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草花と、私。 Vol.3「誕生日」
今回は何てことのない投稿内容になりますが、私の誕生日について。
今月は私の60回目の誕生日です。還暦ですね。
私は随分若い時から、この「還暦」を大きな節目としようと決めていました。
バタバタ生きてきたように傍目からは見えると思いますし、私も慌てながら、何かに追われるように走りながら考える人生だったように思います。
計画性のない行き当たりバッタリのように見えるし、私もやり散らかした落ち着きのない生き方をしてきたなと思います。
でも、悔いのある人生だったのかと考えると、悔いはないですね。
辛かったこと、苦しかった事なども沢山ありましたが、過ぎてしまえば、娘達の子育てはとても楽しかったしクリエイティブでした。
私は母親に絵本を読んでもらったり、頭を撫でてもらったりした記憶が残念ながら無いのですが、そのおかげで、「子供はこんなことをしてもらったら嬉しいかも」と想像力を働かせ、自分も楽しみながら絵本を読んだり、何かを作ったりしたように思います。
決して良いお母さんではなかったとは思うのですが、振り返ると、私の人生の中で一番幸せだった時は、バブルの時六本木で踊っていた時より(笑)、「お芋のて、ん、ぷ、ら!」と歌いながら子供たちとおやつを作ったり、ホットケーキミックスを使った簡単なバナナケーキを作ったりした時ですね。
お料理が苦手な私が作る、決して”オシャレじゃないおやつ“に娘達がとても喜んでくれたことが、私の色々なことを優しく浄化してくれたように思います。
長女が赤ちゃんの時、長女を真ん中に寝かせて、夫と二人で長女の寝顔を、「今日は頑張ったご褒美に10分眺めることにしよう」などと言って、「可愛いね、可愛いね。」と言いながら3人で眠りについたこと。
切迫早産で1ヶ月近く入院した後に無事に生まれた次女の真っ赤な顔の後ろに見えた、真っ青な5月の青空。立ち会い出産ができたので、側にいた夫が恥ずかしいくらいに先生をはじめ、全ての看護婦さんに、「ありがとうございました!ありがとうございました!」と剣道の稽古中のような(夫は剣道6段です)声で頭を下げて回ったことなど、振り返ると楽しかった思い出の欠片が沢山あります。
過去を振り返る時、辛かったことを嘆くより、これからはそんな楽しかったことを思い出していきたいなと思いました。
楽しかったこと、嬉しかったことに順番はつけれないけれど、今の自分がとても幸せなんだと思うと、これから過ごす毎日も楽しみになってきます。
私は好きな草花の仕事をできていること。娘達が素敵なパートナーに巡り会えたこと。何度も自分の命に関わることが起こっても、こうして生きていること。
還暦を節目に、自分の仕事のやり方、生き方を見直す機会にしようと思っていました。今までの楽しかったことを思い出して、それらの宝物と一緒に”走りながら考える”ことを、”歩きながら考える”に変えて、少しゆっくりと日々の暮らしを愉しみながら過ごしていく良い機会にしたいなと思っています。
歳を重ねることは悪くありませんね。
自分の性格は直らないけど、それも受け止めて、少しでも理想とする自分になっていきたいなと思います。
Kuriki Mikiko