何も考えずに適当に歩いたらまさかのピッタリ4メートルだった~施設の運動会レポート午後の部編~
一昨日アップした施設の運動会レポートの続きである。
午前の部が終わった後、いったん施設に戻り、いつも通り食堂で昼食を食べた。
毎年運動会の日の昼食はカツどんと決まっているらしい。
12時40分ごろから再び向かいの公園のグランドに移動して、1時から午後の部が始まった。
午後の部最初の競技は「大声競争」だった。
これは一人ずつグラウンドの真ん中に立って、何か叫んでもらい、その声の大きさや内容の面白さを、2本ずつ旗を持った施設長、副所長、新人スタッフの3名が審査するという競技だ。
叫びたいことはあったので参加してみてもいいかなあと思ってはいたのだが、こんなにたくさんの人の前で一人叫ぶのは恥ずかしいと思い、今回は参加しないつもりだった。しかし「皆さんどんどん参加しましょう」と言うスタッフさんの声に押されて、結局参加することになった。
「この場を借りておねがいしたいことがあります。下駄箱の静電気を何とかしてほしい!」
まだいまいち言葉がまとまっていなかったが、前前からずっと思っていたことをこの機会に叫んだ。
「分かります。それ私も何とかしてほしいです」
進行役のスタッフさんも、私の叫びに同意してくれた。やっぱり皆そう思っているのかーとちょっと嬉しくなった。
結果は6本中5本の旗が上った。きっと上らなかった1本は施設長で、「それは無理」ということなのだろう。
大声競争は他にも、「アイスが食べたい!」「焼肉食いてえ!」といった今食べたい物への叫びや、「工事早く終わってほしい!」「早くピアノ弾きたい!(修繕工事の影響で食堂のピアノを移動しているため)」といった施設の修繕工事に対する切実な叫び、そして「僕が世界で1番大好きな人は家族です!」というようなぐっとくる叫び、さらにおもしろいところでは「ヤッホー!」という非常にシンプルな叫びなど、いろいろな叫びがあっておもしろかった。
ちなみにこの競技の参加賞はジップロックだった。これは今後の生活に役立ちそうな賞品である。
続いての競技は「ピッタリはてな」という競技だった。
これは4人ずつに別れて、副所長が引いた距離を歩いて予測するというもの。
私たちに指示された距離は「4メートル」だった。
どうせ当たらないだろうと何も考えずに適当に歩いて、適当なところで止まったところ、なんとピッタリ4メートル丁度だった。
まさか当たるとは思っていなかったのでビックリした。しかもこれが今年初のピッタリ賞だった。案外何も考えずに臨む方が良い結果が出るのかもしれないと思った瞬間だった。
ピッタリ賞の賞品としてさきほどのジップロックをもう一箱もらった。さらに参加賞として入浴剤をもらった。普段銭湯に行っている入所者にはあまり使い道がないので、8月に帰省する予定だと言うMちゃんかZさんにあげることにしよう。
運動会最後の競技は「新聞紙リレー」だった。
これは2チームに別れて、新聞紙の上に乗ったボールをスタッフさんとペアになって、ボールを落としたり新聞紙を破いたりしないようにしながらどちらのチームが早くゴールできるかを競う競技だ。
これもおもしろそうな競技ではあったが、自分がボールを落としたり新聞紙を破いてしまうのではないかと思うととても不安だった。
私たちのペアの順番は最後から2番目だった。最初のペアがものすごく早かったこともあり、私たちのチームは相手チームをどんどん追い越している。
ここで失敗してしまったらどうしよう。そう思うと、スタートラインで待機していてものすごく緊張した。
いよいよ回ってきた新聞紙を受け取ってスタートした。
出出しは順調だったが、コーンを回り込んで折り返した時から風が吹いてきて新聞紙が引っ張られそうになり出したので、これは本当に敗れるんじゃないかとドキドキしたけれど、何とかゴールして無事アンカーに渡すことができてほっとした。
結果私たちのチームが勝った。ちなみに参加賞は箱ティッシュだった。これも役立ちそうな賞品である。
そんな感じで、施設の運動会は無事に終了した。
結局全ての競技に参加したけれど、どの競技も思っていた以上に楽しむことができた。
これはお世辞抜きで、今まで参加してきた盲学校や、作業所や、視覚障害者協会の運動会よりも、この施設の運動会が心から楽しめた運動会だったと思う。
何よりも、私たち利用者以上にスタッフさんたちが1番楽しんでいたのがとても印象的だった。
こんな運動会なら、来年もぜひ参加したいと思った。来年もできるといいなあ、運動会。