本質が見えてくる!?~立ち止まる力~
僕たち人間は、「感情」に従って行動しています。
「怒り」を例に考えてみると、「イラっとしたから怒る」というに感情から行動へとスムーズにつながっていますよね。
しかし、ちょっと立ち止まって考えてみると、「イラっとしたとしても怒りを抑えて『全然怒ってませんけど…』と振る舞う」こともできる。
このような行動って、とっても複雑でレベルが高い。
本記事では、「いったん立ち止まって見ると、違った答えが見えてくるよ」的な内容を紹介します。
今の段階では、「なんのこっちゃ?」ですが、人生において役立つ視点ですので、ぜひともさくっと読んでみてくださいね。
▼行動は「選択」できる!
繰り返しになりますが、僕たちの行動というのは「感情」に大きく左右されるのです。
先ほども例に挙げた「怒り」についてもう少し踏み込んで考えてみましょう。
「イラっとしたから怒る」に至ったことは間違いないのですが、「イラっとしたとしても怒るという行動を選択しなくてもいい」のです。
言い換えると、「あなたがイラっとした時、怒りたい!と思ったから『怒る』という行動を選択した」とも言える。
例えば、イラっとした瞬間にあなたの意中の相手が隣にいたらどうでしょう?
もしかしたら、人目を気にして100%の怒りを表現しないかもしれません。
例えば、イラっとした瞬間、電話がかかってきたらどうでしょう?
「もしもし~、あぁ、いつもお世話になってます~」みたいな感じで、普通に対応できるのではないでしょうか。
これは、イラっとしたとしても「怒り」という行動を選ばないからこそできることなのです。
要するに、イラっとした瞬間、その感情に促された行動を取らなければ、ストレートな「怒り」につながらないのです。
もちろん、「怒り」という感情は、時と場合によって必要な感情です。
しかし、ついカッとなって反省するような行動に身に覚えがあるのならば、イラっとしたときに「いったん立ち止まる」ことも必要かもしれません。
▼「立ち止まる」の力
ここまでは、「人間の行動は感情に促されているとはいえ、素直に従わない選択もできるんだよ」という内容を紹介しました。
ここからは、「感情」の命令に素直に従わない、いわゆる「立ち止まる力」を発揮するメリットを紹介sします。
その最たるものは、「本質に気付くことができる」ということ。
そろそろしつこいですが、再び「怒り」を引き合いに出すと、イラっとしたときに一旦立ち止まり、「あぁ、自分は今起こっている」と自覚できたのなら、「自分は何を指摘されると不快なんだな。」と、気づくことができますよね。
さらに、「今、叫ぼうとした暴言は今後の関係を考えたら言わない方がいいよな」とか「この振り上げた右手は、最悪の結果を招く可能性があるぞ」と気づくこともできる。
このように「立ち止まる力」を発揮することで、自己理解を深めたり、自分にとって本当に守るべきものを守ることができたりするのです。
ここまで「怒り」の例しか出していないので、ペンシルバニア大学のおもしろい実験を紹介します。
この実験に参加した学生は、「あるチラシを見て、いくら寄付するかを決める」ことを求められました。
学生たちに提示されたチラシは、次の2種類ありました。
最初のチラシには、「世界各国の貧しい国で暮らしている人々の暮らし」について詳しく紹介されたものでした。
一方、次のチラシは、「ロキアというアフリカのマリに住んでいる7歳の少女は、極度の飢餓に直面している」というもの。
気になる寄付額ですが、最初のチラシでは平均1・16ドルだったのに対し、マリの少女のチラシは、平均2・83ドルだったというのです。
これは、「マリの少女が学生の感情を揺さぶったことにより寄付額が増えた」と言えるでしょう。
あなたも、「どっかのだれか」よりも「具体的に困っている人」に心を動かされるはず。
しかし、この実験のおもしろいところは次の実験です。
実験内容は、二種類のチラシを使って寄付額を決めてもらうことで変わりないのですが、「人間は、同情できる被害者のほうにお金を寄付しがちなんだよね~」と説明をしてから寄付額を決めてもらったのです。
すると、どうでしょう。
最初のチラシの寄付額には大きな違いが出なかったものの、「マリの少女のチラシを見た学生たちの寄付額は、1・36ドルに減少した!」というのです。
これは、「感情のまま寄付をする」という選択を「よく考えてから寄付をする」に変えた結果、「困っていることは分かったけど…」と冷静になって考えた結果。
要するに、僕たち人間は「感情のまま行動する」という時、冷静に考えて行動する時よりも、極端な行動をしがちになるということ。
ただ、この極端な行動にもメリットはあります。
人間の”あるある”として、「アイデアは思いつくけれど行動まで結びつかない」なんてことあるじゃないですか。
これは、「立ち止まる力」を発揮した結果、行動によって被るリスクの方が大きく感じられてしまった結果。
このように考えると、「立ち止まる力」を発揮しすぎると現状維持からの脱出は難しくなりそう。
たまには、後先考えず、感情の赴くままに行動してみるのも、良いのかもしれませんね。
▼まとめ
本記事では、「一旦立ち止まると、大切なことが見えてくるよ」という内容をまとめました。
ただ、時に突拍子もない行動が予想外のゴールへ連れて行ってくれることもあるでしょう。
ぜひとも、冷静さを保ちつつ、チャンスには積極的に飛び込んでみてくださいね。
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