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治ったその先にあるものは?

今年の3月から、定期的に漢方医の先生と鍼灸の先生、それからエネルギーワークのような、不思議な施術をしてくれる音楽家の友人に身体のメンテナンスをお願いしている。

それと言うのも、私は26歳の時に潰瘍性大腸炎を発症し、そこから治っては再燃し、というのをかれこれ十数年も繰り返している。

幸い、妊娠中、出産後暫くは症状もなく、穏やかに過ごせたのだが、やはり寒い季節になってくると冷えと共に症状が出ることが多くなり、昨年の12月から今年の5月まで、久し振りに長い間症状に苦しむことになってしまった。

更に、娘がイヤイヤ期で私のあとをついて回る時期とも被ってしまい、常にトイレに付いてくるというストレスも加わり、いい加減、根本治療しなければ…という思いに至り、定期的なメンテナンスに通うことになったのだった。

西洋医学を全く信用していない訳ではなく、何となく、症状を「薬で抑える」ということをし続けることに抵抗があり、年に一度の内視鏡検査も辛くなってしまい自然と病院から足が遠のいてしまい、今に至る。

やはりプロに定期的に観てもらうというのは、今まで自分だけでは決してみえなかったもの、知らなかった世界を知るという点で物凄く大きな収穫となった。

私は潰瘍性大腸炎になった時の対処法や、ならないようにどんなサプリメントを摂ったら良いか、などには関心があったが、

どうしてその症状が引き起こされているのか?

については、「ストレス?食べ物?寒さ?」
という、漠然とした原因しか思い当たらなかったので、そこを自分なりに追究することはなかったので、漢方医の先生に、そもそもの体質、気質について指摘された時は目から鱗だった。

何となくが、何となくではなくなる。
自分の知らない一面が、明確に知らされる。

この事は、私にとっては素晴らしい発見で、それによって長期間辞めることができなかったパン食(朝食は必ずパンだった)と、暑い時期のお供だったアイスコーヒーをスパンと断ち切ることが出来たことに自分でも驚いている。

そんな風に、少しずつ体質改善をおこない、今までにないくらい好調な夏を迎えていた矢先、お腹の症状も全く出ていないにも関わらず、急な下血が起こり、数日続いた。

慌てて病院を受診すると、初めて出会うその先生は少々キツめな態度で、
「内視鏡検査したとして、潰瘍性大腸炎が悪化してたとして、どうしたいの?」
と私に言い放った。私としては、目に見えない部分がどうなってしまっているのか不安なので、一度検査しておきたいという想いだったのだが、そう言われると、一瞬、萎縮してしまった。

しかしよくよく考えると、確かになぁ、という気にもなり、単に意地悪な先生という訳ではなさそうだと心を切り替えることが出来た。

このことがあってから、ふと、私は
潰瘍性大腸炎が治ったとして、どうしたい?

という問いが浮かんでしまった。治った方が良いに決まってるじゃないか!と、それは勿論そうなのだが、実はその病を抱えることで得ているメリットがあるのではないか?と思い至ったのだ。

病によるメリットとは?

そのメリットを得ることで、病がない時と比べるとさらりと出来てしまうことが確かにあることに気づいてしまい、なるほど、だから私は未だに手放さなかったのか…と腑に落ちてしまった。

例えばメリットとしては、

気が乗らない会合を断れる。
家族が気にしてくれる。
仕事を頻繁に組まないようになる。
一人になることを許される。
休んでいても許される。…などなど

基本的に、身体的なメリットはほぼゼロなのだけど、誰かや何かとの「関係性」においては、うまいこと機能してくれてメリットがある。

私は、他者とのバウンダリー(境界線)を引くのがどうにも苦手で、オープンにするとついつい相手の感情に流されたり、影響を受けまくってしまったり、相手の痛みを自分のことのように感じてしまったり、誰かの悪意が自分に向けられたものと勘違いしてしまうことがあるので、そういう事が病と関係があるように思えてきた。

こんなことに、今まで思いを馳せることもなかったし、
「完全に治ったとしたら、どう在りたい?」
なんて問いを、自分自身にするとは思わなかった。もしかしたら、潜在意識コーチングを学んだことにも関係があるかも知れない。

この夏の残りの時間、この問いの答えをゆっくりと考え続けてみようと思います。

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