ひつじ日和に行ってみた

 前回の記事で書いた通院の後、「ひつじ日和」という、書店とカフェを兼ねたお店に行ってみた。私の第1詩集『世界と繋がり合えるなら』を置かせてもらっているからだ。
 前前回の通院の帰り、病院近くのバス停でバスを待っている時に、第1詩集出版時にお世話になった出版社の代表に偶然お会いした。その時に、「羽田さんの詩集、ひつじ日和で委託販売してもらえることになったから」と聞かされた。
 あまりにも突然すぎる話に、最初は何のことだかよく分からなかった。どうやら自分の詩集を置かせてもらえるところができたらしい。ようやくそのことを理解すると、嬉しさとありがたさが同時にこみ上げてきた。
 ひつじ日和との委託販売に至った経緯を聞いてみると、それはかなりおもしろい話だった。
 第1詩集『世界と繋がり合えるなら』の出版社は「読書日和」、そしてその第1詩集を委託販売させてもらう書店は「ひつじ日和」である。同じ浜松市に「日和」と名のつく、しかもどちらも本に特化した建物が二つもあったのだ。
 そのことにグーグルマップが混乱したようで、ある時ひつじ日和のところに、私の詩集の画像が表示されていたらしい。それに気づいたひつじ日和の方が、これは何だろう?と画像をクリックしてみると、それが読書日和から出版されている詩集だと分かり、早速出版社代表に連絡を取ったことが、今回の委託販売に繋がったそうだ。偶然が繋ぐきせきとは、まさにこのことをいうのだろうか。
 これはぜひ行ってみたいと、ヘルパーさんにお店の簡単な場所を調べてもらって、通院のついでに行ってみることにしたのだ。

 そこは市役所の通りの裏、中央図書館のすぐ近くにあるらしい。しかしずいぶん奥まったところにあるようで、ヘルパーさんにもすぐには見つけられなかった。
 クリーニング屋さんに入って聞いてみると、「あの白い車が止まっている、あそこの家だと思う」と教えてくれた。
 なるほどー、ひつじ日和は古民家を改装したお店なのだろうか。だとしたら、おしゃれでゆったりできそうな雰囲気を感じる。これは私好みのお店かもしれない。

 クリーニング屋さんからひつじ日和まではすぐそこだった。
 お店の敷地に入ると、確かにそこは民家の庭のような感じだった。入り口まで大きな石が敷き詰められているのもおしゃれで、歩いていて凸凹する感触がおもしろかった。

「いらっしゃいませ」
 ひつじ日和のドアを開けると、女の人が一人出てきた。この方が店員さんのようだ。優しそうな声の人だった。
「あの、私の詩集が置いてあると聞いて来ました」
 と、少し緊張しながら私は言った。
「あっ、こちらですね」
 そう言われて案内された入ってすぐの棚に、私の詩集が2冊置いてあった。まさかこんな目立つところに置いてくださっているとは思わなかったので嬉しかった。
「この前も一人手に取って行かれましたよ」
 と、店員さんが教えてくれた。ひつじ日和での委託販売については、SNSでもお知らせさせてもらっていたので、もしかしたらフォロワーさんが来てくれていたのかもしれない。そう思うと重ね重ね嬉しかった。
 店員さんの話では、ひつじ日和では本の販売はもちろん、店内でお茶を飲みながら店のほんを読めたり、作業や休憩に来ている人も居るそうだ。
 せっかくなので、私たちもお茶を飲んでいくことにした。市役所前のバス停から歩いてきてのどが乾いたので、アイスティーを注文した。アイスティーももちろん美味しかったけれど、お茶菓子に付いてきたクッキーとチョコレートもとても美味しかった。
 店内には私たちの他には誰も居なかった。静かに音楽が流れていて、思っていた通りのゆったりした空間が流れていた。
 お茶を飲みながら店員さんと少し話をした。ひつじ日和には、詩集の他にも小説や絵本など、様々なジャンルの本が置いてあるようだ。
 またヘルパーさんの話では、カウンターに置いてあった名刺に羊の絵が書いてあるそうだ。そのことも店員さんに聞いてみると、その絵は旦那さんが消しゴムハンコで書いた物なのだそうだ。素朴でとても癒される絵だとヘルパーさんが言っていた。
 店員さんと話をしている途中、店内の横にあるドアが開いて誰かが入っていった。どうやら自宅を改装して作ったお店のようだ。だからこんなにアットホームなんだなあ。

 帰りのバスの時間があったのであまり長くは居られなかったけれど、それでも思っていた以上にゆったりとした心地よい時間が過ごせた。自宅からもう少し近かったら行きつけにしたいぐらい良いお店だった。また行きたいなあ。
 平日しかやっていないとのことですが、浜松に行く機会が合ったら皆さんもぜひひつじ日和に1度足を運んでみてください。

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