【第105回選手権】第6日の展望
第6日の展望
いなべ総合(三重)-沖縄尚学(沖縄)
いなべ総合は水野、高田の両右腕がいずれも最速140キロ。いずれも与四死球が少なく、継投もある。チーム打率は.358、長打は少な目だが、1番の梨本が4盗塁、9番の山根が3盗塁など機動力を生かす。
台風の影響で大阪入りが遅れた沖縄尚学、調整の遅れを心配されたが抽選の配慮もあって6日目の登場となった。選抜でも活躍した東恩納投手が31回1/3を投げて自責点0、与四死球も4。予選ではチーム打率.299、長打も少な目。特に1番の知花の調子が気になるところ。いかに東恩納投手を楽にさせる打線の援護ができるかが勝ち上がるポイントになりそう。
いなべ総合は機動力を使える展開で東恩納投手を揺さぶりたい。沖縄尚学は早めにリードを奪って主導権を握れば失点が少ないだけに優位に進められそう。
立正大淞南(島根)-広陵(広島)
立正大淞南は4割に迫るチーム打率だが、主に5回コールドで勝利した2試合で数字を引き上げたが、本塁打も3本記録している。2本塁打などで.714の4番山下の前に走者をためる攻撃が理想。投手陣は山下-日野の継投パターン。初出場時は崎田投手を擁して2勝し8強入り、前回出場時も初戦突破している。
広陵は春夏連続出場。春は3勝して準決勝で優勝した山梨学院に敗れた。2年生エースの高尾が36回を投げて奪三振46、与四死球2、失点2。チーム失策も2とディフェンスが非常に堅い。打線は3番を打つ真鍋に注目が集まるが、予選では.250、1本塁打。
投打に軸となる選手がいる広陵、特に高尾投手を崩すのは容易ではない。立正大淞南としては接戦、できればリードで終盤勝負に持ち込み、広陵の焦りを誘う展開にしたい。
慶応義塾(神奈川)-北陸(福井)
慶応も投打にハイレベル。準決勝で東海大相模に大勝し、決勝では横浜に逆転勝利。7試合で複数本塁打の選手が3人。選抜では仙台育英に初戦で敗れたが、春から選手や打順も入れ替わり進化している。
北陸も春夏連続出場。予選4試合で本塁打はなかったが、打率.320、9盗塁。エース友広投手が初戦で負傷降板する中、川上投手らがカバー、友広投手も決勝でマウンドに戻ってきた。敦賀気比との対戦はなかったが、近年の甲子園経験校ばかりを相手にアクシデントの中競り勝ったのは自信になったと思われる。
やはり北陸の友広投手の状態が気になるところ。本来の投球ができないと、徐々に慶応の圧力に圧される展開になりそう。
文星芸大付(栃木)-宮崎学園(宮崎)
予選決勝で作新学院との熱戦に競り勝った文星芸大付。チーム打率.394、本塁打は3本あるが単打が多い。捕手の黒崎が強肩、俊足の篠崎など個の能力も目立つ。
宮崎学園は春夏通じて初出場。5試合で4本塁打を記録するが、打率は.245と低く、長打も多い方ではない。エース左腕の河野が5試合で42回を投げ、被安打28、奪三振37。しかし与四死球28が気になる。
予選のデータを見る限りだと文星芸大付が優位に見える。宮崎学園はしぶとく戦い、長打で流れを変える場面を作っていけるか。