本当は「自分らしさ」なんてないのかもしれない
天才アルベルト・アインシュタインは、
と語っています。
僕のような凡人にも分かるように言い換えると、
ということ。
天才の言うことですから、「うそだろ!」と驚くばかりですが、どうやら科学でも証明されているみたい。
脳の活動を調べてみると、意識的な選択と無意識の選択では、脳の違った部位が反応するらしいのです。
そして、僕たちが行動を起こす時、先に反応するのは、「無意識」を司る部分だとか。
#ATTENTION SPAN
よくよく考えると、「その人らしさ」ってあるじゃないですか。
本人は、それほど深く考えて行動していなくとも、周囲からしてみれば、その人の行動が「らしい!」と妙に納得できる。
これは、その人の選択や行動が無意識レベルで影響をしているからとも考えられる。
昨日の記事でもちょっとだけ触れましたが、だからこそ「自分を変えたい!」と思うのであれば、「過去の自分だったら絶対に選ばない選択肢」とか「今までの自分とは180°真逆の行動」を意識的にとるしかないのです。
人間の行動を事細かに調べた実験で、僕たちの行動というのは、思っている以上にルーティン化されていることが分かっています。
だからこそ、ちょっとやそっとの変化では「今までの自分」から抜け出すことは不可能なのです。
前段が長くなってしまいましたが、本記事では「僕たちは、ちょっとしたことで自分を見失っちゃうよ」みたいな内容。
ぜひとも、このまま読み続けてくださいね。
▼驚くべき無意識の力
人生の幸福度を上げるには、「自分の人生は自分で切り開いていくんだ!」という「コントロール感」が欠かせません。
だれしも、生涯に渡って他者の命令を聞き続ける生活には耐えられないのでしょう。(その命令の中に主体性を見出すのは別)
ちょっと怖い話ですが、高齢者施設で行われた実験で、「植物の世話を自分がするか他者がするか?」で比較されたものがあります。
結果、「植物の世話を自分でする」とされた高齢者の方が生き生きと長生きした!というから驚きです。
やはり、主体性というのは人生を充実させるポイントの1つなのでしょう。
ただ、人間のおもしろいところは、自分が選択して行動しているはずのこのを説明できないところにあります。
例えば、自分の趣味・嗜好について「何でそれが好きなの?」と問われ、明確にぱっと答えられないなんてことありません?
「ん〜?何となく」とか「気付いたときには好きだったんだよね!」としか説明できないなんてこと、割とあると思うのです。
このように僕たちは、自分について何でもかんでも説明できるとは限らない。
しかし、この記事をここまで読んでいるあなたのような人はきっと律儀な正直者ですから、「なんで好きなのかな?」と真剣に考えて、「きっと」と、何かしらの答えを導き出すでしょう。
しかし、その導き出した答えが、本当の答えなのかは別問題。
ある実験で「交通事故を目撃した人の証言」について調べたものがあります。
その際、「どのようにガシャンとぶつかりましたか?」みたいな聞き方をすると、ガラスが割れていないにも関わらず証言の中に「フロントガラスが飛び散った」みたいなコメントが入ってしまう。
これは、インタビュアーから影響を受け「事実を創り出してしまった」としか思えません。
このように僕たちはちょっとした刺激で、自分でも思いもよらなかった結末へ向かってしまうのです。
さらにこんな実験もあります。
実験参加者が見ている画面に、認識できないくらいのスピードで一瞬だけ単語を表示します。
すると、その一瞬の単語が見えていないにも関わらず影響を与えるというのです。
例えば、「年寄り」という単語を表示された被験者は、その後「ゆっくりと移動するようになった!」というからホントかよ!と思いますよね。
#明日の幸せを科学する
この実験のおもしろいところは、「本人は自分がゆっくりと行動していると思っていないし、その理由を聞かれて分からない」というところにあります。
さらにおもしろいのは、「なんでそんなにゆっくりと行動するのですか?」と聞いたときの反応。
「いや、自分でもそんなつもりはありません。」と答えるのは、まぁ納得できます。
しかし、被験者によっては「う〜ん。きっと、疲れているのでしょう。」と、「自分なりの結論を導き出して答える」という反応が見られたのです。
もちろん、ものすごい早さで見せられた単語が影響しているのです。
これは、「分からないことをそのままにしておくのは気持ちが悪い」という本能的な反応。
相手から「どうしたの暗い顔して。何か心配事があるんでしょ?」と言われると、「そうかもしれない…」なんて、それまで気にしていなかったことを無理やり引き合いに出してくるなんて結末にたどり着くかもしれません。
▼まとめ
本記事では、「僕たちは、無意識のうちに周囲から影響を受けているんだよ」という内容を書きました。
昨日の記事と同じような結論になりますが、このような事実を知っておくことで、今の自分をちょっとだけ客観的に見ることができる。
このメタ認知が、自分を成長させ、人生の幸福度を高めるのに一役買ってくれるのです。
ぜひとも、周囲からの刺激に翻弄されるのではなく、一歩引いて世界を見て見ましょう。
少しだけ今までとは違った世界が見えてくるかもしれません。