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【読書感想文】オーデュボンの祈り


オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎さん



あらすじを書く前に、ちょっと言わせてほしい。




めっちゃめちゃ面白かった!!!!!!!!



久しぶりにあんなにドキドキはらはらしながら本を読んだ。



え、、これどうゆうこと?

ちょっと待ってこのまま読み進めるの怖いよ、

いやこれ絶対おかしいでしょ、、、でもなにがおかしいんだろう。


これがミステリー小説の素晴らしさですね。

もう心がぎゅんぎゅんに揺り動かされる(笑)どきどきしすぎて読みながらちょっぴり疲れる、いい意味でね!



この本のあらすじは、こんな感じ。


主人公の伊藤は気が付くとある島にいた。その島は江戸時代から外界との関わりを一切持っておらず、一風変わった人々が住んでいる。事実と反対のことしか言わない画家、島のルールとして殺人を認められている男、未来が見える、人の言葉を喋るかかし。

そして、この島には古くからの言い伝えがある。

『ここには大事なものが、はじめから、消えている。だから誰もがからっぽだ』『島の外から来た奴が、欠けているものを置いていく』

そんな中、この島で殺人事件が起こり、それをきっかけに様々なものが明らかになっていく・・・・。





島の中の世界と、現実の世界と、主人公伊藤の過去と、島の過去と、さまざまな場面に移りながらちょっとずつ明らかになっていく感じ、さらにまたちょっとずつ疑問が増えていく感じがめっちゃ面白い。


主人公伊藤は、現実世界を生きてきてて、急に島の世界に飛び込んだから、伊藤の持っている感覚は私たち読者の持っているものに近い。

だから伊藤の、島に対しての「え、これおかしいよ。なんでそうなってるの」って思うことはけっこう共感できる。


でもその時の島の住人が、「え、なんでこれがおかしいの?そうゆうもんでしょ」って言われた時に、伊藤がちゃんと反論できない感じもすっごく共感できて、なんかすごく考えさせられる。



例えば、島のルールとして殺人を認められた桜という男がいる。桜にに対して伊藤は「それは殺人だ、逮捕されるべきだ」という。

でも島民は、

「桜は俺たちのルールなんだ」
「地震が人を殺すのに許可がいるか?人に落ちた雷を裁く奴がいるか?」

と言って、誰も桜が人を殺すことに関して何も言おうとしない。桜は”悪いことをした奴を殺す≒桜に殺されたという事は悪い奴だった”ということを信じている。

善悪をつけようとする前に、「ルールだから、そうゆうものだから」で納得している。





・・・えーーでもさ、人が人を殺すのと、地震が人を殺すのは違うじゃん。だってそこには意図があるじゃん。やっぱ違うじゃん・・!

と考えつつも、「納得している」と言われてしまったら、「・・そうなんですね(‥でもっ!)」としか思えなくなっちゃう感じも分かる。




という話が、この桜という男だけじゃなくて、様々な島民のエピソードで出てくるから、もうほんと頭ぐるぐる動きっぱなし、心ぎゅんぎゅん持ってかれっぱなしでした。



そして最後の、複線回収もお見事!!!!!としか言葉が出なかった。

現在と過去、島と現実世界、あらゆるところに張り巡らされてきた伏線が、ラストスパートにかけて掃除機のコードがぎゅぅぅん!って勢いよく収まるように回収される。すごい!

読了後の達成感&ほんのり残る暖かさ&読み終わっちゃった寂しさ。


うわ~~これ書いててまた読みたくなってきた(笑)

この結末知ってる状態でもう一回読んでも、ぜったい面白いんだろうな~一回読んだだけじゃ気づけなかったところがいっぱいあると思う。



どきどき、はらはら、え??なんで?、ほんわか、暖かい、なるほど!!

これらを感じたい人に、ぜひおすすめです。



これを機に、今まであんまり読んでこなかったけど、伊坂幸太郎さんの本を開拓していこ~~♩好きな作家さんが増えて嬉しい。


読み直すのが楽しみだ!!




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