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Baker's Dozen: 12個だけど13個

英語に関しては、私のレベルはそこそこ、普通に生活する分にはまずまずといったところで、ネイティヴじゃありません。
イギリスには住んでいたこともあるし、今も1回の滞在がたいがい2〜3週間と、日本人の標準よりは長いけれど(一度、入国の際に「一般的な日本人は1週間もいないわよ〜。あなたみたいに長い休みがとれる人もいるのね」と言われました)、でも住んでいるわけではないので、たとえばちょっとした時事ネタとか芸能人ネタとかテレビ番組とか、生活に密着した話題になると???になることがしばしば。
これって、言っていることは分かるんだけれど、それの真意が分からない、ってこと。

それと同じニュアンスで???になることが、独特の言い回しをされるとき。ことわざとか成句とかがそれに該当します。
たとえば、「豚に真珠」ってそのまま外国語にしたところで、本意は別のところにあるわけで、相手には伝わらないでしょ。それと似たような言葉が英語にもいっぱいあります。

そんなわけで、私にとって英語で一番意思疎通がしやすいのは、独特の言い回しをすることがしばしばあるネイティヴではなく、北欧圏だったり東南アジアだったり、英語が第一外国語(もしくは英語が母国語でもほかの言語も同時に母国語だったりする)でfluentだと、直接的な表現が多いからコミュニケーションがとりやすいのよねぇ。


でも、ネイティヴのそういう独特の言い回しは、いわばその国の言語文化の一端なわけで、分かるとなかなかおもしろい。
数年前に、へえええ〜と思ったのが、Baker's Dozenという言い方。
日本語にするとパン屋の1ダースといったところで、これ1ダースと言うものの、12ではなく13を意味するんです。
なんでも、これ、イギリスで昔、パン屋さんが罰則を免れるために、12個ではなく1個おまけして13個で販売していたから。

販売するパンの重さをごまかさないように目を光らせ、規定よりもパンが軽かったら罰則が待っていた、というものです。でも、いくらパンを焼く前の状態で正確に測っても、焼く時に水分が蒸発するので、仕上がりのパンの重さはその日の天候などで変わってきます。
そこで、パン屋さんが考え出したのが、総重量でバランスをとるというもの。重くなる分には問題ないわけで、12個のところを1個プラスして13個で売り、これがBaker's Dozenの由来です。


こういうのって、もちろん小説とか歌詞とかに出て来ることは多いんだけど、実際にネイティヴと接して会話の中に登場しないと、なかなか実感としてピンとこないですねぇ。

まっ、言葉に限らず、机上と実地の両輪で知ると自分のものにするのは早いわけで。


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