【第105回選手権】第1日の展望
土浦日大(茨城)-上田西(長野)
土浦日大は左腕・藤本が26回1/3を投げて被安打16、奪三振26、失点4となかなか良い内容。最速149キロという小森も登板が少ないものの投球回を上回る奪三振。2本塁打を記録した後藤が打率では2割に届かないところが気になるが、近年は県内でも上位を維持しており、2017年、2018年は果たせなかった初戦突破をそろそろ期待したいところ。
上田西は権田、服部、滝沢と3投手がそれぞれ同じくらい投げている。誰が先発するか分からないが、準決勝(ウェルネス長野戦)で被安打3で完封した服部が楽しみ。守備陣が6試合(48イニング)無失策と堅い。
春季大会でも完封がある服部投手が嵌れば上田西のペースという形が考えられるが、土浦日大の打線は霞ケ浦の好投手・木村から14安打しており、序盤でリードできれば1986年夏以来久々の甲子園勝利が見えてきそう。
共栄学園(東東京)-聖光学院(福島)
甲子園大会というのは選手たちにとっては特殊な状況であって、なかなか本来の実力を発揮させるのが難しい。特に初出場校は慣れない事ばかりで難しい。今回が初出場の共栄学園は予選決勝で、二死からノーサインでセーフティスクイズを決めたり、直後にはダブルスチールで勝ち越すなど自由なスタイルを見せた。39回2/3を投げて27与四死球がやや気になるが、茂呂投手が落ち着いて試合に入って終盤勝負に持ち込みたい。まずは初回を0に抑えたい。
対する聖光学院は2年連続出場で昨夏は4強。学校としては甲子園は慣れている。今年は絶対的なエースが不在で多くは継投で勝ち上がってきた。1番打者の高中の出塁率が非常に高く、初回で先手を取れば優位に試合を進めていきそう。
浦和学院(埼玉)-仙台育英(宮城)
昨春4強の浦和学院と昨夏優勝の仙台育英、前評判の高い両校の注目カード。昨夏・今春の経験者が多く残る仙台育英は今年も圧倒的な投手層。失点も与四死球も少なく、誰が投げても崩れなかった。6試合で9失策は多すぎるが、失策が関係ないほど予選では投打に圧倒した。
対する浦和学院も盤石の勝ち上がり。左腕・鈴木は18回を投げて22奪三振。この投手次第では投手戦に持ち込んで終盤勝負に持ち込む可能性も考えられる。
やや投打に上回ると思われる仙台育英に余裕を持たせず、緊迫した展開にすると、浦和学院にも勝機が出てきそう。仙台育英は付け入る隙を見せずに戦えるか。