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全盲エッセイストのライバル出現(?)

 最近フェイスブックで盲学校時代の後輩が、某投稿サイトでエッセイを投稿するようになったことを知った。
 彼女も学生の頃から作家志望だったことは何となく知っていたので、投稿サイトで執筆活動を始めたことにそれほど驚きはなかった。

 早速何本か彼女のエッセイをこっそり読ませてもらった。
 彼女の書くエッセイは、根暗で人付き合いが苦手な私には書けないような、気持ちが前向きになるようなエピソードばかりだった。これは読者からの受けも良いだろうなあと思った。
 おまけにその後輩はテレビのドキュメンタリー番組などにも何度か出演経験がある。ほとんど売れていない詩集を出版して、現在もnoteの片隅でひっそりと投稿活動を続けている私なんかよりも知名度はあるはずだ。だから作品数が溜まって書籍化される可能性もかなり高いと思う。
 これは全盲エッセイストのライバル出現である。

 なんといっても彼女のすごいところは、「読んでくれた人に笑顔を届けられるようなエッセイを書きたい」という立派な目的を持って、誰かのために文章を書いていることだと思う。
 長年詩やエッセイなどの文章を書いているが、私は今まで誰かのために文章を書こうと思ったことは1度もない。
 このnoteも含めて、私にとって文章を書くことは、全て自分自身のためにやっていることである。
 そんな自己満足だけで書いて、何の気なしにネットの海に放り投げたような駄文だけれど、それでもたった一人の誰かに、ほんの少しでも何かを感じてもらえたら、さらに願わくば誰かの悩みや痛みを、ほんの少しでも和らげてあげられるようなきっかけになってくれたらいいなと思いながら、今もこうして執筆活動を続けているわけなのだが…。

 でもやはり誰かのために文章を書ける彼女はすごいなあと思う。そこのところは私も見習わなければである。

 「せっかくエッセイ書いてるならnoteで投稿してみるといいよ」
 そう後輩に教えてあげようかと思ったがやめておいた。
 私よりも知名度や、誰かに対する優しさと思いやりのある文章が書ける彼女がnoteに進出してきたら、自称元祖全盲noterと勝手に名乗らせてもらっている身としては非常に困るからだ。
 そんなことを思う私は意地悪な先輩だろうか。

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