Bump好きのカップルなら1度はやったんじゃないかなあと思うこと
そういえば昨日の施設でのクリスマス会でうかつだったことがあった。
それはサンタさんからプレゼント(お菓子の詰め合わせ)をもらった後に行われたイントロクイズで、Bump Of chickenの「Merry Christmas」のイントロが流れた時、思い切って手を挙げたまではよかったのだが、「Merry Christmas」のタイトルが出てこず、「クリスマスソング」と答えてしまった。
シングル「R.I.P.」と両A面になっていた曲だというのは分かっていたのだが、「Merry Christmas」という正式タイトルを度忘れしてしまったのだ。
これはBump好きとしては大変うかつだった。それでもアーティスト名は答えられたからと、賞品のクッキーをもらうことはできた。
それにしても、なぜあの時「Merry Christmas」の方お取り上げたのだろうか。もしかしたら今回のイントロクイズの選曲を担当してくれたスタッフさんの中に、Bump好きの人が居たのだろうか。それとも私が Bump好きであるのを知っているスタッフさんの粋な計らいだったのだろうか。どちらにしても嬉しいのだけれど。
「Merry Christmas」ももちろん良い曲なのだけれど、Bumpの冬の歌といえば、もっと有名なやつがあるではないか。
そう、「スノースマイル」である。
冬が寒くって本当に良かった
君の冷えた左手を
僕の右ポケットにお招きする為の
この上ない程の理由になるから(「スノースマイル」の歌詞より引用)
「冬が寒くって本当によかった」という歌い出しにも、リリース当時度肝を抜かれた方も多かったかもしれない。
だがそれよりも、「君の冷えた左手を、僕の右ポケットにお招きするためのこの上ない程の理由になるから」というこの行為に、憧れを抱いた方も、彼・彼女どちらの立場でも多かったんじゃないだろうか。
というか、Bump好きのカップルだったら冬になると1度はやったことがあったのではないだろうか。
私も今よりももう少し若かったころ、恥ずかし気もなくそれをやったことがある。
当時おつきあいするようになって数か月ほどの彼も、私と同じくBump好きだった。
冬の寒いバス停でバスを待っている時に、「これずっとやりたいと思ってたんだよね」と言って、それこそ彼が買ってくれたミトンの手袋に包まれた私の左手を、彼のコートの右ポケットにそっと入れてくれたのだ。
暖かかったかまではよく覚えていないが、それでも嬉しかった。あの頃は何もかもが輝いているみたいな感じで幸せだった。
その後Bumpのアルバムを、新しく買ったiPodに入れるのにパソコンから取り込みたいからCd貸してほしいと言われて、「FLAME VEIN」から「COSMONAUT」までの全オリジナルアルバムを貸したのだが、返ってくることはなかった。
いや、返してもらうチャンスはあったのだ。
何もかもが輝くような幸せも長くは続かず、その彼とは3年ほどでお別れしてしまった。しかも結果的にかなりえぐい別れ方をされたので、その後しばらくの間人間不信になったほど、そのショックは大きかった。
別れてから数か月ぐらいたった頃、「借りてたCd返したいから会いたいんだけど」と突然連絡があった。そんなわけでなかなか失恋のショックから立ち直れずにいた私は、「もうBump聞いてないからあげる」とだけ返事を返して合わなかった。
これは強がりではなく、本当にその当時は失恋のショックでBumpの曲を聞けなくなっていたのだ。
あれから数年。今ではその時の傷も何とかふさがり、Bumpの曲も普通に聞けるようになった。
たまにBumpの過去のアルバムを無性に聞きたくなる時がある。しかし今手元にあるBumpのアルバムは、その彼がコピーしてくれたベストアルバムだけである。
あの時意地を張らずに彼と会って、名曲だらけのオリジナルアルバムたちを返してもらえばよかったと、ものすごく後悔している。
まあその後悔も含めて、今となっては良い思い出である。