KaoriIto

振付家・ダンサーの伊東歌織によるカラダ・心・魂について試行錯誤する日々

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最近の記事

治ったその先にあるものは?②

潰瘍性大腸炎が治ったとして、どうしたい? という問いをし続けて一週間が経ったので、これまであれこれ出て来た思考を纏めてみようと思う。 前回、思いを巡らせてみたときは、どうやら【病が続くメリット】として、「人間関係」に鍵がありそうだと思い、元々私は自分と他者とのバウンダリー(境界線)を引くのがとても苦手だということと関連しているのかと思っていたけど、それはあくまでも、顕在意識によって自覚出来るレベルの問題だということに気がついた。 潰瘍性大腸炎は、自己免疫疾患。 つまり

    • 治ったその先にあるものは?

      今年の3月から、定期的に漢方医の先生と鍼灸の先生、それからエネルギーワークのような、不思議な施術をしてくれる音楽家の友人に身体のメンテナンスをお願いしている。 それと言うのも、私は26歳の時に潰瘍性大腸炎を発症し、そこから治っては再燃し、というのをかれこれ十数年も繰り返している。 幸い、妊娠中、出産後暫くは症状もなく、穏やかに過ごせたのだが、やはり寒い季節になってくると冷えと共に症状が出ることが多くなり、昨年の12月から今年の5月まで、久し振りに長い間症状に苦しむことにな

      • 「子どもを迎えるまでの物語」を読んでいます。

        丁度昨年の今頃だったかな。 友人がFacebookで、この本のクラウドファンディングを紹介していて、内容としてはこのベル・ボグスさんが書いた著書を日本語訳して出版したいという内容だった。 地方に来て、私が一番東京に居る頃とギャップを感じたのは 「子供を持つのは当たり前」 という感覚を、皆が当たり前のように持っていて、それが幸せなんだよ、と口々に言うことだ。 私たちは夫婦で移住をしたのもあって、結婚をしていると知った相手は必ずと言っていいほど「お子さんは?」と聞いてく

        • 問いと答え

          2月の作品を元に、創作をまた始めようかと思った時に、少しまた今までと違う感覚というか、自分のやりたい事を人にやってもらうことに違和感を感じたので、一旦別のやり方を挟むことにした。 例えば私が2019年から興味を持っているのが、女性が子供を持つことに対しての意識と、その人の環境がどのように関係しているかということだ。(当初は自覚が無かったのだけど) これは、39歳になった自分に対しての問いかけであると同時に、アーティスト仲間やダンサー仲間がどのようにその問題と向き合っている

          絵画をインスタレーション化する試み

          もうだいぶ時間が経ってしまったけど、「横浜ダンスコレクション2021・振付家のための構成力養成講座」にて、過去ダンコレ受賞者が作品の再創作を試みる企画に参加しました。 私は2015年にHAGISOというスペースで「顔」というユニットでおこなった「枠」というソロ作品の振付と構成を再創作したいと考え、今回「Waku」とタイトルを変えて挑戦した。 なかなか時間がなくて、この作品がどのような取り組みだったかを書き残せていなかったので、ひとまずこのnoteにしたためようと思う。

          絵画をインスタレーション化する試み

          そう簡単には変わらない。

          すっかり季節が変わってしまい、2月、3月が余りにも忙し過ぎて、個人的な創作noteはストップしてしまっていた。 季節は既に5月。 ゴールデンウィーク真っ只中はとても暇。 なので、今回は超個人的な話を書き留めておこうと思う。 唐突ですが… 「妊娠によってヒトはどれだけ変わるのか?」 子を宿すことにより、何か目覚ましく意識や思考が変わるのかと思いきや、現在のところ、大きな変化は感じられない。 そう。今、ちょうど妊娠6ヶ月に入ったところでこれを書いています。(公開したの

          そう簡単には変わらない。

          揺れながら創る

          2月のワークインプログレスに向けて、少しずつ試行錯誤をしています。前に少しノートに書いていた、過去の作品「枠」の再創作に取り組んでいるところです。 年末年始は余りにも寒い日々が続き、山の近い田舎の家に住む私は、寒い寒い家で稽古する気にもなれず…一回撮ったっきりの動画を頼りに頭の中でコツコツと進め、遠隔でチェリストと音楽のやり取りをしていました。 こんな時、オンライン化が進んで良かった…とも思う。何せ、一人きりで創作を進めるためにはモチベーションをどのように維持するか

          揺れながら創る

          過去の作品を見直してみる

          5年程前、フェルデナンド・ホドラーの「昼」の習作をモチーフにダンスを創作したことがある。振付の構造は至ってシンプルだけど、振付そのものが一つ一つ練りに練られたものかと言われるとそうではない。 だから私は、俗に言う振付家とは違うのかもしれない。一番重要な、根幹となるフォルムが決まれば、(多分ここに一番時間が掛かる)あとはそれを繰り返すか行き来するか。既に創られた何かを見せられるのが嫌いで、肉体から時折溢れ出る感情や、踊りを通して見え隠れする、観客自身の物語に触れてみたい。そう

          過去の作品を見直してみる

          unconsciousの世界

          カメラで何かを納めたいと思う時、一体何が私を突き動かすのかについて考えてみる。「感覚を映像に置き換える」と言っても、人それぞれやり方は違うだろうと思う。それ以前に、なぜ自分はこの瞬間を撮りたいと思うのかについて、実は今まであまり深く考えたことがない。 面白いとか美しいとかこの瞬間を是非とも残したいと感じること以前に、その時の身体の状態や欲求、その日起こった出来事からくる「感情」があるのだろうか? 私自身が感情を実感する・・つまり怒ったり泣いたり喜んだり感情的になるためには

          unconsciousの世界

          学ぶこと/身体で確かめること

          「私のリズムはどこ?」はWebサイトで映像や言葉をアーカイブしていく企画なのだけど、11月に入り、そろそろ「身体を動かすこと」と「移動」が恋しくなってきた。 10月末で地域おこし協力隊の仕事が終わったので余裕が出てきたということもあるが、身体を介して学んでゆくこと、人と会ってコミュニケーションをとっていくことが、結局はダンサーにとって必要不可欠なものだと感じる。 そんなことは分かっている。今はコロナの影響で容易には活動が出来ないからWeb上でのアーカイブという手法を取って

          学ぶこと/身体で確かめること

          「参加者の窓」について

          このサイト内で継続的におこなっているもう一つのワークは、夏に創った映像作品「3つの窓」を私が観て貰いたいと思う人に直接連絡をして、2つの質問に答えてもらう「参加者の窓」という作業だ。 これは1対1の手紙のやり取りのようでもあり、画面越しの対話でもある。 元々は、自分の作品について多角的な意見が欲しいと思って始めたことだったのだが、2つめの質問ー「COVID-19以降、あなた自身が「変わってしまった」と感じること、「取り戻せない感覚」について教えてください。ー この質問に

          「参加者の窓」について

          この4ヶ月を振り返る

          このサイトに掲載している「感覚で映像を記録する」という取り組みを始めて、約4ヶ月が経過した。正直、最初は3人のメンバー以外が殆ど目にすることもないサイトなのでモチベーションの維持が出来るだろうかと不安があった。ただ、先ずはそれで良いし、これはオンライン上の稽古場のような役割、3人の繋がりを辛うじて維持するための場として機能すれば良いと思っていた。 「積み重なる記録」を何度も再生すること、自分の記録の仕方や癖を分析することを通して見えてきたものは、将来的に作品を創る上での基礎

          この4ヶ月を振り返る