「勉強がつまらない」と思っていると勉強ができなくなるもっともな理由
どんなことでも「マインドセット」が大切だと知られています。
「できる」と思っていればできるし、「できない」と思っていればできない。まぁ、当然といえば当然ですよね。
しかし、このループが急速な社会の変化によってさらに加速しようとしています。というか、学校で毎日勉強を教えている身として、ひしひしと感じているのです。
現代は、勉強にとって非常に苦しい世界戦。
そんな厳しい理由を書いていきますね。
▼勉強に必要なものが「意志力」だとしたら
あたりまえですが、誰しも「やりたい!」と心から思っていることにモチベーションは必要ありません。
乱暴に言えば、モチベーションというのは、「本当はやりたくないんだけど…」という感じで始まるものに必要になるのです。
「習慣化が最強」と言われる所以はここにあり!
乱暴に言えば、「習慣化」というのはモチベーションに頼らなくてもやるべきことをやれる。「今日はどうしよっかなぁ?」とか「やったほうがいいんだよなぁ、3日続いたし…」みたいな迷いが生じたのなら、もはや半分負けたようなもの。
#乱暴者
ここからは、モチベーションと言う名の「意志力」勝負になるのです。
意志力研究で有名なのは、アメリカの心理学者であるロイ・バウマイスターさん。諸説ありますが、バウマイスターさんは、「意志力は次第に消耗していく」という主張をしました。
ぐっすり寝て起きたときがMAXで、度重なる選択や課題によって僕たちの意志力は次第に消耗していく。バウマイスターさんは、このような状況を「自我消耗」と名付けたのです。
さて、前提を説明し終えたところで本題である「学校」へ戻ってきましょう。
みなさんは、勉強に対してモチベーションを必要とする派ですか?それともモチベーション不要派?
この判断基準は単純で、「めんどくせー」と思っていたらきっと意志力頼みになっているでしょう。
学校で授業をしているとよく分かるのですが、授業を重ねていくと、めんどくせー感が増し、集中力が散漫になり、姿勢が崩れてくる。これはまさに「自我消耗」が進んだ状態であり、「やらなくちゃ」が保てていないと言えるでしょう。
この「自我消耗」。かなりの幅広い応用範囲に恵まれていて、勉強に対する考え方から始まり、体調や気分なんかも取り込んでしまう。
例えば、体育で思い切り体を動かして自我消耗すると、その後の勉強に身が入らないなんてことありますよね。もちろん、体力的な疲れもあるのでしょう。しかし、「やらなくちゃ」と自分自身を律するためには、そこに大量の意志力投入が必要なのです。
さらに、友達や家族とけんかしたなんてのも自我消耗に陥ります。
「彼女と上手くいってなくて勉強に身が入らない」なんて経験はありませんか?こんな状況でも、勉強をしないといけないのであれば、ここにも大量の意志力投入が必要でしょう。
このように僕たちの意志力というのは、様々なことで消耗し、本当に大切なことに使うほど余っていない可能性もあるのです。
▼現代の子どもたちをおそう「自我消耗」の権化
ここからは現代の子どもたちの自我消耗をサポートする”あれ”の話。
時代は急速に変化しています。
この記事にも書きましたが、僕たちはこぞって待てなくなっている。
それは、あまりにも便利になりすぎた世界で、”ひまつぶし”が充実しすぎたというところが大きいでしょう。
最近の子どもたちって、「暇で暇でどーしようもない...」って経験、なかなかできないみたい。
あまりにも時間を潰すことができるツールに恵まれ過ぎた結果、「何もやることがない」という緊急事態に直面しないのです。
そんな世界を提供してくれているのがインターネットであり、学校でいえばタブレット端末でしょう。
一人一台提供されたことで学校生活が、ガラッと変わりました。
そして、子どもたちのニーズも変わりました。
一昔前は、授業中に動画を見るなんて儀式は最高に盛り上がりました。45分間の授業を飽きさせないよう、どこで動画にいくかというのは結構気をつかったものです。
しかし、現代は動画なんて流しても「ふーん」で終わる。感想を聞いたもんなら、「長かった」とか「しゃべりが遅い」みたいな全く的を得ない回答がくることもしばしば。
これは、子どもたちと先生の授業観ギャップとも言ってよいでしょう。
そして、こんな状況だからこそ生まれてくる争いは、授業中にタブレットを触るな問題。
やはり、どうしても触りたくなってしまうのが子ども心。
しかし、先生としては授業に集中してほしいから「触らない!」と言うじゃないですか。
しかし、気づいてください。ここに「自我消耗」起きてません?
「だめだだめだ、タブレットなんて気にしたら。今は集中。先生と授業に集中するんだ。」と言い聞かせている子どもがいたとしたら、これは相当の意志力を授業につぎ込んでいる。
すると、もともと勉強に対する意志力とタブレット我慢の意志力が働き、肝心の学びに対する意志力は欠乏しているかもしれません。
もちろん、極端な例ですがね。
だからこそ、勉強が楽しい&タブレット我慢大会をしないをセットで解決するのであれば、タブレットを使った楽しくて分かりやすい授業づくり」に到達するのでしょう。
そして、これこそ令和型授業だと思うのです。
▼まとめ
本記事では、「ものすごく授業スタイルの変革が求められているよ!」という自分自身へ投げかけるような内容をご紹介しました。
学校が無駄なことを教える場所とならないよう、常に自分自身の教育観、授業スタイルをアップデートしていこうと思う次第です。
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