見出し画像

ブライダルフラワーの職場で植物のメンテをしていた話

今回は長いので目次つけます。 


●中メンテ外メンテ?

ブライダルフラワーのパートを始めた時
異例の大量採用だったらしく、私以外に確か10人採用されたらしい。

でも1人は顔を合わせる事なく辞めたし
気が合うかもって思ってた主婦さんも、3回くらいで来なくなり…。
次々となぜかみんな辞めて行く…。
  
ある日の昼休み。
当時の店長から残った私ともう一人の主婦さんは「中メンテと外メンテどっちがいい??」と軽い調子で聞かれました。

ナカメンテ?ソトメンテ?

頭がハテナで、何か聞いてもよく分からず
「とりあえずやってみよう」と言われて
辞めずに残った私ともう一人おっとりした主婦さんとで中メンテをやる事になりました。

●中メンテとは

ホテル室内にチャペルがあり、その周りにベンジャミンやシルクジャスミンなどの低木とか様々な観葉植物、花はベコニアやカランコエが植わっていて、それを週2で水やりメンテナンスする。

それと披露宴会場の壁面に根元を水苔で巻いてビニールに入れた観葉植物たちがいる部屋があり、
その壁面の水やり、メンテ。

それと和婚の挙式の場所に橘が植わってて
それの水やりメンテ。

和食レストランの小さな庭のメンテ。

…なるほど。
面接の時にはこの業務があるのは聞いてなかったな。
と、華やかな花の業務だけじゃない事に気付いたのでした…。

●みんなが避けたがる地味な作業

男の社員さんが担当したりしてたらしいけど
水が入った大きなバケツとゴミ袋やホウキなどが乗る台車を引いて、落ちた枯れ葉を拾い、水やりして枯れ枝あれば剪定。
観葉植物は室内で風通しが悪いからかカイガラムシが直ぐに付くので、それを拭き取る。

ベコニアやカランコエなどの花は枯れた花がら摘んで、水やりは水を与えすぎたら根腐れするから土の様子を触ってみる。

高い木の上にある枯れ葉も取らねばならず
木を揺らして落として取る。

時間がかかるのは壁面の観葉植物。
それも水やり過ぎたら、直ぐに根腐れするからビニール内の水分を確認。
霧吹きも。

ピンぼけしてるけど
日陰に強めのミニ観葉がたくさん並んでる

とにかく手間がかかる。
だいたい、1人でやるけど朝10時くらいから始めて終わるのが14時15時くらい。

おっとりした主婦さん…直ぐに辞めていなくなりました…。

●私が主に担当になる

結局、アルバイトパートで入ってきた11人で残ったのが私と土日のセッティングだけ来てる男性だけ。

中メンテは主に私担当になってしまった。
正直、花の作業がしたい。
でも誰かがメンテもしないと駄目だし
挙式を挙げる方々の為にチャペルや会場を綺麗に保たねばならない。

それも必要な作業じゃないか!
と自分に言い聞かせるように黙々と作業してました。

新人さんが入ってきて、中メンテを私が教えても
土の湿気具合とか水の量とか考えず水やりすぎて
根腐れしたり、貴重な橘が水に浸かってしまい駄目になったり、カイガラムシも取らないから増える…。
そして覚えた頃に辞めていなくなる…。

新人といっても前は花屋で働いた経験ある人が来たときは、言葉にしなくても「なんで私がこんな事しないといけないの」的な雰囲気が出てて
メンテからめちゃ早く戻ってくるから
確認したら、花がらとか枯れ葉が残ったままだし水やりすぎ…
何回か注意しても馬耳東風…。

メンテナンスシートも私が書いて台車に乗せたりしたけど…。

結局担当は私。

新人さんは中メンテから外され花作業。
おかしくないコレ?
葛藤するよね…。

中メンテといえば、私。となってしまいました‥。 
やるから、せめて分担してくれ…。

●葛藤

元々、ランドスケープを学んでた時は庭師の卵なので作業服に地下足袋で樹木の剪定したり、松の芽摘みしたりしてたから、植物を綺麗にするのは好きだし抵抗はなかったんですが
さすがに装花室で皆が花を挿したりしてる中
私ばかりメンテに当たってた時は葛藤してました。
皆がやりたくない作業をしてる私。

私が力不足だからメンテに回されてるのか?
でもこれはお客様のためだから!と思ったし
任されるのは私が出来るからだし仕方ない!
と割り切ろうとしてました。
でも、嫌いじゃないから続いたんだと思います。
この子達(植物)の面倒は私がみてやるよ!と。

そのうち、また入ってきたパートさんが
ちゃんと真面目にメンテしてくれる人だったので
半々で担当したり、繁忙期は2人で作業して早く終わらせて花の作業に入りました。
入ってきたパートさん神! 

ちなみに外メンテとは、ホテル周りの植栽の水やりメンテで真夏に水やりしたり雑草抜いたり熱中症になるわ!と思いながら汗かいてやりました…。

●花のスキルを伸ばすために

メイン装花を挿したりはしていましたが
メンテで遅れを取りたくなくて
仕事が終わってから苦手だった花束を組む練習したり、
ブーケのラウンドやセミキャスケードブーケを練習したりしました。

婚礼の残り花で売り物にもならない花を持ち帰り練習もしました。
好きだから苦ではなかったです。

メンテも変わらずしてましたが、徐々に祭壇や壺花を挿したり
スピードはまだ遅かったですが
ラウンド、セミキャスケードブーケも任せて貰えるようになりました。

婚礼の余り花でセミキャスの練習
ラウンドブーケ作成中

●辞めたキッカケ

結局、私が入社した11人採用の時は
秋の繁忙期は特にめちゃくちゃ婚礼数が多くて
むちゃくちゃ忙しかったのですが
3年後、ちょうどコロナ前くらいには婚礼数が激減し、やばいねって話をしていました。

シフトは減らされたし、収入的にもピンチだし
先がない気がして 
違うブライダルの職場を見つけて
そこはたくさん婚礼あるって言われて
ホテルは辞める事にしました。

でも私がホテルを辞めた後、婚礼数が減りすぎた影響で
会社はホテルから撤退してしまいました…。

どっちみち、辞めるしかなかったようです。

そして私が次に入ったブライダルの職場は
気のキツイ社員さんが仕事できないバイトさんへの当りが強い上に、仕事内容が薄くってあまり面白さがなく、私は1ヶ月未満で辞めてしまいました…。

同じブライダルフラワーの職場でも
雰囲気も仕事内容も違うもんだなと思いました。

※追記…

植栽メンテの仕事が嫌な仕事だと言う訳ではなく、皆さん花の仕事ができると思って入ってきたのでメンテより花がしたい…という訳です。
ブライダルフラワーがしたい人にとっては、やりたい事とは違ったんでしょうね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?