「人生」というロングゲームを楽しめない5つの理由
「将来のために今を我慢する」という考え方は、多くの人が理想として掲げるものの、実践することは難しいですよね。
なぜ私たちは人生というロングゲームを楽しむチケットである「長期的視点」をもてないのでしょう。
本記事では、その理由を5つにしぼってまとめました。
全て実行できなかったとしても、「知っている」ことはメリットになりますからね。
ぜひとも、自分のロングゲームが楽しめるよう意識してみてくださいね。
動画はこちら👇
▼ロングゲームを楽しめない5つの理由
この記事にも書きましたが、
ミリオネアという大きな成果を残した人たちは、数十年先を見据えつつ「今」を生きるという「ロングゲーム」を楽しんでいます。
しかし、このロングゲームは簡単ではありません。
みんなが簡単に楽しめるのなら、「夢」とか「目標」が叶わないものの代名詞にはなりませんよね。
そして、ロングゲームの継続に共通点があるように、途中で挫折してしまう理由にも共通点があるのです。
その理由を5つ紹介します。
①「即時満足」を求めすぎ
僕たち人間は、すぐに手に入る小さな報酬を、未来の大きな報酬よりも魅力的に感じる傾向があります。
これは「時間割引」と呼ばれていて、スタンフォード大学のウォルター・ミシェル博士による「マシュマロ実験」が有名ですよね。
この実験では、4歳児に1つのマシュマロを与え、15分間我慢できれば2つ目のマシュマロをあげると伝えました。
この実験の追跡調査では、幼少期に我慢できた子どもたちの方が、成人後により高い学歴や収入を得る傾向があることが分かったのです。
これは、即時満足への欲求をコントロールする能力が、長期的な成功と関連していることを示しています。
僕たち人間の傾向として、「報酬は『今』がいい」、「気が進まないこと(勉強とか)は『後』がいい」と思ってしまいがち。
しかし、ロングゲームを楽しむには、この人間的な思考を反対にする必要がありそうです。
「目の前の小さな報酬を先延ばしにし、勉強や運動のような取り組むハードルが高いけれど、自分のためになるものにコツコツとコミットする」という判断が必要なのです。
②「不確実性」への恐れ
未来は常に不確実です。
そのため、長期的な目標に向かって努力することは、確実に報われる約束がないように感じられることもあるでしょう。
行動経済学者のダニエル・カーネマンさんとエイモス・トベルスキーさんの「プロスペクト理論」によると、人間は利益よりも損失に反応しがちという傾向があることが分かっています。
つまり、「報われないかもしれない」という気持ちで努力するというのはとても難しいのです。
例えば、多くの人が退職後の貯蓄よりも、現在の消費を優先してしまいます。
これは、遠い未来の不確実な利益(快適な老後)よりも、確実な現在の満足(今欲しいものを買う)を選んでしまう”あるある”な例です。
このような人間的な反応を敢えてスルーしなければならないところに難しさがあるのです。
ついつい手頃な報酬で手を打ちがちですが、ロングゲームを楽しんだ先の報酬の方が大きいに違いありません。
不確実性を怖れず、本当の自分の目標を見失うことなく進んで行くことが大切なのです。
③社会的プレッシャー
現代社会は、即時の結果を求めがちな傾向があります。
僕たち人間は、「環境」から影響を受ける生きものですからね。
学校や会社で短期的な成果を求められると、知らず知らずのうちに、短期思考になってしまうのも仕方なし。
そんな短期思考が、ロングゲームを楽しめなくしていることは間違いありません。
ただ、「短期思考を止めよう!」といっても、所属している環境の価値観が短期思考であれば、どうしようもない。
だからこそ、短期で成果を求められる部分と、本当に自分にとって大切な目標を切り分けて考えることも必要でしょう。
④自信の欠如
過去の失敗経験は、私たちの長期的な目標設定や挑戦する勇気を奪ってしまうことがあります。
心理学者のマーティン・セリグマンさんの「学習性無力感」の理論によると、繰り返し失敗を経験すると、人は努力しても状況を変えられないと信じ込むようになります。
これでは、ロングゲームを楽しめなくなってしまいますよね。
学習性無力感はこちら👇
例えば、ダイエットに何度も失敗した経験がある人は、「自分には痩せることはできない」と思い込み、長期的な健康目標を立てることすら避けてしまうかもしれません。
このような失敗恐怖に陥る前に、「失敗」の捉え方を変える必要がありそうです。
「失敗というのは、自分を成長させるもの」と、むしろ失敗を歓迎するくらいの態度がおすすめ。
失敗というのは、チャレンジからしか生まれませんからね。
「今回はうまくいかなかったけれど、自分を変えるチャレンジができた自分、えらいぞ!」というように評価を変えてあげる必要がある。
たくさんの「上手くいかない」を経験しつつ、それでも前に進むことが、ロングゲームを楽しむコツなのです。
⑤「具体化」の難しさ
遠い未来の目標は、抽象的になりがちですよね。
具体的でない目標は、日々の行動に結びつけるのが難しくなります。
ということは、モチベーションの維持も難しい。
ハーバード大学のテレサ・アマビールさんの研究によると、小さな進歩を可視化することが、長期的なモチベーション維持に重要だということが分かっています。
#マネージャーの最も大切な仕事
しかし、遠い未来の目標に対しては、この日々の進歩を感じ取ることが難しい。
「来年の夏までにやせるぞ!」と誓っても、なかなか落ちていかない体重に進歩を感じることができず、いつのまにか通常通りの食生活になっているなんてことは”あるある”ですよね。
▼まとめ
本記事では、「ロングゲームを楽しむ難しさ」を5つの例から解説しました。
結論からいえば、「人間として心地よい状態に抗わないといけない」というのが理由でしょう。
しかし、これらの難しさを知っておけば意識することができますよね。
意識さえ働けば、立ち向かう作戦を立て、ロングゲームを楽しむことができるのです。
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