ときめく身近なグリーンたち】
まず、部屋にある手近なグリーンのものたちから。ここに写っている以外に日常使いの器類だとか、この時に着ていたスカートも緑で、秋冬物の衣類や歴代のバッグも緑多めです。
そんなに緑が好きだという自覚はないので、おそらく黒と緑のどちらを選ぶかなら後者、ロイヤルブルーとダークグリーンなら後者、カーキとオリーブグリーンなら後者、という消極的選択を続けるうちに増殖したのではないかと。

長年保管しているお気に入りは右下の脇阪克二さん(現在はSOUSOUテキスタイルデザイナー)の窓と庭の絵のポストカード
最近のヒットは北欧ブランドFJALLRAVENの「背負える2WAYウィークエンダーバッグ」。好きなポイントは色と軽さ。一番古い緑はスヌーピーの目覚まし時計。中でネジが外れて変な音が出る。

次に、私のスマホ(長年ガラケー利用だったので今のが1台目)のGoogleフォトにあるグリーンコレクションから代表的なものをちょこっと。これ以外に建物全体が緑のツタに覆われた光景(空き家またはデザインされた商業ビルなど)も、つい撮ってしまいます。

左:長い(もっと下まで続く)緑の階段は何の誰のためのものか謎で、もし可能ならいっぺん使ってみたい(2021年8月撮影) 中央:スマホがQRコードだと勘違いした木の幹(撮影した画像にスマホを向けても作動しない) 右:『不思議の国のアリス』に出てくる生垣の迷路を思い出すような緑の壁

では、ここから5月末のグリーンコレクション(1〜7はほぼ世田谷区にて撮影)です。

1.トキメキ度 ★★★★☆
夕方の商店街で目にした、「歌番組でスタンバイ中のアイドルグループ」のような大根とネギたち。あるいはレビューのラインダンスが始まりそうな光景にも見える。左の壁のグレー、木箱の色、テープの青との組み合わせも美しくて、緑が主役というより白を引き立てる分量が絶妙。

世田谷区 八惣屋〜やそや〜 さん

散歩中だったので、そのお店ではスナップエンドウと芽キャベツを購入。蒸して塩を振ってトマトと一緒にマヨネーズで食べたときの方がもっと色がキレイでした。

2.トキメキ度 ★★★☆☆
漫画に出てくる「憧れの君」みたいな存在感というか、どこかひっそりしているのにオーラを隠せなくて周囲を圧倒して、けれどどこか悲しげで(勝手な思い込みです)。緑そのものより、これもコントラストにときめくのだなぁ。

3.トキメキ度 ★★★☆☆
この日、何度か訪れている家族経営の蕎麦店に入ったところ、先客で一人の青年がおられて、店内二階に二人きり(調理場は一階)で気まずいんだけど、その方からなんとなく「他の客が来てホッとする空気」が漂ってきて。位置的に顔は見えないものの服装や食べ方が洗練されていて、どういう経緯で今日一人でここに来られたのか、どんな職種の人だろう、などと思いつつ静かに食べていると、向こうもちょっとこちらを気にして振り返ったりして。その後、別のお客さんが複数組こられてホッとすると同時に10分ほどのソワソワは終了。
一体なんの話をしているかというと、「通りすがりの一瞬の出会いだけど、なんかちょっといい感じ」な、ときめいた光景の例えです。

左:人気のカレー店らしく、検索するとメニューの多くに緑のお野菜や香草があしらわれて美しかったです。他二枚は同じ世田谷区内にて

4.トキメキ度 ★★★★☆
行楽地でなくても、心が安らぐ光景に出会えるものだなぁ。木漏れ日を受けてもドラマティックだし、木陰になっている静けさも素敵。右のユリノキの枝にかわいいメジロがいたので撮ろうとしたのだけど、ズームに手間取っているうちに飛び去ってしまいました。雨上がりの濡れた状態に柔らかな日が当たっている緑も好きなので、梅雨シーズンはそんな美しさも楽しみたいです。

中央:イロハモミジ?の緑のプロペラ、久しぶりに見た

5.トキメキ度 ★★☆☆☆
黒っぽい壁に緑が映えて素敵。黒板(チョークアート)に多肉植物などを組み合わせるのもこういうことか。トキメキより「ふむふむ」と感心してしまうスタイリッシュさでした。

