大阪の阪神熱のすごさを改めて実感した夜
9月14日の夜、阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝した。
私は阪神ファンではないどころか、ルールをほとんど理解していないぐらい、野球には全く興味がない人間だ。むしろラジオの野球中継が憎らしいとさえ思っていた。野球中継のせいで、自分が聞きたい番組が飛んでしまうのはいつも納得がいかなかった。
それが大阪に出てきてから約半年。周りからの勧めで毎朝ABCラジオを聞くようになってから心境が変わった。いや、野球に興味がないのは変わらないのだが、それでも野球というものの存在が、自分の生活に少しずつ浸透し始めているような気がする。
初めてABCラジオの平日朝の番組を聞いた時はビックリした。
スポーツコーナーで阪神の勝利を伝えたあとに流れてきた「六甲おろし」のイントロに、「へえ、関西のラジオ局は阪神が勝つと『六甲おろし』を流すのかー。すごいなあ」と、まだ起き抜けのぼーっとした頭でのんきに考えていると、そのイントロの後、アナウンサーたちが生で「六甲おろし」を熱唱し始めたのだ。
これには衝撃だった。私の地元はCBCラジオなのだが、中日ドラゴンズのテーマ曲をパーソナリティが生で歌うなんて聞いたことがなかった(私が知らないだけでもしかしたら歌っているのかもしれないが)。大阪人の阪神タイガースに対する熱量には、野球に興味がない人間からしたら恐れおののいたほどだった。
同じくABCラジオの土曜日朝の番組では、メインパーソナリティの中村さんの阪神戦での実況のチンプレイ(?)に、アシスタントの林さんを筆頭に皆で突っ込みを入れるコーナーがある。これが野球のルールを理解していないような私でも、めちゃくちゃ笑えておもしろいのだ。
そのコーナーがきっかけで、中村さんが実況の時の阪神戦の中継をちょこちょこ聞くようになった。土曜日の番組で話題に上がりそうなおもしろ発言はないかとチェックするためである。
野球のことは分からなくても、いつも聞いている番組のアナウンサーの実況を聞くという、それまでの私にはなかったような新たなラジオの聞き方に出会わせてくれたのも、ABCラジオの中村さんのおかげかもしれない。
そんな中今週の授業でも、阪神の「アレ」に関する話題が多かった。
火曜日の午後にやっている点字のプログラム(スタッフさんが読む文章を、点字の正しいマス開けや表記で書けるようになるのを目的としたプログラム)でも、木曜日に初めて参加した文字起しの長文クラスでも、「アレ」に関する記事が取り上げられた。
夜にその長文の記事をパソコンに打ち込み終えた時、NHKニュースとYahoo!ニュースから、阪神優勝を伝える通知が飛んできた。何と言う偶然!
間もなくして、遠くの方からにぎやかな声が聞こえてきた。
何だろうと思い窓を開けてみると、向かいの公園の辺りから、男たちが「六甲おろし」を歌っているのが聞こえた。
大阪の町は阪神が優勝すると本当に湧くんだー!話には聞いていたけど、実際にそのようなところに遭遇するとやっぱすごいなあと圧倒された。
そういえば2.3日前のABCラジオの朝の番組内で、ガッチさんが阪神が優勝したら特番をやると言っていたのを思い出した。
試しにラジオをつけてみると、その宣言通り、ABCラジオでは優勝特番が行われていた。しかも番組中にも関わらず、スタジオでパーソナリティたちが缶ビールを開けて祝杯をあげていた。
何だかお祭りの時のようなにぎやかさである。
阪神が優勝しただけで、ここまですごいことになるとはー…!ある意味カルチャーショックかもしれない。
そんなわけで9月14日は、大阪の阪神熱のすごさを改めて実感した夜だった。
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