過去の作品を見直してみる
5年程前、フェルデナンド・ホドラーの「昼」の習作をモチーフにダンスを創作したことがある。振付の構造は至ってシンプルだけど、振付そのものが一つ一つ練りに練られたものかと言われるとそうではない。
だから私は、俗に言う振付家とは違うのかもしれない。一番重要な、根幹となるフォルムが決まれば、(多分ここに一番時間が掛かる)あとはそれを繰り返すか行き来するか。既に創られた何かを見せられるのが嫌いで、肉体から時折溢れ出る感情や、踊りを通して見え隠れする、観客自身の物語に触れてみたい。そう