そもそもポートレイトって何だ?
「ポートレイトを撮る人へ」という定期マガジンを始めることにしました。
私が考えるポートレイト写真のとらえ方、撮り方、考え方。
撮り方の話だけでなく、モデルさんとの接し方、指示の出し方などなど、ポートレイトに特化したマガジンにしていきます。
ポートレイトを撮る人に役立つお話をしたいと思っています。
ちなみに、この記事に関してはマガジンの序章ということで、全文無料で公開します。以降をお読みになりたい方はぜひ、定期購読ください。
さて、本題です。
写真のジャンルとして、ポートレイト(Portrait)というものがあります。
ポートレイト撮影が趣味、って言う人も多いでしょう。
では、そもそもポートレイトというのはどんなジャンルのどんな写真なのでしょう。
辞書によると、ポートレイト(Portrait)は「肖像画、肖像写真」となっています。
つまり、写真の話として、直訳すれば「肖像写真」ということになります。
ですが、肖像写真という言葉から連想できるのは、むしろ写真館のようなところでおじいさんが着物を着て渋い顔をした写真、とか、男性の顔の片側だけに光が当たって、反対側は暗く落ちたような写真。
スタジオ写真に限らず、どこか渋い感じの人物写真というイメージがあります。
逆に、ポートレイトというと、写真を趣味とする人たちが想像するのは、可愛らしい、綺麗な女性モデルの写真ではないでしょうか。
もちろん、家族ポートレイト、お子さんポートレイト、友達ポートレイトを撮る人もいっぱいいるでしょう。男性ポートレイトを撮っているという人もいると思います。
でも、「どんなジャンルの写真を撮られてますか?」という質問に対して、「ポートレイトです」と答える人のほとんどは、女性のモデルさんを撮っているというイメージですね。
家族ポートレイトを撮られている方の場合は、「ポートレイトです」とは答えず、あえて「家族ポートレイトです」と答えるように思います。
ですので、「撮影ジャンルはポートレイトです」と答える人の大半は女性モデルを撮っているという印象かなと思うのです。
男性のモデルさんを撮るポートレートもありますが、撮る側の性別を問わず、モデルさんは女性というのが比較的多いように思われます。
おっさんポートレイトというのもがあっても良いような気がするんですけどねw
ここまでは日本の話ですが、これが海外となるとちょっと様子が違うように思います。
海外のフォトグラファー(プロ、アマチュアを問わず)が写真をアップしているWebサイトを見てみると、日本のような可愛らしい笑顔のモデルさん写真は意外に少なく、むしろ先に書いた肖像写真のようなものが多いと感じます。
可愛らしい外国人女性のポートレイトだとしても、にっこり笑顔の写真はとっても少ない気がします。
可愛いモデルさんのにっこりポートレイトがいけないという話ではなく、むしろ逆で、これが日本的なポートレイトというものなのかもしれないなと思っています。
日本のアニメが世界的に人気があるように、どこか日本人の撮るポートレイトというものは独特の世界観があるのかもしれません。
日本人らしいポートレイト写真というものがあってもいいでしょう。
可愛いモデルさんの笑顔のポートレイト、カッコいいポートレイト、肖像画のような渋いポートレイト、ポートレイトにもいろいろあっていいのだと思います。
ただし、ポートレイト=肖像写真だとすると、やはり写真にどこかその人の人としての魅力が写っている方がいいのだろうなと思うわけです。
ニッコリして可愛いから良い写真、ではなく、そこに写る人の魅力、そして写し手のイメージと気持ちが入って、一つのポートレイトが完成するのだと思っています。
「写る人の自然な姿、その人らしさを写したい」という願望はあっても、それを写真に写すのはなかなか難しいものです。
まして、会ったばかりのモデルさんでそれを撮ろうというのは至難の業かもしれません。
写る人の魅力をどう写真に写し込むのか、どうやって撮ったらいいのか、写し手のイメージはどうしたら出せるのか、どうやってコミュニケーションを取ればいいのか、などなど課題はたくさんあるように思います。
私自身も日々、試行錯誤しながらポートレイトを撮っています。
そんな話をこれからこのマガジンで一つずつやっていきたいと思います。
これからをお楽しみに。
塙真一
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ポートレイトを撮る人へ
塙が考えるポートレイト写真のあり方とは? モデルとの接し方、指示の出し方は? どこに注意するともっとよいポートレイトになるのか? などなど…
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