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老眼 遠近両用のハードル

「遠近両用は慣れにくいって聞くし」
「遠近って歪むんでしょう?」
「遠近は定年迎えたらにしようかな」

〇ーか!ばー〇!

度数による!
度数とニーズによる!
遅すぎる!スタートは40代からが理想!

テンションが上がってしまいました、ハンサムです。

老眼を認めたくない方が多いのも理解したうえで、今日も今日とて老眼のお話をしていきます。私も老眼(労眼)ですし。

老眼鏡の次に思いつく老眼対策レンズとして、皆さんが思いつくNo.1はやっぱり遠近両用だと思います。眼鏡市〇さんなんかでも西田敏行さん使ってバンバンCMやってましたよね。これだけ知名度があって、利用者も多いのに、それでも消えない「遠近両用ネガティブ意見」。

「メガネをかけると目が悪くなる」が本当だったら、世界トップのメガネ装用率を誇る日本人は全員アホなのか。という話ですよ。昔から続くネガティブツイートはなかなか消えないもんですね。

ということで、本日は遠近両用レンズを中心に3種類のレンズのお話をしていきたいと思います。今週のサザエさんは~?

・遠近両用
・中近両用
・バランス型

上から下に度数の変わる「累進レンズ」というモノのなかの3種類ですが、この三つで累進レンズ販売数の9割と言っても過言でない。そのくらいこの三つが売れています。言い換えれば便利ということです。


3種のレンズ

三つとも並べて比べるとこんな感じ。
良く見える◎の所もあれば、見えないことも無いけど、視界の狭い△など遠方、近方、中間点(50cm~1mくらい)と一応はオールマイティな見え方になっています。遠くに重きを置くと手元が怪しくなり、手元の見え方にこだわりを持つと遠くは犠牲になり。遠中近、全て満遍なく均等にさせると気持ちいいクッキリ感が消える。黒く塗ってあるところは透明ですが歪みが強くて視力の出ないゾーンです。

消費者が欲しいのは全部◎!歪みゼロ!だと思うんですが。出来なくは無いです。レンズ二枚で10万円超えていくとその世界に持っていくことは出来ます。ハンサムも16万の中近両用レンズをコネで手に入れたことはありますが、段違いです。中近なのに、遠くも近くも全部見える。歪みも無い。もう「目が若返ったとしか思えない」そんなレンズは本当にあります。当店で一番高い遠近両用がフルオプションで25万円ですが、当然毎日毎月売れるレンズではありません。金額を抑え、自分に合う、全部◎!歪みゼロ!と思えるレンズにするために、先ほどの3種類から「自分の生活にマッチした」最適解を探します。だからメガネ屋さんは色々細かいこと聞くんです。

よく何でそんなこと聞くんですか?と言われることがありますが。
「ノートパソコンとデスクトップどちら使ってますか?デュアルですか?」
目線も違えば距離も違うし、デュアルだと視界の広さも考慮します。重要。
「病院でお務めということですが、クリニックですか?総合病院ですか?」
総合病院になると一気に見える距離、見たい距離が遠くなります。重要。


猫背になるよね

というわけでレンズごとの特徴を1つずつもう少しお話していきます。

遠近両用


遠:◎、中:△、近:〇

遠く

◎なので、今まで近視や乱視だけの単焦点レンズといわれる普通のレンズを使っていた方にとっては、すんなり慣れやすいレンズの一つです。車の運転などの遠くのスッキリ感や視界の広さは問題なし。何より運転は命の危険を伴いますからね。

中間

中間、手元の見え幅はごくごく小さくなり視界が一気に狭くなります。目線を下げて使うノートパソコンやラップトップは見やすいですが、デスクトップになると目線の高さにモニターが来てしまうため、顎を上げなければなりません。また視界の広さも狭いので大きいモニターを使っている方、デュアルディスプレイにされている方には気持ち良く使えない可能性もあります。

近く

中間に比べると少し幅は広くなりますが大きな差はありません。スマホのメールをちらっと見る、値札を確認するなど「一瞬」ちゃんと見えてればいいという環境なら問題ないのですが、20分以上ずっとスマホ見る、読書するとなると目線をずっと下げっぱなしになりますから、今度は目の筋肉が疲れてきます。なので読書向きではありません。

デメリット

目線の下方向に歪みが出ます(イラストの黒い部分)。真正面を見ている分には良いのですが、階段を降りる時、足元に物を落とした時、慣れるまでは違和感が出やすいです。またゴルフやテニスなど足元にボールを置く、ボールがバウンドするような球技ではボールが見づらくなるので、スポーツによっては使えない場合があります。

遠近両用をさらに気持ち良く

PC、手元も見えないことはないけど、そこはおまけ程度で良い、という方ならおススメです。用途としては運転用(カーナビ、メーターも良く見える)、山登り、スポーツ用(風景もハッキリ、カメラも使いやすい)、そもそもパソコンは使わない、パソコン用メガネは別で持ってる方にもおススメです(掛け替え前提ですが)。

