常識大全ver2.0 構想(随時更新)
以前やろうとして頓挫したプロジェクト、常識大全が大幅アップデートして帰ってくることとなった。以前に比べれば実現性が飛躍的に上がったと思う。もう一度このプロジェクトを立ち上げたい。今度こそ成功させたい!
非健常者の未来に幸多からんことを。
本論に入る前に…
健常者、非健常者とは何だろうか。誤解を招きやすい表現であり、その定義をはっきりさせておきたい。
健常性の定義
本題に常識大全においては健常者と非健常者を、①前提を共有し②現実世界に適応できているかどうかで定義する。前提とは思考を行うための判断材料となる客観的事実のことである。現実世界とは私たちをとりまく客観的な世界のことで、自分が外界をどう解釈しているかという認識の世界と対比される。現実世界への対応というのは自己の中で閉じたものではなく環境の中をどううまくわたり歩くかを考えることだ。
どんな人であれ前提を欠く領域をもち、その領域では現実に適応できなくなる。そのため健常者/非健常者は固定的なものではなく誰もが非健常者になりうる。ここでいう健常者/非健常者は世間一般の意味での障がいの有無とは必ずしも関係がない。非健常者という表現に差別の意図はないことは明記しておく。
第0章.常識大全とは
常識大全とは、常識を体系的に一つの場所(例えばwebや書籍など)にまとめようというプロジェクトである。テーブルマナーから政治の仕組み、プロ野球、芸能人、洗濯のしかたにいたるまで多岐にわたる分野を載せたい。まずはweb上でさまざまなテーマの記事を組織的かつ大量に作ることにより集合知を構築する。web上である程度形ができたら書籍化することも考えている。
なぜこんなものが必要なのかというと、健常者は何気なく暮らしている中で自然に集合知にアクセスし常識を身につけることができるが、非健常者にとってなぜかそれは難しい。文章などを使って意識的に常識を習得するしかないわけだ。しかし、常識というものは一般人にとってはごく当たり前のものであり、数の少ない非健常者を除けば効率的に学べるようにしておく需要はあまりない。また、常識には倫理に関わるものなどあえて明文化されていないもの、いわゆる暗黙の了解というものがある(非健常者はこれを読み取るのが苦手だ)。これらの理由により当然ながら常識をまとめたものは人類史を見渡してもこれまでに作られてこなかった。そこで、ないなら自分で作ってしまおうというのが常識大全だ。集合知を非健常者にも開かれたものにし、非健常者の現実世界への適応を助けたい。非健常者が集合知を手に入れられればその稀有な才能を存分に発揮することができるようになるはずだ。
常識大全の理念についてもっと知りたい方はこちらをお読みいただきたい。
健常者エミュレータとの違いについてはこちら。
第1章.アップデート内容
常識大全ver2.0がver1.0と違うのは以下の4点だ。2.~4.の変更は1.の変更に起因するものである。
1.実現方法 AIで記事を作成する
ver1.0は人力で記事を作成し一般ユーザーに編集権限を与えるというwiki形式をとっていたが、ver2.0では文章生成AIを用いて記事を作成し基本的に一般ユーザーによる編集を認めないという方針をとる。AIを用いることで記事の量産が可能になる。これにより実現性が大幅に改善した。一般ユーザーに編集権限をもたせないようにするのは常識大全の趣旨にそぐわない受け狙いや荒らしの投稿を防ぐためだ(受け狙いはアンサイクロペディアでやってください)。人力で記事を作る場合は記事を作成するスピードがかなり遅くなるので、受け狙い・荒らしに目をつぶってでも一般ユーザーによる編集を許可してとにかく記事数を増やす必要があった。しかし、記事を短期間に増やすことが可能となればその必要はなくなる。
2.理念 現実世界への適応
