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Community-wide genome sequencing reveals 30 years of Darwin’s finch evolution

https://www.science.org/doi/full/10.1126/science.adf6218

本研究の学術的背景は、生物が変化する選択圧に対応する能力が、適応を支える特性の遺伝的構造に依存するということです。研究課題の核心をなす学術的「問い」は、ダーウィンのフィンチと呼ばれる4種の鳥が、嘴の大きさに影響を与える6つの遺伝子座を特定し、そのうちの1種であるG. fortisの全遺伝性を59%説明することができるかどうか、またこれらの遺伝子座のアレル頻度が乾燥期(食物供給が変化する)や種間の交雑によってどのように変化するか、ということです。

本研究の目的は、ダーウィンのフィンチの遺伝的構造と交雑が適応にどのような役割を果たすかを明らかにすることです。その学術的独自性と創造性は、30年間にわたる従来の研究を活用し、遺伝的構造と交雑の役割を解明するという点にあります。

本研究の着想は、ダーウィンのフィンチが遺伝的変異と環境変化にどのように適応してきたかを理解することから生まれました。関連する国内外の研究動向としては、遺伝的変異と環境変化に対する生物の適応能力についての研究が挙げられます。本研究は、これらの研究に基づき、特定の生物種(ダーウィンのフィンチ)に焦点を当て、その適応能力を詳細に解析するという位置づけにあります。

本研究では、ダーウィンのフィンチの4種のうちの1種であるG. fortisの嘴の大きさに影響を与える6つの遺伝子座を特定し、そのうちの1つが嘴の大きさの変異の25%、体の大きさの変異の13%を説明することを明らかにしました。また、これらの遺伝子座のアレル頻度が乾燥期や種間の交雑によってどのように変化するかを解明しました。

本研究の有効性は、フィンチの全ゲノムシーケンスを用いて、遺伝的変異と形質の変化を追跡し、その結果を自然選択と交雑の影響と関連付けることで検証しました。

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