6.トキメキ度 ★★☆☆☆
「ふむふむ」続きで左上はスターバックスの店舗のタイル(お客さんと向き合う窓の下なので斜めに写してます)、右上は集合住宅のエントランス。ときめくというか、緑って「調和」や「洗練」のために有効なんだな、と納得した光景でした。グレーとの組み合わせも良好で、個人的に家具やファッション小物はパステル系ではなくこのような濃い(または渋い)グリーンが昔から好みでしたが、右上のような鮮やかなグリーンも最近は着るようになりました。

上:世田谷区 下:東京駅(丸の内)

先ほど書いた通り、普段から建物を覆う緑(『ひらけ!ポンキッキ』のキャラ、ムックみたいなモジャモジャになった状態)が気になってよく写真に撮ったりするんですが、窓や電線、近隣の外壁にまでツルが伸びている光景には懐かしさや温かみを通り越して不穏さやある種の禍々しさを感じることもあって「ときめく」とはジャンルが違うのと個人宅はひそかに眺めるだけに留めているので、ここでは「程よい緑のボリュームにときめく」素敵なお店を載せてみます。

7.トキメキ度 ★★★★★
こちらのお店は側面をツタが覆っていて、サイドは若干ムック化(緑でモジャモジャに)しつつあるけれど、正面の緑とライトの組み合わせがとても好き。何度か訪れて中がどんな様子か知っていても、この外観に出会うたびときめくのです(もっと夜が深まると濃淡がくっきりしてより素敵に)。

創作料理のお店「斗」(TO)さん 世田谷区

ここからは、「あるきっかけから気になって探しちゃった色」のコレクション。撮影地は世田谷区に加えて、葛飾区、文京区など。

【気になるグリーンたち】

A.派手かわいいグリーン
ある日、たまたまテレビで大関に昇進した琴ノ若関に密着する番組を見ました。
祖父は元横綱、父は関脇という相撲一家に生まれた彼は、これまで父と同じ「琴の若」を名乗っていたけれど、今後祖父の「琴櫻」を襲名することになり、今後の活躍が期待されているという内容だったかと思います。
父上の琴ノ若が現役だった頃のことは、実家で父と相撲中継を見たりしていたので覚えているけれど、今はほとんど見ないので「へぇ、こんな方がおられるのか」と何気なく眺めていたものの、目を引いたのは派手で可愛いまわしの色。
早速「琴ノ若 まわしの色」で画像検索すると、やはりブルー系やグリーン系の目のさめるようなまわし姿がたくさん出てきて、見ていると癖になってしまって。
スーパーで金麦の糖質75%オフの缶を目にしてあの色に似ているなぁと思ったり、電車のホームで見かけた男性のTシャツや駐輪中の自転車、お店の看板など…「あそこにも、あれもそうだ!」と、勝手に琴ノ若のまわし(っぽい)色をコレクションしてしまうのでした。ツレが持っていたエコバッグを「え、いいな、その色。今ちょっとその色がキテるんだよね」とか言ったりして…

上:葛飾区 左下:世田谷区

5月末、兄の引っ越しを手伝うことになり、退去する部屋に向かう途中でも見つけました。

南北線 溜池山王駅ホームにて

部屋の片付けを終え、新幹線で新たな土地へ旅立つ兄を見送った帰り、東京駅で鉄道グッズの催事をやっていて、南北線の定規を見つけました。それを含めた部屋の中の「琴ノ若のまわし色に近い」コレクションがこちら。グリーンというか、もはやブルー系ですが。

左下:南北線の定規 その上:たこ焼き器用油引き 右:木村セツさんのちぎり絵が素晴らしい絵日記

B.くすみ系グリーン
最近、手土産のお菓子をもらった時の袋と、別の人からもらったチケットホルダーと、百貨店でもらった催事のチラシの色味がたまたま似ていて気になり出したグリーン。
白緑というか青磁色というか、デザインの仕事をしていながら色の名前に自信がないのですが、学生の頃乗っていた原付バイク(ホンダ・ジョルノ)もこんな系統の色でした。欧米のレトロな電化製品や石油ストーブなどもこういう色味ですね。

右下:伊藤若冲 「伏見人形図」のチケットホルダー(山種美術館) 
左下:近所の古着屋さんで買った280円お気に入りのロンT(長袖Tシャツ)