非健常者による集合知へのアクセスを容易にするという部分は変わっていないが、それによって何を成し遂げたいのかという部分が少し変わった。何のために常識を身につけるか、その目的はいくつかあると思っている。ver1.0では作れる記事数に限りがあるため、社会適応のみを目的とし、それと関係が薄い記事をそぎ落とすつもりであった。しかしver2.0ではAIによる量産が可能になったため、記事を厳選する必要がなくなった。第二第三の目的を加えることが可能になったわけである。それは生活への適応や思考・判断能力の向上などだ。それらをまとめると現実世界への適応となる。
3.掲載内容 多様化
常識を身につける目的を拡大した結果、幅広いジャンルの記事を扱えるようになった。今までは礼儀、マナー、社会人として必要な知識などに限定するつもりだったが、ver2.0では衣食住に必要な知識や、公共交通機関の乗り方、政治・経済・歴史・地理をはじめとする教養なども載せられる。
4.ユーザー層 潜在的"非健常者”=すべての人
記事の内容を多様化させるにあたり、ターゲットとするユーザー層も広くなる。はっきり言って、対象はすべての人だ。私たちが通常非健常者と呼ぶ人たちをメインターゲット層には据えたいが、それには限定しない。健常者と非健常者の境界など存在しない。どんな人でも多かれ少なかれどこかに異常性をもっている。誰もがある面では健常者、ある面では非健常者だ。誰もが状況によっては非健常者となる可能性を秘めているのだ。なぜなら誰もがよく知っている分野とそうでない分野があるからだ。知っている分野については健常者になるが、知らない分野については誰もがその場にあったふるまいができない非健常者になってしまう。”一般人”であっても外国に行けばその土地の文化を知らないので最初はそこに適応することができず、ネイティブの人からは”異常者”と思われるだろう。
ここからは常識大全をどのような形で実現させるか詳細に語っていく。
第2章.掲載内容
常識大全における常識の定義
常識大全で扱う常識とはズバリ、これだ。
”現実世界に適応するための適切な価値判断に必要となる、少なくともある程度の割合の人が共有している客観的事実”
客観的事実であることに注意してほしい。価値判断は含まない。例えば「民主主義は最もすぐれた政治形態である」「猫を飼った方がいい」などが価値判断である。価値判断には「~しなければならない」「~すべき」「~した方がよい」というニュアンスが含まれる。こういった個人間や文脈(状況やコミュニティなど)によって変わってくる主観的なものは載せない。
またその客観的事実は現実世界に適応するという目的に沿ったものである必要がある。行列の固有値の求め方や量子力学の不確定性原理のように高度で学問的なことは載せない。
何を載せるか
次のようなものを載せるつもりである。
規範/マナー
テーブルマナー、ビジネスマナー、公共の場でのマナー、店でのマナー、冠婚葬祭でのしきたり、敬語の使い方など教養
政治、経済、地理、歴史、世界情勢、科学など(ただし高度すぎる内容は載せない)生活
洗濯のしかた、料理のしかた、公共交通機関の乗り方、美容の知識、PCの使い方、税金の払い方など娯楽
アニメ、マンガ、ゲーム、芸能人、スポーツ、音楽など(ただし主要なものに限る)
Q.規範やマナーは客観的事実ではないのでは?
A.規範やマナーには「~すべき」というニュアンスが含まれるため確かに客観的事実ではない。しかし規範やマナーはある集団内においてある程度固定的である。そのため「○○というコミュニティでは一般的に~~とされている」という言い方であれば客観的事実とみなすことができる。規範やマナー自体は価値判断だが規範やマナーの存在は客観的事実である。非健常者は規範やマナーを理解できない/知らないために社会生活の中で不利益を被ることが多くあり、規範やマナーを言語化することによるメリットはデメリットを大きく上回る。もちろん規範やマナーというのはコミュニティに依存するのでそれが成り立つ範囲は明記しておく。常識大全は日本のユーザーを想定しているため基本的に日本国内で通用する常識を取り上げる。何も書かれていない場合その範囲は日本国内だと思ってもらってよい。それより狭いと普遍性に欠けるし、それより広い範囲で成り立つ常識は少ない。日本という範囲はちょうどいい塩梅だと思う。
Q.娯楽を載せる意味は?
