着物の魔法
いきなりですが、私は長襦袢が大好きです。
長襦袢とは、着物の下に着る襦袢、下着の一種です。
なんというか、長襦袢を着た瞬間って特別な気がするんです。
足袋も白、長襦袢も白、全身真っ白になり、鏡に写った姿を見ると、自分がまっさらになり、全てリセットされた様な、とても神聖な感じがするのです。
わたしは、自分の生い立ちや育ちにとても劣等感を持って生きてきました。
なので自己肯定感も低く、いつも周りを羨ましがったり、周りの目を気にしたり。
偽りの自分を生き、自分に矢印を向けていませんでした。
その生き方は違うよ!という、本来の自分からのお知らせのごとく、
ここ数年の間に、様々な事が起き、
自分を大切に扱うということを、この何年かの間で学んできました。
着物はそれを教えてくれたアイテムのひとつです。
とても高いブランドバックや、価値のある宝石は
傷がつかない様に柔らかい布で包み、その後箱に入れ、包装紙をかけ、リボンをかけ、大切にラッピングされます。
着物も同じなのです。
大切な大切な自分自身を、真っ白な布で包み、
自分の好きな色の布で包み、帯というリボンで飾る。
自分自身が、そのままでとても価値があり、大切な存在なのだと実感できる特別なものだと思います。
日本に生まれ、着物に触れ、この感覚を実感出来た事は、宝物だと思っています。
そしてこれは、特別な人だけが実感出来るものでは無く、どんな人でも潜在的にその感覚を知っているのではないか、と私は思っているのです。
なぜかと言うと、着物を一度羽織れば、不思議と背筋が伸び、所作も普段より女性らしく変えてしまうからです。
内側にある女性としての喜び、凛とした強さを思い出すように。
着物は自分で自分を幸せにする最高の魔法です。