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初めてのお部屋探し~不動産屋さんに行く~

 先週の金曜日の午後、担当のケースワーカーさんと一緒に、大阪で一人暮らしをするための部屋を借りようと不動産屋さんに行ってきた。
 いよいよ9月末に迫った施設退所に向けて、この日から本格的に動き始めた。

 これまでにも不動産屋さんには、姉や妹の大学進学での一人暮らしのお部屋探しの時について行ったことはあったが、自分のことで不動産屋さんに行くのは今回が初めてだった。
 そのため部屋の広さなど、何をどう考えたらいいのか全く分からなかった。
 施設の仲間にも相談してみた結果、とりあえず最寄り駅と施設の間で家賃4万のワンルームで、6畳から7畳ぐらいで、できればトイレと風呂は別というような条件が良いだろうということになった。後はケースワーカーさんに全てお任せすればいいか。

 その日は朝から雨が降っていた。この雨の中駅前の不動産屋さんまで歩いていくのかーと憂鬱に思っていたところ、午後には何とか雨が上がり、外に出たらクマゼミが泣いていてとても暑かった。

 初めて入る不動産屋さんは、とても落ち着いた雰囲気で、まるで小さなカフェといういうような感じの場所だった。
 私たちが席につくと、すぐに冷たいお茶が出てきた。個人的に不動産屋さんというと、お茶が出てくるところというイメージがある。外を歩いてきて暑かったので、冷たいお茶はとてもありがたかった。

 担当の方から名刺をもらい、早速お部屋探しが始まった。
 事前にケースワーカーさんがだいたいの条件を不動産屋さんに伝えてくれていたので、すぐに3か所の候補物件を紹介された。

 まず1か所目は、施設から最寄り駅までの歩行ルートからは少し外れるけれど、すでに全盲の入居者がいるというので、のっけからポイントが高そうである。
 ただ残念なことにトイレと風呂はユニットバスのようだが、それでも全盲の方が住んでいるというのは、大家さんをはじめ周りの住人の理解がありそうなのは精神的にも楽かもしれない。

 続いて2か所目の物件は、よく行くスーパーのほぼ近くにあるところのようだ。
 ここならスーパーはもちろん、コンビニや飲食店なども近いので、生活の便は良さそうである。
 しかしデメリットとしては、路上に面したところらしいので、周りがあまり静かではなさそうかもというところだろうか。どちらかというと音には敏感な方なので、できれば静かに過ごせそうな場所がいいかなあと思った。

 そして3か所目の物件は、かかりつけの心療内科の近くだそうだ。
 ここだけが唯一トイレと風呂が別れていて、しかもオール電化だというではないか。
 条件としては良さそうだが、ただ空いている部屋が4階で、エレベーターはない。おまけに近くに店があまりないので、買い物が不便そうというのがデメリットだろうか。

 とそんな感じで、3か所ともメリットとデメリットがある物件だったのでとても迷ってしまう。
 まあ後は実際に内見に行って決めるしかないか。
 ちなみに内見は今週の後半に行く予定である。
 とりあえず良い感じの物件が見つかってよかった。

 そうそう書き忘れていたが、そこの不動産屋さんは、施設との関わりが長く、今回対応してくださった方も、「この部屋だと踏切を渡らないといけないかもしれないけどだいじょうぶそうですかねえ」とか、「鍵は番号キーじゃない方がいいですよね」など、視覚障害者への対応や理解がある方だったのはとても安心した。

 これからも施設退所に向けてやらなければならないことや不安はまだまだたくさんあるけれど、それでも自分だけの城を持てるというのは、とてもワクワクするし楽しみでもある。

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