こみたろう体操をつくりたかった理由
先日、弊社のサービス「介護のコミミ」から、介護職員が高齢者と楽しめるレクリエーションとして「こみたろう体操」という健康体操の動画を公開しまして、楽曲制作を私が担当させていただきました。
担当、とカッコつけて言ってみましたが、そもそも半ば私の自己満から始まったプロジェクトなので、実は音源のレコーディングや動画の編集もすべてDIYです。(体操は妻が作ってくれて、撮影は弊社メンバーだけで行いました)
あくまで遊び心と好奇心に導かれる形で進めたかったので、介護のコミミのサービスの1つではあるものの、仕事終わりや土日などにコツコツと制作してて、なぜそこまでしてこの「こみたろう体操」をつくりたかったのか、言語化してみようと思います。
前提と背景
こみたろうとは
介護のコミミのマスコットキャラクターです。
元々、介護のコミミ内のコラムで登場したのが始まりですが、最近ではSNSで特技を披露したりと露出が多岐に渡っています。
ちなみに弊社の社内にも至るところにこみたろうがいて、オフィスの玄関で迎えてくれたり、定時になるとSlackで日報のリマインドをしたりしてくれます。
介護におけるレクリエーション
介護施設では、利用者である高齢者の健康を目的としたレクリエーションが行われています。
塗り絵やクイズなどといった遊びから、音楽に合わせた体操までそのバリエーションは様々。
そしてそのレクリエーションのネタを日々考えたり、実施したりするのも介護士の仕事の1つだったりします。
介護のコミミでは、そういった仕事をサポートするためにレクリエーション素材の配信も行っています。
ミュージシャンとしての私
私をよく知ってくれている人にとっては今さらの自己紹介ですが、14歳の頃からギターを持ち、15歳にはバンドで作詞作曲を始めていたということもあって、未熟ながらも10年以上音楽業界にいた身でした。
そしてそんな私が生涯で作曲した楽曲は数えられないほどですが、ここ数年は音楽活動も休んでいたので、今回の制作はかなり久々のものとなりました。
百聞は一見にしかず、ということで唐突に10年前にアルバムをリリースした際に公開した私のバンドのミュージックビデオも晒しておきます。
オリジナルの体操をつくりたかった理由
そんな背景もありながら、なぜ私がオリジナルの体操をつくりたかったのかを振り返っていきます。
が、先に言っておくと当初の原動力ら完全に「思いつき」と「好奇心」が9割以上を占めていて、冒頭にも触れた通り「自己満でもいいや」という気持ちでモチベーションが自然に切れるまで続けるつもりでした。
ただ、やっていく中で自分なりにこの体操を完成させる意義みたいなものが沸々と生まれてきたので、後付けかもしれませんがそれらを語らせてください。
介護職員のウェルビーイング
「こみたろう体操」は介護施設の利用者向けに行う健康体操なので、あくまで高齢者の健康が第一目的ではありますが、「この体操を一緒に行う介護職員の心や身体も健康になったっていいじゃないか」と作っていく中で気持ちが芽生えてきました。
そんな体操一つで職員の健康が向上するほど、介護の現場で働く人々は日々身体を動かしていないわけではもちろんないと思いますが、例えば今回オリジナルの楽曲にこだわったのも、高齢者だけではなく現場で働く介護職員に向けたメッセージを乗せたかったからという背景もあります。
忙しい業務のちょっとした小休止に、この楽曲の音や言葉に「よし頑張ろう」「働いて良かった」と思ってもらえるようなものを作りたかったのです。
音楽療法への挑戦
個人的な話ではありますが、20年前に祖父が介護施設に初めて入居することになったのが、私の初めての介護との出会いなのですが、折しも私が音楽を始めたタイミングと重なったこともあって、自分が向かう創作活動の一つとして音楽療法という世界があることを知りました。
ただ先述の通り、ほどなくして私はバンド人生に青春を捧げることになるので、当時その道に進むことはなかったのですが、縁あってフリーランス時代だった5年前に「介護のコミミ」の立ち上げに関われたお陰で、回り回って介護業界に足を踏み入れることとなり、20年越しにその入り口に立つところまで戻ってくることになったのです。
もちろん、私はいわゆる音楽療法士ではないし、専門的に学んだわけでもないですが、自分の作品で誰かを健康にしたい、という気持ちがあれば音楽療法に挑戦はできると思い、「こみたろう体操」は初めて音楽療法を志したあの時の自分を重ねながら作曲しました。
自分の個性や才能を生かせる職場に
まだまだ人数の少ないスタートアップですが、弊社にも才能豊かな一芸に秀でたメンバーがたくさんいます。
イラストを描くのが得意なメンバーや、書道を極めたメンバー、ファッション好きすぎて家にめっちゃ服があるメンバーなどなど。
そりゃ誰だって好きなことあるし、良い大人になれば特技の一つや二つはあると思うので上述の限りではないと思うのですが、それらを仕事という文脈で発揮する機会って普通なかなかないですよね。
そりゃ私も、まさか介護のコミミのコンテンツのためにまさか曲を書くことになるとは思っていませんでしたから。笑
ただ「こみたろう体操」というプロジェクトに、音楽という自分の好きなものがあったおかげで、「優先度」や「費用対効果」「工数」などといったお決まりの検討軸に邪魔されず、最後までやり切れたのかなと思います。
もちろん本業ではしっかりと「優先度」を意識すべきで、やることはしっかりやった上での話ではありますが、感覚として「自分の好きなことだから」というモチベーションで夢中になって取り組めるプロジェクトがあった方が仕事ももっと楽しくなるぜ、ということを個性豊かなメンバーたちにも伝えたかったのです。
仕事を自分の好きなことや得意なことと掛け算して、自分にしかできない仕事をどんどんクリエイトしていく会社にしたいです。
今後やりたいこと
ひとまずはYouTubeで動画を公開できたところで、2ヶ月くらいかけてこっそり進めていたプロジェクトとしては一区切りがついたのですが、実は個人的にこの「こみたろう体操」を通じてやりたいことがたくさん残っているので、最後に伝えたいと思います。
全国の介護施設を訪問して、みんなで「こみたろう体操」をやりたい(伊藤の体操のお兄さん化)
上記を実現するために、こみたろうの着ぐるみを作りたい(調べたら予算80万円するらしく今回は泣く泣く諦めた)
全国の介護施設の職員や利用者さんと体操に取り組んでいる様子をミュージックビデオ化してみんなの思い出にしたい
自分がいつか施設に入居する時まで「こみたろう体操」が継がれていて、「この曲、ワシが作ったんじゃ」と自慢したい
夢がまた夢を作ってくれるから人生って面白いですよね。
ぜひ「こみたろう体操」プロジェクト、応援していただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。