これは他の中近両用などにも言えますが、それぞれのレンズには苦手な部分が各々少しずつあります。なので遠近両用ユーザーなら手元が見やすい、PC用や老眼鏡をセットで使うと苦手なところを補うようにできます。2本のメガネで100点を出せれば、かなり快適になります。

中近両用


遠:△、中:◎、近:◎

中間

遠近両用のパソコンで起こる問題をすべて解決。ノートも、デスクトップも視界の広さも申し分なし。老眼鏡だとミシン、楽譜など、ちょっと先が見えないことも多いですがそれもカバーしてくれます。室内専用の遠近と言っても過言がありません。

近く

中間同様、遠近両用よりも広くなりました。しかし何よりは目の位置にゾーンが近づいたので目線をいっぱい下に下に頑張って下げなくてもすぐに近方ゾーンに入るので「どこで見ればいいんだっけ?」というような迷いが生まれません。繰り返しですが室内ではほぼ完ぺきなメガネです。

遠く

遠近と比べるとかなり遠方視力が出るゾーンが狭く、目線の上の方に来ています。あごを引いて遠くを見ればはっきり見えますが、ヤンキーがガンつけてるみたいになっちゃいます。ただこの遠方ゾーンがかなり重要で。室内の中にある、目線より上にある細かいもの。時計やカレンダーがちゃんと見やすくなります。またスーパーなどのお買い物で「お米コーナーどこかしら」「新宿まで運賃いくらだっけ?」「次の特急は15時ちょうどか」などと案内掲示板は基本目線の上にあります。そういったものはちゃんと見えるようになっています。

デメリット

(合わせ方によりますが)普通の姿勢では遠方視力が出ない為、すっきりした見え方が好みだと、かなり物足りなく感じる方も多いです。また真横に歪み(イラストの黒い部分)が出来るので単純に真横目線が弱いトコロ。円卓会議などでプロジェクターを横から見る時、結婚式に出席し、モニターを体をひねって見なきゃいけない時、体を真正面に向けないとボヤケがひどくなります。ただデメリットとしてはそのくらいしかなくて。かなり完成されたレンズです。

中近両用をさらに気持ち良く

遠くを犠牲にした代わり、室内活動に重きを置いたレンズです。なので、外出用、運転用のメガネをすでに持っている方であれば、普段掛けとして室内のすべてをほぼカバーします。事務職、主婦、定年後など生活圏内、活動圏内が狭い方ほど便利です。運転をしない方、室内で出来る趣味(楽器、ミシンなど)にも便利ですし、ここ最近は皆さんテレワークが多くなって、急激にニーズが高まったレンズでもあります。

バランスタイプ

遠:〇、中:〇、近:〇

デメリットないじゃん、と思うかもしれませんがコレが意外に曲者です。メーカーによって呼び名は様々、Jaz、City、Walk、Townなど。優等生ではありますが、全ての見え方に100点満点が無いんですね。ハンサムの様に元々視力が1.5あった、などくっきりとした見え方をずっと続けている人にとっては頑張れば見えないこともないので、余計疲れるパターンもあります。ハンサムには中途半端すぎてダメでした。僕はクッキリ見えてないとストレスなので。

ざっくり言うと、遠近両用と中近両用の、中間設計なので遠近よりもう少し近くが視えた方が、中近よりもう少しだけ手元が見えた方が、といったファジーなニーズに合わせたものです。

バランスタイプを使うためには

成功例をいくつかあげますと。
警備員の仕事。モニター監視をメインとし(中間)、一時間に一回巡回する(遠方)。異常があった時の作業報告書を書く(近方)。など本当に満遍なく色んなところを見ることが多い方。
運転はしないけど自転車に乗る主婦。外出は買い物くらいなので中近で全て問題なし。ただ手元が見やすいということは足元の歪みも多く、乗り物に乗った時のふわふわ感が強い。足元の違和感をなくした中近が欲しいというニーズ。
・職場が室内だけど規模が大きい。総合病院、学校、ホテルなど内勤だがフロアが広いような場所では中近だと物足りなさが出るので、少しだけ遠目をハッキリさせたい。
・暗くて見えにくい職場。レストランやバー、ライブハウス、劇場関係は機材を扱ったりお会計をしたり、暗すぎて見えにくいことも。中近に比べ、視力が出やすいので困ることが減ります。

といったワケで3種類のレンズを実用例を交えながら、少し深堀りしてみました。これで何となく、自分がどれを使えばいいのか、試してみたけど自分に合わなかった理由、というのが分かるのではないでしょうか。

でもでもでも。

まだあるんです。老眼対策レンズ。
次回は老眼鏡と比較しながら、近々両用とアシストレンズについてお話していきます!


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