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「共感」は大切だけれど「万能」ではない
親や教師にとって必要なことは「共感する力」と言われます。
子どもの努力。
子どもの悲しみ。
日々、その時々に様々な表情を見せてくれる子どもたちにとって、
「自分の話を聞いてくれる」
「自分の考えを受け止めてくれる」
という「環境」は、心の拠り所として必要であることは間違いありません。
ただ、親や教師は子どものことを思うがあまり、「共感」だけにとどまらず「選択肢」をうばいとってしまいがち。
そんな内容を書いてみます。
▼「共感」は大切だけれど…
「あなたの子どもは、あなたではない」
ということを、共感が強ければ強いほど忘れてしまいます。
「あなたの子どもが成功しようが失敗しようが、それは子ども次第であってあなたのせいではない。」
なんて表現したら、冷酷非道なサイコパスだと思われるでしょうか。
ただ、サイコパスからも一言だけ物申させていただけるのであれば、
「子どもの成功や失敗を親や保護者がコントロールできますか?」
とだけ言わせてください。
いや、ケンカしたい訳ではないのです。
ぼくはサイコパスであり、世界平和を願う一市民でもあります。
何が言いたいのかというと、
「子どもの人生は子どものものであるから、サポートは必要だけれど、『決める権利』まで奪ってしまうと、とたんに人任せ人間に成長するよ。」
ということ。
確かに、目の前で大切な子どもが「失敗した」とか「うまくいかない」と思い悩むのを見ているのはつらいもの。
だからといって、すべてが子どもの思い通りになるように前提を整えてあげることは、子どもの立場からするとやさしくない。
むしろ、子どもの思い通りに人生のレールを引いてあげることなんて無理だと思いませんか。
ただ、「子どものため」と思って、レールを敷き続けてしまうと、いつしか親や教師の作業量を超え、敷くことができるレールが尽きる。
そんな状態に陥った時、
「なんて敷いてくれないんだよ!」
「どっちに進んだらいいか分からないよ。」
なんて言われたらたまったもんじゃありません。
だからこそ、子どもとか大人関係なく、
「自分で考えて選択する」
という力は、「共感」の外側に置いておかなければなりません。
▼「共感」に隠れている自分軸
さらに、「共感」の問題点も付け加えておきます。
それが、「私がよいと思ったから」という自分軸。
だれしも、人間は「自分の判断」で生きています。
もちろん、人生の主役は自分なのですから、その生き方はいいでしょう。
しかし、「自分の判断」をさも「相手もそうすべき」となった瞬間に発生するのが余計なお世話。
たとえば、音楽の趣味なんて分かりやすい。
「めっちゃいいから聞いてみて!」と自分軸を発揮するところまではよいでしょう。
しかし、相手は相手の軸で生きている訳ですから、「ん~そうかなぁ。」と思う時もある。
それを受け入れて、「まぁ、そういうときもあるよね。」となれるのであればよいのですが、「分かってくれない。」と捉えた瞬間に自分軸出すぎ事件が発生します。
要するに、「相手のため」と思って行動することは「共感」から派生した必要なことなんだけれど、それがいつも相手のためになっているとは限らない」ということ。
このような残念なすれ違いが、親や教師といった子どもに接する役割の大人に起こりがちなのです。
そこには、「我が子の人生をよりよくしたい」という親心や「子どもたちを真っ当な人間に育てたい」という教師の使命感が隠れている。
そして、「共感」は残酷な一面もある。
どちらかに共感すると、もう一方には共感できないことになりますからね。
とにかく、共感を前面に出すのではなく、相手を尊重した接し方を模索することに子育ての難しさと価値が隠れているのです。
▼まとめ
本記事では、「共感能力は万能じゃないよ。」という話。
共感能力が高めだからこそ、「本当に相手のためになる接し方」を考えられるはず。
そして、そんなサポートが子どもさんの成長を促すのです。
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