A.ある程度の娯楽の知識も人間関係の構築に必要であり、それは現実世界への適応という目的に資するものである。
第3章.常識大全をどのように実現するか
この章では常識大全を具体的にどのような方法で作り上げるかということをお伝えする。ここは構想段階であり、今後どんどん具体化・修正が進んでいくと思う。(まだあまりリサーチはできていない)
似たようなサイトとして健常者エミュレータ事例集があり、これを参考にできるだろう。
まずはnotion上にサイトを作成する。将来的にサイトを移行する可能性はある。以下が現時点での常識大全のサイトだ(ver1.0のときのままになっているが)。
https://www.notion.so/HP-31041f86ff23417bb8845c1083cb352f
生成AIによる記事作成
常識大全の記事は基本的に文章生成AIを使って作成する。今のところchatGPT4.0を利用するつもりだ。
なぜ生成AIを用いるのかについてはこちらで詳しく説明している。ChatGPTを使って実際に作成した記事もここに掲載しているので、具体的なイメージをつかみたい人は見てみてほしい。
記事の生成
はじめはChatGPTに記事を書いてもらう。具体的にどうするかはあまり決まっていないがChatGPTの調教により記事の質をなるべく上げていく必要がありそうだ。いくつか手動で記事を作成してそれをChatGPTに学習させるとよさそうだ。情報の信頼性を少しでも上げるために参考文献も必ず載せるようにするつもりだ(ChatGPTが出す参考文献を当てにするのも間違いではあるが、それが信頼できる機関の出している情報なら意味はあるだろう)。
また、作業効率化のためにChatGPTに入力する命令文を定型化してテーマの名前だけをそこに代入するようにするといいかもしれない。たとえば現時点では「○○について、参考文献を添えて適宜具体例を交えながら1000字以上で体系的に教えてください。」という文で試験的に記事を作成しているが、○○の部分にいろいろな言葉を代入する。その命令文にテーマを代入したものをChatGPTに入力しその返答を記事として出力するという作業を自動化すればかなり効率化できると思う。テーマはcsvファイルなどに羅列してそこから読み取るようにするとよさそう。
記事の修正
その後はユーザーからの指摘があった際に運営陣で記事を修正していく。記事の修正案を投稿する専用のフォームを用意しておくといいだろう。サイトの規模が小さいうちは案が送られてくるたびに審査することでなんとかなるだろう効率化のために審査の際の基準を明確に設けておくべきかもしれない。参考文献をつけさせることは必須だろう。基準を厳しめに設定してそれに沿わないものは問答無用で却下すればよい。判断に迷うものでない限り運営陣一人でも審査ができるようにした方がいい。規模が大きくなってくると手動での記事の修正が大変になってくることが予想されるが、この場合どうするかについてはまだ考えていない。ユーザーにも編集権限くらいは認めてもいいのかもしれない。明らかにおかしいものがあれば再度ユーザーによって修正されるだろう。稀にいたずら投稿はあるがwikipediaはそれで成り立っている。
記事の更新
流行りの音楽など更新しなければならないスパンの短い記事に関しては、定期的に自動で記事を更新してくれるようにプログラムを組むといいのかもしれない。定期的に記事を更新するテーマのデータセットをcsvファイルなどで作り、一定の周期でそのデータセットに入っている言葉についての記事を通常の記事作成と同じようにして作る。
テーマの募集
テーマは運営陣および一般ユーザーから募集するつもりである。テーマの検閲はよほど倫理的に不適切、あるいはよほど常識大全における常識の定義から外れているもの(こういうものは申告制で議論の対象とする)を除けば行わない。何が常識であり何が常識でないかを少数の人間からしか構成されない運営が判断するべきではなく、それは多くのユーザーによって判断されるべきである。常識には当てはまらないと思った記事をユーザーが報告できる仕組みを作るつもりだ。
