ペラッペラ人生:テントウムシ事件
今まで書いてきた記事を読んでいただけると僕がどんな学生だったかがなんとなく理解できたと思います。
はい、そうです。
卓球部でメガネでテンパで親から買ってもらった自転車が大きくてつま先ギリギリでしか乗れない陰キャっぽいのに調子乗り。
これですね。
こんな記事にまとめておりますのでよろしくお願いします。
今日はテントウムシ事件のお話をしますね。
これらよりも時代は少し進み、高校時代へ。
中学校時代の思い出はまだまだあるので(脱衣クイズとか)時系列がバラバラになっていくことをここに誓います。(だからタイトルに①とか②とか番号つけるの辞めたの)
高校生になり中学校の頃よりも活動範囲は広がりましたが、仲良しエロティカメンバーは3年の夏まで部活で、われわれの高校は野球特待生はいない、地元の生徒ばっかりで甲子園に行くというルーキーズみたいな高校でしたからやっぱり部活が忙しく遊んだ記憶はほぼないんですが
引退してから今まで我慢していたものが爆発というか、やっぱり野球部にいる間はいい子ちゃんにしていないと怒られるみたいな雰囲気があったみたいで大人しかったぶん弾けて、中学の頃のように遊ぶようになりました。
放課後にスーパーに行き、そこでお惣菜を買って、田舎特有の無駄に広い駐車場の裏にある田んぼと道路の境目がええ感じの坂になっているので、底に腰かけてそれぞれ好きなお惣菜、僕はコロッケを食べる。そんな事が日課になっていました。
あかんことやけど、当時はタバコ吸うてる奴もいましたし(僕とM吉は絶対に吸わなかった)学校に見つかったらやばかったんですけど、ホンマにええ感じの坂でちょうど見えないんですよね。
雨の日はそのスーパーでお惣菜を買ってSの家(近かったしほぼ一人暮らしみたいな生活してたから)行って借りた映画を見たりしてました。プライベートライアンの最初のノルマンディ上陸作戦のシーンでアメリカ兵の手や頭がぶっ飛ぶなかなかなシーンを見ながらI治が『うわぁめっちゃグロいなぁ~』って言いながらお惣菜のもも肉をクッチャクッチャ食べてたのが印象的です。
まぁ雨の日の話は置いといて、その日はもう高校三年生の冬だったんじゃないかなぁ?大学にいくやつも、就職する人間ももう行く場所の内定が決まっていた状態だった気がする。いつもスーパーの裏に集まってぺちゃくちゃ喋ってた僕らでしたが、今日はY野が大手電力会社に就職が決まりまして、みんなでお惣菜と飲み物を奢ってわいわい喋ってました。
稲刈りの終わった田んぼに石投げたりとか(絶対やったらあかんよ)誰が一番遠くに投げれるかとか(断トツ最下位は僕なのは言うまでもないよね)小学生の様な事をしながら7人で喋る。僕はこの時間が大好きでした。
他愛ない話をしながら爆笑して友の成長を祝う。何て素敵な空間なんだと。
次第に夜も更け、気が付いたらかなり遅くなってました。
高校生が外に居たらダメな時間ぎりぎりくらいまで。
辺りは街灯もなく、田んぼ道ですから真っ暗になりますので、田舎の透き通る月明かりと、I治が乗っていたモンキーっていう小さくて可愛い格好いい50ccのバイク(3年前に生産終了)のライトだけが頼りでした。
就職内定おめでとーとか言いながら当時の彼女の話をしたり学校の話をしたりM吉をイジったりイジられたり楽しい時間を過ごしているうちにそんなに遅くになっているとは気づかなかったのです。
そんな中急に双子の弟が叫びます。
『パトカーや!!!』
夜にうろつく未成年を補導するパトカーでしょう。
完全にこっちに向かってきていました。
I治のモンキーのライトがあるのでええ感じの坂に隠れてるとはいえバレバレだったのでしょう。
パトカーからしても『なんで田んぼとスーパーの間ひかってんねん。』てなもんですよ。
ここで補導でもされて学校にバレようもんなら怒られるどころか、それぞれの内定が消えてしまうかもと、僕も専門学校決まってましたし、何より内定おめでとう祝いのプレゼントとしてお惣菜食べる時に飲んでくれと渡したのが麦茶のTパックで『今飲めへんやんけ』というツッコミ待ちの僕の渾身のボケがもっとスベることになってしまいます。
幸いまだ少しだけパトカーとは距離があります。双子弟の気付くのが早かった。
この双子弟も大手鉄道会社への内定がありました。誰が言ったかは覚えてませんが満場一致で
『逃げよう!』
となりまして。一斉に自分の自転車に乗ります。
『お先!』
とI治はモンキーに乗り颯爽と帰ります。
僕らも全速力で田んぼ道を自転車こいで山のある方へ向かいます。
I治がいなくなった事で、辺りは真っ暗になるのし、僕らも全力でチャリ漕いでるのででさすがに見つからないだろうと思ったのですが、僕らはぼんやり光ってました。
なんで?
自転車のライトは僕のは消してる。双子もY野も消してる、しかしM吉のライトがついておりました。
『なんしてんねん!はよ消せって!』
双子弟が叫びます。
『ごめんって!』
M吉がそう返します。
双子兄『いや、ごめんとかちゃうって!消したらええやん!』
M吉『ちゃうんよ、僕のテントウムシなんよ!』
双子『…どういうこと!!?』(双子はマジでよく喋る言葉シンクロしてた)
M吉『テントウムシなんよ!僕の!』
もう意味が解りませんよね?
けど僕には分かりました。僕も中学校の頃はテントウムシでした。テントウムシっていうのは自転車のライトの名前で夜になったら暗くなった事をライトが察知して勝手に点灯してくれる優れもののオートライトです。
しかしあの日あの時間のテントウムシはマジで空気読めていない代物でした。
双子弟『捨てろ!』
M吉『無理やろ!こんなにも全速力の中テントウムシとる事出来ひん!』
双子兄『蹴ってみて!』
M吉『テントウムシにあたらんと、もし前輪に足絡まったら怖い!』
S『足も捨てろ!』
M吉『ひどい!テントウムシだけじゃなく』
花岡『いちいちテントウムシって商品名で言うな!ライトでええやろ!』!
双子弟『わいが蹴とばしてやる!(ガン!ガン!)』
M吉『あぁ!やめてぇ!あぶない!こける!』
Y野『双子弟、退いてくれ!』
双子弟『うん!』
M吉『え!?何!?』
Y野『うるぁ!!(渾身の一撃の蹴り)』
ガコン!(地面に転がり光を静かに失う点灯虫)
M吉『あぁーーー!!!!テントウムシーーーー!!!』
花岡『いちいち商品名で言わんでええやろて!!逃げよう!!!』
逃げながらも全員爆笑していたのを覚えています。
パトカーの赤いランプ、月明かり、全速力で顔に当たる風の冷たさ、それに反する身体の火照り、簡単な言葉ですが、何もかもが青春でした。
その後、なんとか逃げたと思ったんですが、帰り道同じパトカーが前から来て、ちゃんと謝ったら今度は逃げたらあかんよと注意されるだけで終わりました。当時はすみませんでした。
ライトのなくなったM吉にはでっかい懐中電灯を渡し、ハンドルに括り付けてあげました。
めでたしめでたし
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