『死という隣人よ、愛よ』
死という隣人よ
あたしたちはお前を懐に抱きながら
悔やんだり浮かれたり繰り返すだけの
くだらぬ日常を生きぬく
孤独の中寄り添えば甘美となるお前よ
お前が連れ去る誰かのことに
思い出を探し重なる者たちや場所を求め
様々な暗示や象徴を重ねて安堵を得ようとする
何度死を目の当たりにしても慣れやしない
無責任な涙で自分を良い人間にするんじゃねえと思う
こんな時の自分の中のざわついた感情が何なのか
あたしにはわからない
いつも悲しみや怒りは突然訪れてあたしを動かしてしまうから
あたしにはわからない
ただあたしを置いていかないで
ひとりの部屋であなたのいない世界を見せないで
もう君に2度と会えぬなどと言うな
いつかまた会えるなんて綺麗事はいらねえ
死や恐怖に納得できた事が無い
あの世の世界が有ろうが無かろうが勝手にしろ
今この世で愛しあいたいのだ
今この時から愛しあおうぜ
この瞬間から抱きあおうぜ
死という隣人よ、親友よ、恋人よ、憐憫よ!
お前に連れ去られる予感を抱きつつ
それ故に尚、だからこそ!
今この時から、愛しあおうぜ
いつか会えるなんてあたしは信じねえよ
この瞬間から抱きあおうぜ
今しかいらねえ
愛してる
山村礼子★にゃき
表現者and More
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