記事の組織化・体系化
前提知識がなくても集合知にアクセスできるようにするには組織化・体系化が必要である。
階層化
まずいくつかの部門に分ける。第2章で挙げた4つの分類、「規範/マナー」「教養」「生活」「娯楽」に「その他」を加えた5つの部門を作る。その下に大分類、さらにその下に小分類を作る。階層構造を作ることにより記事の整理を図る。
リンク
関連する記事に飛べるようにリンクを作る。wikipediaと同じように、記事の最後に関連記事をつけ、技術的に可能であれば文章中の言葉からそのまま別の記事に飛べるようにしたい。
タグ
ある物事が複数の分野にまたがっている場合もあり、階層化だけでは分類しきれないことがある。タグを入れるとそういった記事にもうまく対応できそうだ。タグをつけることで関連記事やあなたへのおすすめ記事をサジェストすることも容易になるだろう。
常識であるかどうかの判断
ある知識が常識であるか否か、その線引きを決めるのは難しい。常識というものはコミュニティーに依存して形成されるものなので、少数の偏った人間構成からなる運営が線引きを決めてはいけない。常識を定義しておくことはこのサイトを方向づけるために必要なことだが、対象となる知識が常識の定義に当てはまるかどうかはユーザーの総意によって判断されるべきである。ある記事が常識の定義にあてはまらないと判断するのは完全申告制とし、そのプロセスは次のようなものになる。まずユーザーからある記事が常識ではないと申告を受ける(申告用のフォームを作るつもりだ)。申告が行われた記事については、それが常識であるか否かに関してユーザーによる投票が行われる。一定期間経過後、「常識でない」が一定の割合を超えていた場合はその記事を削除する。
その他
検索機能
常識大全は知識の習得効率を上げることを大切にしている。検索機能をつけることで目的の情報にたどりつきやすくなる。
いいね機能
いいと思った記事にいいねボタンを押せるようにしたい。いいねが多く集まった記事を紹介するコーナーも設けたい。
会員制
会員登録するといいねした記事のリストを作れたりするようにするといいのかもしれない。
あなたへのおすすめ
会員登録したユーザー限定の機能だが、過去にいいねした記事の傾向からそれに関連した記事をサジェストするコーナーを作りたい。
ランダム
知識を広げるためには受動的に情報を取得することも大切なのでランダムで記事をサジェストするコーナーも作りたい。
コメント欄
常識大全に載っている情報は必ずしも正確ではない。他のユーザーからの指摘を見ることでより正しい情報に近づける。
第4章.広報
より多くの非健常者を救うためには、そしてすべての人類のよりよい生活のためには常識大全の存在を広く知ってもらわなければならない。まずできることは新規記事が出るたびにTwitterにそれを投稿することだろう。余力があればYoutubeショートやTiktokにサイト版の記事から大事なポイントだけ抜き取ったものだけを紹介してもいい。書籍化するならコミケに出店するのもありなのだろうか(ただし生成AIで書いているので炎上しそうだしそもそもルール的にどうなんだろう?)。健常者エミュレータと提携するとかもありかもしれない。
第5章.書籍化
あんまちゃんと考えてない。サイト版常識大全に載っているすべての記事を載せることはできるのだろうか?まぁまずはサイトの方を実現させる。
第6章.商業化
できたらやる。まぁできなくてもいい。サイトなら広告を載せるとか。ただし健エミュはUIを著しく損うわりに収益がよくなかっためやらなかったなんて話もある。書籍化するなら印税が入る。
おわりに
常識大全はまだこれからようやく形になっていくところである。しばらくの間は具体化するためにとにかく常識大全を試験運転してみる。それを見て賛同してくれる人がいるのなら協力してほしい。
集合知の体系を、作ろう。