くすみは足りないけれど、似たようなグリーンをガードパイプでも見かけました。

C.まぶしいイエローグリーン
量産品の仕事では柄だけ作成して色は先方にお任せすることも多く、と言ってもほぼ自分の想像からはみ出さない色に仕上がるのですが、相馬市の工房もくもくさんの手ぬぐい(グリーン)に関しては、完成品をいただいた時に結構驚いたものでした。自分が指定するとしたらこの色は選ばないというか、手ぬぐいなのに思いがけず蛍光色っぽいまぶしい色だなぁと。それが、いざ自分でも使ってみると室内に光を取り込んでくれる(写真は庭に面した窓ですが、実際はトイレの窓でカフェカーテン風に使っている)のがよくて、売り場でも目立つので大正解。
散歩中にあるビルの一部が同じ色に塗られているのを見つけた時は、狭く暗い位置のドア付近に閉塞感を出さないためにこの色にしたのだろうと理解しました。

左下:熱川バナナワニ園 右下:世田谷区にて

D.ベストオブ5月のグリーン
テレビで見かけて気になったグリーンといえば、NHKの朝ドラ『虎に翼』のオープニング主題歌の映像です。様々な緑系の(どれも素敵な)色が出てきて、もちろん色だけじゃなく絵のタッチや動画としての豊かさも表現されている内容も素晴らしいのだけど、そこから一箇所だけ公式YouTubeからスクリーンショットを撮りました。ロゴとの組み合わせも素晴らしいし、途中で出てくる様々なグリーンにも心惹かれますが、この全体(背景も)の色味、好きだなぁ。

それと通じるというか、5月末の散歩中に見つけた中で、自分がもっとも好きだなと思ったのは、こういうグリーンでした。

左:世田谷区にて 右:葛飾区の書店「ポテトチップブックス」の前あたり

テレビで見かけるグリーンといえば、大河ドラマ『光る君へ』では様々な装束に緑が使われていてそれぞれ美しくて、お約束ごとがあるのも興味深いですが、ある時からまひろさん(のちの紫式部)のお着物が「ああ素敵。この感じ好き!」な配色になって、今回散歩でときめいた上の光景と重なったので、一枚だけ公式サイトのスクリーンショットを載せます。

NHKの大河ドラマ「光る君へ」公式サイト「をしへて!佐多芳彦さんさん〜大人の装い!まひろ、源倫子、源明子の衣装」ページより

E.複数グリーンの組み合わせ
兄の引っ越しを手伝っている途中、近所の店でテイクアウトで冷たい飲み物を頼んで待っている間、ガラス窓からこんな風景が見えて写真を撮りに外へ出ました。

すると店の人が近づいてきて空を見上げ、「飛行機(を撮っているん)ですか?」と声をかけられたのだけど、「いやぁ、私ちょっと緑色のものを探していて、偶然3軒ニュアンスの違う緑の建物が並んでいるので撮ったんですよ」と説明するのが恥ずかしかったです。意味不明だっただろうに…
兄の部屋からはこんな風に見えました。

文京区にて

3軒の家の並びの色合いに心惹かれて、今こうして写真を載せてみて気づいたのは、これは私が長年(もう15年以上)生活を共にしているカーテンの色調なのだということでした。ほら、屋根や窓枠の色まで似ているではありませんか。

紫外線カットもしなさそうなので実用性としてはアレだけど色が好き。

【グリーンで柄を作る】
最後に、自分にとって心ときめくグリーンが大体わかったところで、緑を讃える柄を作ってみました。好みよりだいぶ鮮やかになってしまったけどネット上に載せるならこの程度の彩度は必要かなと。私が一番好きなのは、「G」という文字が載っているグリーンです。ご覧の方にとってもお好きな色はあったでしょうか。少しでも爽やかな気分になっていただけたら幸いですが、そうでなかったらすみません。

【おまけのグリーン】
数年前、同行の友達が撮ってくれた写真。柔らかなもふもふ感と影と光のニュアンスが好きです。どうかよい6月をお過ごしください。

【追記6月17日】
このグリーンコレクションを載せた6月初め、「梅雨も近い」と書いたのに、今年は遅いらしくてまだなのです。二階建てアパートの二階だから天井からの熱もあってか、室内気温は31度。
緑の涼しげなもの、今もひっそり日常の中でコレクション中です。

*過去の色コレクション、イエロー、ピンク、ブルー、レッドを集めた散歩の話もよかったら。